2002年5月に観た映画 |
<ニューヨークの恋人>
『ニューヨークの恋人」観て来ました。
余り期待はしてなかったんですが、これが意外と面白かったです。
凄く良いって訳でもないのですが(まあまあって感じかな)、メグ・ライアンの出たラブコメものでは、かなり上位に来るくらいの面白さがありました。設定はタイムスリップした19世紀の公爵との恋愛ものですが、この、彼以外のキャラクターが愉快だし、それだけにこの公爵の真面目さが笑えて、おかしいんですね。ニューヨークの街並みを上手く描いているのも良かったな。ただ、アレしかないのだろうけど、ラストがイマイチだったなあ、もっとヒネれなかったのかなあ、とちょっと残念。あのラストじゃなきゃ、僕にしては、この手で、かなり高得点あげたんだけど・・・。とはいえ、メグはここ数作の中では1番いい味だしてるんじゃないかなあと思いました。それに、ヒュ−・ジャックマンが良い!僕は、映画自体はどっちも好きだったんだけど「X−MEN」にも「ソード・フィッシュ」にも彼の魅力って感じなかったんですよ。皆、いい、いい、って新進俳優誉める感じみたいなのが、また嫌いで(この偏屈者!=笑=)。でも、この作品のジャックマンは良いですね。初めて好きになりましたよ。あと、メグの弟役で、出ているブレッキン・メイヤーなかなか良かったです。あの「ラットレース」の彼です。顔がファニーフェイスで弟役にもピッタリだったし。
<アリ>
『アリ』を観て来ました。
ドラマティックさはボクシングシーンに総て集約させ、それ以外は社会派ドラマと人間そのものにスポットを当てたアリ伝説の異色作でした。
この辺は、社会派監督マイケル・マンらしい作品でした。
スポ根ものを期待していくと肩透かしを食う感じはありますね。
これは狙った演出ですね。で、変な感動スポ根ものや、ドラマティックにもっていかない演出が僕は良かったな。かなり楽しめました。そりゃ、ドラマティックに作った方がウケはいいんでしょうが、この半生は、ドラマティックに描かない方がいい様に思えますね。皆が知ってる、この伝説だからこそ(特にアメリカ人には)逆にですね。
ただ1つ個人的に残念だったのは、その派のマイケル・マン演出が、社会性に即した人間像を描こうとしたかったのか?アリそのものの人間に焦点を当てたかったのか?そこが整理されてない感じがしましたね。
ボクシングシーンはカット割や、アングルなんかが凄く面白かった。僕は格闘技大好き人間なんで、ジョー・フレイジャーやジョージ・フォアマンにももう少しだけ焦点当てて欲しかったなあ。まあ、そもそも3時間弱でアリの半生描く事自体が間違いだから、そこまでは、いくら何でも無理ってものでしょうか。なんか、アッテンボロー監督の「チャーリー」観た時を思い出していました。
ただ、最低限でも、あのアリに勝ったフレイジャーをたった2Rで、圧倒的にKOしたフォアマンの強さをもっと描かないと、最後が生きない気がします。でも、そういいつつ、ラストは感動しましたけど。
ウィル・スミスは良く演じていました。ボクシングシーンのなり切り様。ドラマでの押さえた芝居。かなり良かったです。驚いたのが、ジョン・ボイド。凄いメークで、あれは、普通気が付かないでしょう。僕はファンなんで、気が付いたけど、何の役で出てるかチェックするのも、まだ観てな人の楽しみと言っておきましょう。
最後に、劇中のセリフで“神は俺たち黒人の存在にきがついてねえ。神は黒人をしらねえ”のセリフは、心にくるものがありました。
<I AM SAM>
『I AM SAM』を試写で観て来ました。
いやあ、良かったですねえ。これは素直に良いドラマでした確かに作り込んで、見せ過ぎてる部分はアメリカ映画ですから多少は仕方のないところなんですが。そういう部分も、ショーン・ペン始めとする演技人の良さと、「コリーナ、コリーナ」で見せた丁重で優しいジェシー・ネルソン監督の語り口が一層、磨きがかかって、自然に見せてます。
