町と村の運営
について
町や村の頂点には町奉行、郡代・代官がいたのですが、実際に治安の維持・管理を行うのはそこに住む人達の代表でした。
ここではその支配体系を纏めてみました。
町の運営
(1)町の管理 町奉行 享保四年から月番となり北・南町奉行が置かれた。
江戸府内の民政を司る。↓ 町年寄 喜多村彦右衛門、館市右衛門、樽屋藤右衛門で構成。
家康に従って三河から来た由緒ある家柄で世襲制。
苗字帯刀を許されている。
月番で町奉行所に出頭して指示を受け、名主へと伝える。↓ 市中二十三組合 町名主二十三人で構成。
役割は大きく、警察署長のような働きをした。↓ 月行事五人組 家主の五人組で構成。毎月交代で務める。 (2)町人の階層
地主・家持 本来土地を空けておくのは無用心という考えかたから長屋を建てた。
そのため利益追求ではなく、名誉のためという意味あいが大きく、家賃の値上げは火災で新築した場合などに限られていた(敷金、前家賃なども無かった)。↓ 家主(いえぬし) 訴訟、公費の徴収、祭礼・消防から夫婦喧嘩までをとりしきる。
いわゆる大家さんで、一人の地主・家持に雇われていた。
複数の場所をかけもつ場合もある。
借家人から盆暮れの金品付け届け、下肥(トイレ)を売った金も入るため、なかなかの収入となった。↓ 地借(じがり)、
店借(たながり)表店、裏店に別れる。
裏店は俗にいう九尺二間(入り口側九尺(2.7m)、奥行き二間(3.6m))の裏長屋で、多くが一棟六軒で構成される棟割長屋といわれるもの。
一住まいは三坪ちょっとの広さでした。<町入用>
目的:
町入用は地主達が町を運営するために集めた資金。
負担:
資金は地主・家主が応分によって負担。
地借・店借層の人達は町入用を負担することがない代わりに町の運営に対して発言する権利がない。
(注)
木戸の鍵修理、井戸の縄換え費用といった名目で”釣瓶銭、鍵銭”とよばれるものは負担していた。
内訳:
内訳としては以下のようになっていて、上納金が1/4を占めている。
・幕府への上納金など
・自身番、木戸などの維持運営費
・橋、道路、上下水道などの維持運営費
・町火消、防火設備の維持運営費
・祭礼、その他
村の運営
(1)村の管理 郡代・代官 幕府領を治めて租税の徴収をする勘定奉行配下の役人。
郡代は代官より上位の役職で、布衣がゆるされ十万石以上級の身分。
代官でも年功により布衣がゆるされる。↓ 村役人 名主、組頭、百姓代などが村役人と呼ばれ村政を運営した。
村役人以下が農民。
名主や組頭は世襲が一般的。郡代・代官から任命されたり、入札(選挙)で選ばれる場合もある。
関東・東北では名主と呼び、それ以外では庄屋と呼ぶ所が多い。↓ 五人組 向こう三軒両隣が一組となって自警、納税、葬祭などの相互扶助を行うとともに、一人の犯罪を連帯責任とすることで治安を維持した。
五人組は本百姓からなり、村政に参加する。(2)百姓の階層
本百姓 百姓は単なる農夫ではなく耕地を持つものという意味。 ↓ 水呑百姓、隷属百姓 耕地をもたず本百姓から土地を借りて作物を作ったり、作業をするだけの農夫。 <村入用>
目的:
村入用は本百姓が村を運営するために集めた資金。
負担:
当初は均等分担だったが後に耕地の大きさ(収穫量)によって負担するようになった。
内訳:
内訳としては以下のようになっていて、村役人給金が1/2を占めている。
・村役人給金
・年貢関係
・鷹場
・出張寄合
・飛脚
・筆墨紙代金
・その他