2002年10月に観た映画 |
<トリプルX>
『トリプルX』を観ました。
いやあ、いろいろな意味で久々の面白い大型アクションでしたね。
もう、観ていてこっちが恥ずかしいくらいのツッコミどころ満載ではありましたが、007とダイハードを足して2で割って、新世代な感覚を盛り込んだ感じでした。パターンとしては特に新しい要素はないのだけど、モダンヘヴィな音楽と、ハイテク機材を使いながらもバイクやスノーボードなど、アナログチックなものが決め手となってるのが、ある意味面白かったですね。バイクのシーンは圧巻ではあるけど、「んなバカな!」って100人が100人思うだろうから、こういうのちゃんと、凄いって思わせる映像で演出して欲しかったなあ。まあ、バカな、と客に思わせても良いから、超人的に、またその映像を見せたかったのかなと、ワザと意識してやってはいるのだろう。まあ、今はここまでやらんと、新時代のド迫力アクションは成り立たないのかも知れないけど。そう言いつつアクションシーンは上手くCGやスタントで凄いシーンになってます!
主演のヴィン・ディーゼルは悪くないですね。この人、顔は良く観ると迫力ないんだけど、声が良いですね。ここのところ、アクション映画自体も出尽くした感があって、しかも複雑化した世の中でヒーローがヒーローでありにくい時代とあっては、なかなかかつてのシュワちゃんや、ブルース・ウィルス級のスターは出て来にくい状況なので、そういう意味では、好き嫌いは別として、彼には期待したところでしょうね。アンチなヒーローというのも若者に受けそた要因でしょうね。それに演技もしっかりしているし、脚本も監督も出来る才能があるというのも強みですね。
それとアーシア・アルジェントが出ています。あのダリオ・アルジェント監督の娘ですね。あの「サスペリア」や「フェノミナ」などのイタリアンホラーの巨匠ですね。
彼女はなかなかの美貌とアクションセンスがありますね。ムエタイをやっていたとか。筋金入だったんですね、アクション。それに彼女も脚本と監督の経験がある才女。ちょいと惚れました(笑)。
久々の痛快アクションでした!!!<ダークブルー>
『ダークブルー』を観て来ました。
『コーリャ 愛のプラハ』にて96年のアカデミー外国語映画賞を受賞した名匠ヤン・スヴィエラークの最新作です。チェコ映画。
チェコの長い間の辛い歴史と、それに翻弄された空軍パイロット達のと悲劇の中にある、友情やなどを、ひたすら淡々と描いた作品です。
悲劇を強調する訳でなく、ドラマティックなドラマに仕上げている訳ではありませんが、個人的はかなり感銘を受けました。
この映画は評価が分かれると思います。
それは何故かと言うと、背景を知ってから観るのと、そうでないのとでは差があるだろうと思う事が1つ。もう1つは、戦争の悲劇なども、強調する場面はほとんどなく、得てすると美しい画に映ってしまっている様に見えてしまうからです。ある意味、同じ戦争に恋愛や友情を絡めた映画として「パールハーバー」と対極をなす作品だと思う。見せ場を無理に作り、戦争ドラマをゲーム感覚にしてしまったあの駄作とは全く違う作風だという事ですね。ややユーモアにも富んでいて、気の利いた脚本のおかげで重い過酷な雰囲気が全面に押し出ることもなく、物語の核である友情と愛に比重が行き過ぎる事もなく、とても良い描き方だと思いました。
この時代の純朴な人間達と、暗い時代の色合いが、映像として、とても画面から伝わって来る佳作だと思う。
◎この映画を観る為の予備知識
1939年 ナチスドイツがチェコに侵攻 戦わずして降伏。ナチとの戦いを防ぐ為パイロット達は、次なるポーランドに向かう。しかしポーランドは壊滅的な敗北、そして占領。彼らは主戦場をフランスに向ける。しかし、またもや、ドイツ軍の前に侵攻を許す。最後の砦、イギリスに渡り、終戦まで戦うのである。他国で勇敢に戦った彼らは勲章ものだが、一部の人しか知らない事実であった。戦後、祖国に帰るが、名誉人になるどころか、すぐにソ連・共産主義ににより政治的支配がチェコを遅い、祖国の為に戦うだろう事を恐れられた為、危険人物とみなされ、“反逆者”として強制収容所に入れられる。1951年に釈放となるが名誉は回復されないままであった。恐らくいつも監視下におかれ、そこからまた不遇の40年を過ごした後、1991年、ソ連体制が崩壊した際になって、ようやく彼らの名誉が回復して、事実が判明する。しかし、彼らはすでにかなりの高齢であり、人生における残された時間はわずかしかなかったのである・・・。