そして、全編を支配するユーモア感が一層、思いテーマをシリアス過ぎず、優しさに包まれて行く思いにさせてくれます。
しかしショーン・ペンの演技は完璧だ。難しい役どころをオーバーアクトにならず、さらりと自然な感じを出すところは、素晴らしいと思いました。それに、回りの役者が全部いい。子役の女の子は上手いし、可愛いので、尚更感情移入してしまう。友人の知的障害者達もいい味だしてるし、ローラ・ダーンも小さいけど重要な役を上手く演じている、個人的にはダイアン・ウィーストの芝居に釘漬けになった。
そして、この映画で重要なのは音楽。ビートルズナンバーの数々をカバーしていて、そのカバーのアレンジが素晴らしく良い。カバーゆえ名曲オンパレードでもTVドラマみたいにならず映画らしい雰囲気を出してました(まあEMIの許可が出なかったのが真相ですが)。使用されてる曲もメジャー過ぎずマイナー過ぎず、実にセンスがいい。しかもちゃんと映画の内容に即した使われ方をしているので、違和感も無理もないのは素晴らしく、監督やスタッフの拘りも感じられましたね。
久々に良質のアメリカ映画を観たと言う感じです。
映画観終わった後、スタバのコーヒーが飲みたくなってしまいました。えっ、何故って?それは映画を観ればわかります(^o^)。
<アトランティスのこころ>
『アトランティスのころ』を観て来ました。
これは胸に染みる良い映画でしたね。小さなエピソードの積み重ねの小品ですが、僕が1番好きなタイプの作品ですね。
S.キングお得意の超能力を上手く取り入れてるのですが、上手く料理しないと陳腐になるお話を、さすがにアンソニー・ホプキンスが演じるとうそ臭くないですね。スコット・ヒックスの手堅い演出も良かったです。11歳の少年ボビーと近所の幼馴染みキャロルの間に芽生えた淡い恋愛感情などなども悪くない。
欠点があるとすると、「グリーンマイル」と「スタンドバイミー」などの焼き直し部分ですね。これは気になりました。まあ、あざといと言っちゃうと言い過ぎだけど、S.キングのドラマ系原作にはいつもそれを感じるんですよね。これは、賛否あるでしょうね。テッド老人と少年の結びつきもやや弱いかな。あくまで、このテーマで行くと、テッド老人、そしてこの2人の結びつきこそが中心にならないと、少年にとってことさら特別な思い出になっているのかがわからなくなってしまうからですね。
そうはいいつつ、先も書きましたが、この映画はスコット・ヒックスの手堅い演出ですね。精細でナイーブなタッチは素晴らしい。「シャイン」「ヒマラヤ杉に降る雪」と良質の作品を提供してきた人の確かな手腕です。「ヒマラヤ杉〜」なんて本当に過小評価されてると思います。
「穴」を観て来ました。
期待はしていなかったので。予想以上には楽しめました。
題材的には面白い視点の映画でしたね。ただ、その“何故”の内容がたわいなくて、その辺がどう評価されるからでしょうね。“きゃ〜”というあの思わせぶりな予告だとホラーっぽい感じも受けると思うのですが、趣は違いますね。エゴイズムなサスペンスと言った感じでしょうか?これを引き合いには実は出したくないのですが、黒澤明の「羅生門」をやや髣髴させる、藪の中的サスペンス要素ですね。ただし、あさはかな高校生のレベルの羅生門ですが・・・。映画の追いかけ方や、雰囲気は「ブレアウィッチ〜」と似た感じもありました。
しかし、高校生のレベルと書きましたが、それを凄く面白くさせているのは、ソーラ・バーチの存在感でしょう。この子は個人的には余り好きではないのですが、「アメリカンビューティ」「ゴーストワールド」と不安定な役をやらせたら、凄いですね。この若さでは抜きん出てると思いました。<スパイダーマン>
『スパイダーマン』観て来ました。
いああ、CGのスピード感は凄いですね。ストーリーは「バットマン」とかなりかぶるところはありましたが、こっちは、さえない高校生が主役。トビー君の起用は正解でしょうね。W.デフォーの怪演もなかなかでしたね。あの、台詞の前に必ずっていうほど入る笑い声が頭に残る(笑)。早速、一緒に観た人間に、あの笑い声物真似してました(笑)。
