日本経済は、引き続き混迷と危機の中で、めしばむデフレ不況からの出口が見えない状況にあります。不良債権処理に伴う倒産や企業の人員削除による失業率は、これからもさらに増加することが予測され、一時曲がりなりにも回復基調の兆しを見せた景気回復にも息切れの気配は濃厚になりつつあります。 また国と地方の財政状況の悪化は、歯止めが掛からず、硬直化をもたらし、危機的な局面を迎えつつあり、併せて、産業の空洞化と少子高齢化は一層加速をしてこれに係わる行政需要は拡大し、バブル崩壊後の「失われた10年」を経過しても、なおも苦境を脱しきれないで、また、具体的で安全で確実な処方箋が見つからないまま、日本経済の病は重くなる一方であります。 このような動脈硬化を起こしている日本経済を再生するためには、身体全体の血液の巡りを良くし、手足などを自由闊達に動きやすくするために抜本的な規制緩和など経済の原則に則した徹底的な構造改築などの社会環境を整えることから始めなければなりません。 そのためには、 例えば、介護保険制度の導入で、民間企業などに門戸が開かれたのを受けて、各地域でNPOやベンチャー企業の福祉事業への参入がありました。 また一段と厳しさが増す地方においても、保育や教育などの多様な行政サービスへの期待が出来る需要型の産業を基軸に地方経済の建て直しを図る試みが始まっております。 更には、限られた予算を有効かつ効果的に使うために、個々の事業について費用対効果を明確に打ち出して、それらの結果を公開することによって、市民の適切な判断を仰ぐという仕組みの構築を図るなど、行財政改革の断行を推進している。 このように、地方の積極的な改革への取り組みに対して、地方分権を確かなものとするために、国からの権限と税源について、早急に地方移譲を加速させることが不可欠であると考えます。 そこで、私達は、地域経済の活力を回復するための当面の緊急性のある体系的な施策を注入することが、必要であると考えて、本市の抱えている最大の課題である財政再建と景気回復の両立という難関を見据えて緊急提言するものであります。 地域経済の現況を踏まえて、地域経済の活性化と回復への道筋を示すことが、市民の負託に応えるべく私達の責務であると考えて当面の緊急課題であるとの認識に立脚して、活性化への加速プログラムとして提言するものであります。 日本経済の原動力となって、今日を築いてきた、ものづくりの支えであった中小企業への懸命な努力に報いるために金融を中心とした、あらゆる側面からの支援の拡充を図る。 中小企業が融資を受ける際には、必ず担保を含めた信用保証を求められるところであるが、その支援措置として、資金繰り支援保証制度などの信用保証制度の強化、拡充を図る。 厳しい雇用関係にある中で、新たな雇用環境を創り出すために「雇用対策指定プログラム」の早期実施と雇用関係相談窓口組織の強化を図る。 現在市内のハローワーク(公共職業安定所)は2カ所(川崎区・高津区)に設置されているが、行政サービスの空白地である、北部地区(登戸・宮前平・新百合ヶ丘)への的確な雇用動向等の情報提供が不可欠であり、ハローワークもしくは、それに準ずる施設機能の誘致推進をする。 規制緩和の一環としての構造改革特区制度の活用により臨海部の「国際環境特区」の指定により、地域経済のポテンシャルを上げると共に羽田空港の国際化に向けた取り組みを強化する。 「アジア企業家村」構想は、広くアジア各国に潜在する人材の発掘、ビジネスパワーを集積して、新産業創出を計るものである。この構想は、アジアの成長力を呼び込むことで、臨海部の再生につなげ、日本経済全体の活性化に寄与する。 臨海部の活性化のためのアイディアを出し、コンセプト・理論づくりに寄与し、産官学が一体となって、環境エネルギー関連の研究開発や情報の発信源となるための拠点づくりを進める。 開発拠点としての研究所は、地域の活性化への連動する要素が大きいので、「産業技術総合研究所」は環境産業とロボット産業との施設機能を持っており、国のプロジェクトであるこの研究所の誘致を推進する事より、臨海部を先端産業の集積化を図る起爆剤となる期待がある。 新技術や高度な知識を軸に、創造的な経営を展開する有望なベンチャービジネスに対して、本市が、株式の取得などによって資金などを提供する「ファンドの創設」など、多様な運転資金調達機会の環境整備を図る努力をする。 21世紀を見据えた風格のある都市の基盤整備として、地域の一体性と利便性の向上のための総合交通体系、とりわけ道路と鉄道計画の促進は急務である。重点化した公共投資の継続により、地域経済の活性化に連携した都市の活力を生み出す。 地域経済の空洞化が懸念される本市の玄関口の「川崎西武閉店」問題について、今後の駅周辺の再開発の動向、または、街のイメージダウン等マイナス効果が計り知れないところであり、関係者が一体となって再考を促す運動体を構築する。 私達、自民党川崎市連基本問題対策本部は、昨年7月に、「川崎に再生に向けた骨太の提言」を市長に緊急的な政策提言をしたところであります。 市長はこの「骨太の提言」を真摯に受け止め、昨年9月、「川崎市行財政改革プラン」を策定したところであり、現在、その政策課題について鋭意、その実施の向けて、最大限の努力を市政の抜本的改革に向けて全力を傾注しており、私達もその支援は惜しまないところであります。 一方、日本経済の低迷は、行き先の見えない不透明さを増幅し、雇用関係を初めとして、地域経済とりわけ中小企業の危機が払拭できない現在、地域から日本を変えようとするために、地域経済の活力を創出する自らの英知と勇気を発揮することが出来る、当面の緊急的な中長期的な方向性を踏まえて、提言として提案するものです。 私達は、この緊急提言の骨格をなす加速プログラムについて、効果のあるその政策の実現のために、市長が共に取り組むことへの積極的な理解と特段の配慮を強く要望するものです。 なお、私達は、この緊急提言に関して、川崎商工会議所を初めてとする市内の産業商業等の各種団体との連携強化を図りながら、この難局に立ち向かうことを、明確にするものであります。
(2003.2.22)
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| 2002.12.26 | 市政のこの一年を振り返って |