2002年4月に観た映画 |
『鬼が来た!』を観て来ました。
これは、強烈な映画でしたね。中国人から見た視点ですが、正確には日本の描き方は違うのでしょうが、かなり、他国映画にしてはかなり良く描けているし、発想そのものがユニークな映画でした。
リアルな場面もあり、痛い映画ではありましたが、ユーモアを凄く混ぜ合わせた作りになっており、それが凄く救いになっていると感じました。恐らくそれを計算してやっている、この監督の才能を感じますね。
良くつくりましたね、こんな映画。まったく凄いですね。
そして、本当にモノクロの映像感が凄く良かったし、カラーで作られたとしたら、少し違う映画に見えたかも知れないというくらい際立ってましたね、このモノクロ画像は。凄い表現力でした。画面自体が凄い表現力を持っている映画なんてそうあるものじゃないと思いました。
カンヌ映画祭で度肝を抜かせたと言うのはまんざら嘘ではないでしょう。この戦争や、軍隊というもの、に対する西洋人との意識に対する違いや、価値観、そしてそれが行動に出る瞬間は、分かりにくいだけでなく、強烈な印象を残すと思う。現に当時、米軍上層部でさえ、細かく分析するまで日本という国、軍隊、天皇教と言っていい位の固定観念・・・・というものは分からないどころか、何故そういう考えになるのか?行動なのか?に恐怖を感じていたというくらいですから。
試写で『愛しのローズマリー』を観て来ました。
『メリーに首ったけ』のファレリー兄弟の最新作で、今回もおバカ映画を見せてくれるのかなと思っていましたが、予想以上に良質のラブコメディに仕上がっておりました。もちろん、彼ららしいお下品なシモネタも炸裂はしてますが、いつもほどではなく、むしろラブコメの王道をいっている感じすらありました。そういう意味では意外?でしたが、でも大いに笑わせてもらいました。更に、男女の繊細な感じもあったりして、女性にも自信もってお勧めできますね。
しかし、グイネス・パルトロウは今までの役柄を一新している感じで、ここまで、はにかんだり、可愛らしさを表現したりで驚いたなあ。
ジャック・ブラックは『ハイフィデリティ』でも異彩を放っていましたが、ここではそれに加えてハートフルな一面も見せていて、今後、更に注目株。彼や、この主人公見ていて、昔の『マーティ』を何となく思い出していましたよ。。。
『トンネル』を観て来ました。
まずは言いたい。面白い。傑作です!
実話なので、リアルなのは当然はある(実際、緊迫感ある)が、それに加えて、非常にエンターテイメント性があり、結構サスペンス風に脚本構成されているのです。これが実に巧く両者が噛み合っていて、異常なくらい緊張感のある作品に仕上がっていました。
たった10数センチの壁だが、天と地の差ほどある、ぐさりとくるシーンがある。まざまざと見せつけてくれた。これで語感が揺れ動かない訳がないだろう。
1つのミスが命取りになるような脱出劇だが、たった1人の犠牲や、たった1人の勇気、たった1人の献身、があってこそなし得た現実なのだと思う。
「自由」を求める情熱の高まりみたいなものは、隣接国もなく国境分断の実感のない僕のような日本人にも痛感できました。東西ドイツの複雑な時代の痛みと、娯楽性が見事に両立してる作品だと感嘆!