スパイダーマンがCGで興ざめ、なんて意見も聞きましたが、僕は問題ないと思いますよ。むしろ、あれだけの動きを出すのはアレしかないでしょうしね。彼が要所で語る、叔父さんの遺言的忠告は、この映画のテーマなんでしょうね。あれはいい台詞です。普通の彼の第2章、早く観てみたいですね。
『マッリの種』は正に痛さの中に、真の人間を見る作品でした。インド国内で、大儀や自分たちを守るために存在する過激派集団、彼らにも彼らの事情があるんだと思う。その中で、幼い時に両親を殺されたものが、その環境の中でテロリストになっていくのはある種、仕方ないにしても、これがまだ19歳の少女と言う設定がいかにも痛々しい。その彼女をカメラは淡々と追い、暖かい人間性とのふれあいがどう変化していくのかの過程が実に興味深い。映像のジリジリした感覚も凄く、マッリの吐息や声が、必要以上に何度も画面全体から聞こえてきます。この音声の生々しさ、それからこの題材とは思えない映像美などは驚きです。それに音楽、この美しくもの哀しいというか、瑞々ささえ感じさせるピアノの旋律は心を打ちます。これは必見の映画。ジョン・マルコビッチが全米に紹介したことで、アメリカのミニシアター系でもヒットし、世界でも多くの賞を受賞したのはうなづける傑作だと思う。
『キューティブロンド』を観て来ました。
『キューティブロンド』は、単なるお気楽ムービーじゃなく、
主人公の前向きで、このポジティブさが元気をくれる作品でした。確かに、主人公にまつわる話や展開は無茶苦茶なんですけど、この前向きさには、もう何でもアリ!って思わせちゃうものがありますね。女性陣は必見かもしれないですね。男の僕でも、元気づけられますものね。
『バーバー』観て来ました。
ここのところ、『ビッグリボウスキ』や『オー!ブラザー』などのコメディタッチの作品が続いたコーエン兄弟でしたが、またまた展開予想不可のサスペンスフルで彼ら独特なタッチなものを見せてくれました。内容は違いますが、『ファーゴ』タッチですね。あそこまでリアルな感じじゃなく、朴訥と主人公を描いている感じですが。
何といってもビリー・ボブ・ソーントン。役柄が無口で地味な設定?な為、押さえた静かな演技ですが、それでも癖あり過ぎの、素晴らしい存在感を見せてくれます。脇の人たちもいいなあ。『ゴーストワールド』のスカーレット・ヨハンソンが出てましたね。この子、雰囲気ありますね。彼女が弾くベートーベンのピアノソナタが効果的に使われていて、それも凄く良かったですね。
とにかくジョエル・コーエン監督で、いつも思う事は映像の作り方の上手さなんですが、今回はモノクロ映像の使い方が素晴らしいですね。
そして、ユーモア感も健在。今作で特に思ったのは、場面的に笑っちゃいけないようなシーンで、笑えるシーンがいくつかありました。不謹慎な気がしちゃうんですが、そこがまた狙いなんだなと感心しきり。
『パニックルーム』観て来ました。
デビット・フィンチャーものとしては手堅いというか、ソツのない映画でした。面白かったんですけど、手堅い内容と演出で、彼にしては王道という感じがしました。その辺が平坦でありがちだったでしょうか。ただ、展開の妙味は、らしさが出ていて良かったですね。ジョディ・フォスターは何てことない演技でしたが、撮影時、妊娠中だったということで女優魂は感じましたね。1番のできは、フォレスト・ウティカーでしょう。ここで彼は、今までの役柄同様、どこか憎めない犯罪者を実に見事に演じていました。この人がこの映画の、いい意味でも最大のポイント&良さだと思いました。
フィンチャー監督、「エイリアン3」○、「セブン」◎、「ゲーム」△、「ファイトクラブ」○、と来て、もっと凄い作品を作って欲しいという気持がありますね。個人的には「ゲーム」で思いきりコケてしまいましたんで・・・。