江戸の物売りについて



江戸時代物売りは多種多様でしたが、大別すると9種類になります。

物売りの風俗も江戸と大阪では違いがあり、八百屋を例にとると江戸は笊(ざる)の目が粗く、大阪は細かい目を用いていたようです。
ここでは、江戸の物売りについて纏めてみました。


日用品売

日用品売を更に細かく見てみると、こんな物がありました。

修理に来るのが当たり前という時代ですね。今は来てもらうだけでも費用がいる時代・・・
挑灯張替なんて、さささっと屋号(お気に入りのマークかな)を書いてもらったりしてみたいなー。

油売 油売りの扮装は三都ともにほぼ似ている。
藍色の綿服に渋染の前垂れをしていた。
糊売 洗濯後に使う糊を1文以上の単位で売る。
道具は豆腐売りに似ていて桶を2つ担いで売り歩いた。
荒神松売 毎晦日ごろに荒神松を売り歩いた。
京坂では花瓶に供え、江戸では小枝一枝を供えた。
針売 小間物売りも兼ねて縫衣の針を売り歩いた場合もあった。
鏡磨き 平日も回ったが、寒中(冬の間)が主だった。
眼鏡の仕替 新しいものを売る他、新古を扱ったり、破損の修理をした。
印肉の仕替 風呂敷を背負って売り歩いた。
紙屑買 古い帳面や紙屑を買った。
また、紙屑だけではなく、古い衣類や銅、鉄、器も扱った。
古傘売

京坂では銭を出して買うことは稀で、土偶や土瓶、行平鍋などと交換した。
その際、交換する物が少なければ銭を出すのが一般的だった。

江戸では交換ではなく、4文〜12文程度で売られていた。

呼び声は「ふるぼねはござい」。

箒売

古い箒を買い、新しい箒を売った。
古い箒は解いて束子などにしてまた売った。
箒には竹箒と、草箒があった。

呼び声は「ほうきほうき」。

炭売 歩いて売ったのは貧民小戸のためのもので1升、2升といった単位で売った。
俵炭は店でのみ売られた。
笊味噌漉売 ザル、味噌こし、柄杓などを売り、修理もした。

小間物売 昔は高麗国など舶来のものを売ったため、高麗物屋といったが、高麗と小間が和訓がにていたので小間物屋となった。
歯磨売 歯磨きを単独で売り歩くものは無く、小間物屋が扱った。
筆墨売 筆、墨、硯を箱に入れ得意先を回って売り歩いた。
挑灯張替

頼みに応じて提灯に記号を即座に入れて売ったり、傘、日傘の修理などもした。

呼び声は「傘日がさのつづくり(修理の意味)雨障子のはりかえ」。

蝋燭の流買 提灯、燭台等で流れ落ちた蝋を買い集めた。
はつり売 京坂では”はつり”売り、江戸では”木端”売りと言った。
木材の屑を薪に用いたのである。
竿竹売

衣服を洗って干すための竹竿売り。

呼び声は「かたびらざおー、かたびら(衣服の意味)ざおー」。

輪替

”わがえ”と読み、桶、樽の破損を修理したり、”たが”といわれた竹の輪(樽をとめるための輪)。

江戸では、蓋のあるものを樽といい、無いものは桶といった。

京坂では蓋の有無では無く、形によって樽とも桶ともいった。

ぜにさし売 銭を纏めるための紐(ぜにさし)を売った。
主に中間の内職として作られたそうです。
渋紙売 渋柿の汁を紙に何度もぬって強くしたもの。
荷造りなどに用いた。
たどん売 炭の粉に泥を混ぜて固め、干したものを炭の代りとした。
櫛・こうがい・かんざし売

この3種類に限っては、他のものを合わせて売らず、専門に扱うものがいた。

こうがいは、本来髪の乱れを整えるためのものだったが、後に単なる飾りとなったもの。

かつら売 かつらを売り歩いた者。
はりがね売

日にちごとに場所を変えて売り歩いた。

呼び声は「はりがね、はりがね、はりがねの安売り、2尺1文はりがねはりがね」。

鼻緒売 売り声は「はなおや、はなおや、下駄の鼻緒が2足3文」。
雪駄直し

売り声は「でいー、でいー」。

”でいー”とは”手入れー”が訛ったものらしい。

柏の木売 蚊をいぶすために用いた柏の木を売り歩いた。
汗手拭売 6月ごろに麻1尺の手拭を売り歩いた。
その半分には染め模様があった。
耳かき売 1本1文で売られていた。
錠前直し 鍵の修理を行った。京坂では荷を担いだのに対して東武では肩に直接道具を担いだ。
鋳鉄師 銅鉄の鍋釜の破損を修理する。
磨師 包丁、小刀等を磨く。これらは”とぎや”といわれ、刀を磨く”とぎ師”とは区別された。
瀬戸物やきつぎ 陶器の破損は漆を用いていたが、寛政の中ごろから白玉粉で焼接ぐようになった。
臼の目立 臼(うす)の目が磨耗した場合に目立てをする(ぎざぎざをつける)。
銅器売 銅、真鍮製の鍋・茶碗・やかんを売った。
水弾売 水弾とは水鉄砲の事で火災の防止のために用いた。

すだれ売 江戸では鋸(のこぎり)を持って売り歩いていて、注文のあった家の敷居に合わせて切り売った。
箱火鉢売 桐または欅の火鉢に瓦または銅の内箱を入れたもの。
おはちいれ売

京坂では”おひついれ”、江戸では”おはちいれ”と呼ばれた。

寒い時期に飯が冷えないように飯器を入れるためのもの。

行灯仕替 新品を担いで売った。京坂では丸行灯のみが用いられたという。
やぐら直し こたつのやぐらを修理したり、新品を売り歩いた。
ぜにござ売 反故紙を編んで1畳または半畳の大きさにしたものを売り歩いた。主に足軽や奴の内職。