仕掛人・藤枝梅安


殺し針を操る梅安の姿と、鍼医者として治療を行う梅安。相反する行動と心持ちがなんともいえない感情を読み手に伝える時代小説。

・二人の仕掛人

鍼医者の藤枝梅安と楊子つくりの彦次郎、おもてむきの家業でも名を知られたふたりだが、仕掛人としての顔をもつ二人。この二人を中心として、狙われる者、起こり(おこり)、蔓(つる)、仕掛人が織り成す微妙な人間関係が面白い。

時代小説は苦手という人も一度読んだら嵌まること間違いなし!

・起こり、蔓、仕掛人

起こり:殺しを顔役に頼む依頼人

蔓:殺し屋を選び殺しを頼む顔役

仕掛人、仕掛屋:蔓からみた殺し屋

蔓は起こりがよこした大金の半分をとり、残りを仕掛人に渡す。蔓はある程度起こりからどういう事情で、その相手を殺さねばならないのかを聞いている。なんといっても自分が表にあらわれず別の殺し屋に頼んで人命をうばうのであるから、自分の躰に火がつくことになってはたまらない。

仕掛人は、あくまでも金づくで殺人をおこなうのであるから、くわしい事情を知らなくてもよい。いや知るべきでないのが定法であって、この場合はどこまでも蔓を信頼しなくてはならぬ。(殺しの四人 おんなごろしより)