とても地味な作品ながら、実に心に染みる作品となりました。平凡だった家族。それゆえに何も考えては来なかった。
そこに、預かった友人の子供の死という現実が起こった事で、主人公の状況や環境が大きく変化していく。物語は、
その変化だけでなく、内面の葛藤や心の変化に重点を置いたものとなっており、訴えるものが大きい。秀作だ。
主演はシガニー・ウィーバー。ジュリアン・ムーアが脇を固める。実はインディペンデント系作品なのだけど、今のアメリカメジャー作品が失ってしまった丁寧な作り方が素晴らしい。ここには感動の押し売りもないし、等身大の人間や家族が描かれている。シガニー・ウィーバーは未だ、エイリアンのイメージとマイペースな出演作の少なさから過小評価されている女優だと思う。静かだが、この心の葛藤や変化を実に見事に演じて見せている。
『ブラックホークダウン』を観ました。
この映画は凄い。このリアル感。ほぼ全編、戦闘シーンのオンパレードだけど、うそ臭い場面がほとんどないというのが実感だからです。公平とは言えないけれど、決して「アメリカ万歳」だけの作品にはなっていないとも思う。
主役は俳優ではなく、あくまで戦闘のビジョンであるので、俳優人物描写を描かなかったというのも正解でしょうね。だから、ここには主役もスターもいない。戦闘シーンこそが、主役なのだ。更に増して、ドラマティックな展開もなければ、ロマンスみたいなものもない。しかし、この後どうなってしまうのだろうという、緊張感と映画的ワクワクさ(こう言っては不謹慎なんだろうが)があるのだから、リドリー・スコットはさすがだと思う。この辺は、緊張感を観客に巧く見せる術なのでしょうね。『シンレッドライン』とは、また違った視点の、描き方です
ね。
一切のドラマを排し、ここまでリアル感のある映像のみで勝負しながら、ドキュメンタリー風にもならず、ちゃんと映画として成立させてしまう手腕は、さすが娯楽映画の王者と、今回、リドリー・スコットを手放しで誉めたい。どんな作品でも映画的に撮る・・というのは、僕の好みと全く一致しているので(今年の作品で言えば『カンダハール』などもそう)、非常に共鳴してしまった。
あと、この映画、音が(特に銃)生々しいですね。それが凄く印象に残ってます。
しかし、この戦闘シーンは、やや美しく撮りすぎた感もなきにしもあらずではあるけれど、映画史に残ると言うか、今まで見た映像でも最高かもしれないですね。いざ、戦争に入ったら、戦闘なんて生易しいものではなく、“殺し合い”なん
ですね。
救いだったのは、『オレは仲間の為に戦っているんだ』のセリフ。この言葉がなければ、何の為に戦っているのか、意味さえ、理解出来なくなる戦場。この言葉には心打たれました。
最後に、好きな俳優、トム・サイズモアのタフガイぶりに乾杯。。
<光の旅人>
『光の旅人』を試写で観ました。 自称「K-PAK星から来た宇宙人」というユニークなキャラクターが主人公の作品だが、意外なのか、意外でないのか、最後近くまで分からない展開を見せるところが、描き方として正解というか、面白かった。ただ、精神病院が舞台であるのがミソなんだけど、人間が精神の病気と言われているものって、医者や薬じゃなく、人間なんだなという実感させてくれる。この突飛な発想の映画を、奇妙にさせてないのは、やはり名優2人、ケビン・スペイシーの怪演とジェフ・ブリッジスの安定した演技力からくるものだと思う。 僕にとっては優しい作品だったですね。『ビューティフルマインド』にしてもそうだけど、こういう癒し系は今後増えていくような気がします。ただ、残念なのはヒューマンドラマでありつつ、その流れに持っていく様は、余り巧く描けてないような気がしました。凄く深くて良い題材なだけに、感動度が薄れてしまったのも事実。惜しい作品かも。
<少年と砂漠のカフェ>
『少年と砂漠のカフェ』を観ました。 感動的にも、無理に過剰な痛さも伝えない映画だけど、それ故に痛い映画である。 イランも、アフガニスタンからの亡命者、難民や移民、出稼ぎ目的の不法入国者を多数抱え込んでいる。この国境沿いのカフェ(何て言えるものではなく、ただのポツっとあるだけの建物)にも時々、そう言う連中が来ては働いたりする。まともな商売、トラック運転手、麻薬の密売人等・・・、怪しい人たちも憩いの場として登場する。国の情勢から言えば、不謹慎な話で、たまに見回りに来る役人も怒っていたりするのは当然だが、この辺の庶民や難民にはどうでもいい事なのかも知れない。アフガンから不法に来た者、アフガン人なのにここ(イラン領域内)に定住してる者、働く為アフガンから行き来してる者・・・いろいろなのである。 主人公キャインを演じているのは、キャイン・アリザデというアフガン難民の少年だけど、映画という虚構の中にドキュメンタリー要素を織り込んでいくジャリリ監督は、この映画にも「キャイン」という少年の私生活を引用していく。恐らく映画は概ねフィクションだと思うけど、その中にキャイン少年という存在を紛れ込ませることで、映画全体が半ノンフィクションになる面白さがあると思う。
しかし、アフガンでの苦労や苦難を、大げさに表現したり、少年の表情や役どころにドラマティックに演出しないのが、かえって、想像を掻き立てられ、哀れさを感じたですね。見た目には、クールな少年の表情しかないように見える為、それを感じない人も多いのではないだろうかと思う。だって、辛い仕事や単調な作業にも不平1ついわないんだもの。生きているうちに、自然と大人のような術を身に着けてしまうのでしょうね。 ああ、走る少年・・・・。