富士宮口登山道
古くから表登山道として栄えてきたルート。五合目の標高が2400mと最も高く、
道中も他と比べると幾分直線的に登って行くため、山頂までの最短ルートである。
昼は宝永山と駿河湾、夜は富士、清水、静岡と連なる夜景が圧巻。
登山編
五合目〜六合目
2400mの五合目駐車場から新六合目までは約30分の道のりである。
登山を開始してまもなく右手にチップ制の公衆トイレがあり、ここを過ぎると新六合目まで
道は右に(東に)一直線に伸びてゆくが、ゆっくり歩けば問題なく通過できる。
ブルドーザー専用道を横切るところまで来ると早くも新六合目の山小屋が見え、平坦な道となる。
ここまでで息が切れたり、足に負担を感じるようであれば明らかなオーバーペース。
1歩25cm程度で1歩1秒ペースで歩いたとしても30分あれば450m進め、新六合目に到着できる。
逆に物足りないと感じても速度を上げないこと。 後半にツケがまわるだけである。
六合目〜七合目
宝永山方面に向かう道を右(東)に見送り、本格的に上を目指す。
オンタデがいたるところに生える中をジグザグに行く。
上記のペースを守ればここもきつくはないが、足元が岩の場所もあるのでスリップに
気をつけよう。 右手の同じ高さに宝永山の平頂が見え、これを少し見おろすようになると
新七合目御来光山荘に着く。 新六合目からここまで約50分。
見上げればすぐ上に元祖七合目と八合目が見えるが、ここから元祖七合目までの約50分は
以外にきつく、このあたりで高山病の初期症状が出る人もいる。
右の宝永山をだいぶ眼下に見おろすころ、ようやく元祖七合目に到着する。
七合目〜八合目
七合目から八合目は約40分。 六〜七合とそんなに変わらないが、後半は急な岩場を
通過するため、ここまで余裕で登ってきた人にとっても最初の正念場となり、六〜七合で
バテていた人にとっては地獄となる。 立ったまま1分休むだけでも足どりは軽くなるので、
立ち休憩の回数を増やしながら乗り切ろう。
なお、富士吉田コース経験者にとっては、思ったよりあっけなく八合目に着いてしまうと
いった印象を持つかもしれない。
富士吉田の六合目付近まで車で行ける感覚であることと、本八合富士山ホテル手前の
最大の難関、胸突八丁ほどの大変さではないことなどがあげられると思う。
八合目〜九合目
八合目からは山頂を視界にとらえた登りとなる。
せっかく見えた山頂だが、見ないほうがよい。 見れば愕然としてしまう。
山頂直下の部分が壁のように立ちはだかり、ただならぬ様子である。
いっこうに近づかない上を見るより下を見よう。 こんなに登ったのかと嬉しくなる。
九合目萬年雪山荘まで35分、文字通り万年雪が迎えてくれる。
九合五勺胸突山荘までさらに30分。 がんばって登ろう。
九合五勺まで来れば、山頂までの残り高度125m、剣ヶ峰まで186mと迫っている。
ここでは少しゆっくり休んでいこう。
最後の大休止ポイントであるし、この先には最大の試練が待っているからだ。
九合目〜山頂
富士吉田の正念場が八合目であるのに対して、こちらはここからが核心部となる。
一段と斜度が増し、しかもほぼ直登に近いジグザグ道であるため一気に高度を増し、
空気もよりいっそう薄くなる。
九合五勺まで元気だった人が突然高山病を発症し、断念するケースもあるほどにきつい。
よく登山ガイドに、10歩進んで1分休むなどといったことが書かれているが誇張ではない。
疲れて休むのでは遅い。 疲れる前に休むこと。
息切れしてから休むのも遅い。 息が切れる前に休む。
座ってしまうと、立ち上がる動作だけで息が切れ、足に負担がかかるので、
座りたくてもここは立ち休憩でがんばろう。
山頂に見えていた白いものが鳥居であることが確認できるようになると、いよいよ最後の
ひとふんばりとなる。
山頂がいっこうに近づかなかったこれまでと違って、1歩進むごとに鳥居は確実に
近づくのがわかる。 もはや這いずるも同然のような格好で鳥居をくぐりぬける。
富士浅間大社奥宮のある富士宮口山頂には、富士館と臨時郵便局があり、この間を
左に抜けると、正面に最高峰剣ヶ峰が、火口の向こうには白山岳が望める。
浅間大社奥宮から右へ行くと御殿場口登山道の山頂に出る。
剣ヶ峰へは20〜30分程度で行ける。
下山編
富士宮コースは下山道がなく、登ってきた道をそのまま下ることになる。
岩の急斜面では転倒に注意し慎重に歩くこと。
また、登山者とのすれ違いも待つ側の人は安全なところに立ち止まるようにする。
基本は登り優先だが、山頂付近ではむしろ下山者を先に通したほうがスムーズに
行くこともあるので、その場その場で判断するとよい。
登山者に励ましの言葉をかけながら、ジグザグにぐんぐん高度を下げる。
以前マウンテンバイク持参で、立ち入り禁止のブルドーザー道を下りていった人がいたが、
八合目付近でブルドーザードライバーに怒られている様子が双眼鏡で確認できた。
このようなことはしない事。
足は痛くなるが、大斜面をテンポ良く行けば、4時間弱で富士宮口新五合目に到達する。
なお、マイカー以外の人は御殿場か須走に下りたほうがラクである。
ポイントと注意点
いきなり2400mまで車で行け、なおかつグイグイと高度を稼ぐルートであるため、
高山病になりやすい。
調子が良くても自分のペースを守って登らないとすぐバテてしまう。
また、登山者と下山者が同じ道を通るため、狭い場所でのすれ違いに気を付ける。
このコースは入山者が多いため、落石などにも充分注意すること。