<バルニーのちょっとした心配事>
『バルニーのちょっとした心配事』を観て来ました。
僕はこういう、さらっとしたコメディが大好きだ。喜劇といってもいい。昨今は、やり過ぎのコメディというよりはおバカ映画全盛で(それも大好きではあるのだが)、つい、そういう派手な方に目が行きがちだが、こういう、やや地味だが、洒落ていて、やや展開がどうなるか分からない大人のコメディは味があります。
フレンチコメディはとっても好きなのだけど、この作品は、ちょっとニュアンスが違う印象を受けた。なんか、とてもチャーミングなのだ。しかし大人の恋愛コメディという感じがとても良い。これはひとえに主人公バルニーを演じたファブリス・ルキーニの演技に尽きるのだと思う。この何ともいい加減、だけど何故か憎めないという設定がこの映画の土台を作り上げているので、どう展開しても面白いですね。
誕生日のプレゼントに、妻と愛人2人(1人は男だ!)の3人全員から同じ日の同じ車両のヴェニス行きのオリエント急行のチケットを貰うという、強引な脚本ではあるが、これも主人公のキャラクターで、“んなバカな”とまで思わせないところが、作品として成功しているのだと思いました。
ナタリー・パイ、マリー・ジラン、ヒューゴ・スピーアという豪華な脇役陣も良かったですね。
面白いです。クスクスっという感じで笑えます。
<ダウン>
『ダウン』観て来ました。
さて、これは悪事が絡んだサスペンスホラーといった趣きですが、まずまず楽しめたかなといった感じでした。前半の、どうなるのかなあ的展開や、もったいぶりかたは良かったです。でも、後半が息切れしてやや退屈でした。オチもな〜んだ、だし。人工知能という割には、もっと知的に人間を惑わしてくれたら良かったのになあ〜と、思ったのは僕だけでしょうか。
しかしながら、こういうエレベーターという毎日のように使う文明社会の機器ってところは怖いですね。首が挟まれて・・・そこに、恐すぎです。エレベーターって閉所恐怖症と高所恐怖症の両方が絡むので、実は、閉じ込められたり止まったりしたら、心理的にかなりの人が恐いはずですよね。題材自体はありがちながら面白いんですけどね。
ナオミ・ワッツは美人ですね。もっとブレイクして欲しい女優さんです。この作品では可哀相かも?次作「ザ・リング」に期待。21世紀のホラークイーンか?「マルホ〜」も怪しい映画だしね。
意外と俳優人が、粒がいいんでスよ、この作品。なんと、僕が一昔前“カナダのジャック・ニコルソン男”を呼んでたマイケル・アイアンサイドが出てたり(久しぶりに見た)、ロン・パールマンが出てたり。ロン・パールマンは見た目が怪優?ですものね。「エイリアン4」「スターリングラード」今年は「ブレイド2」にも出てますね。あのTVシリーズの「美女と野獣」のあの野獣役の人ですね。<ロード・トゥ・パーディション>
『ロード・トゥ・パーディション』観て来ました。
予想より、遥かに家族や親子愛に焦点を当てた作品でした。このまま親子ロードムービーになっちゃうのか、と途中、思っちゃったくらいです(笑)。
さて、映画の方は、実の息子か、息子同然にしてもらっていたか、のボタンの掛け違いで起こりゆく悲劇ですが、脚本はなかなか面白かったが、穴というか、ツッコミどころの多い作品でもありました。ジュード・ロウの最初の襲撃時に何故トドメをささないのかとか・・・。
僕個人としてはギャングものは、乾いた、ノワール的なものが好きなんで、この作品は、ある意味、凄い大甘な作品ですよね。スピルバーグが取っても良さそうな(ラストなんか正にそんな感じ)。
そういうわけで僕自身はイマイチ乗りきれませんでした。いい話だし、子連れのギャングなんて設定は良いんですけどね。トム・ハンクスも渋く芝居してるし(ただ彼の役の感情表現は希薄だったと思う。まあハンクスらしい優しさ感は良く出ていたけど、これでアカデミー賞はないでしょう)、大御所ポール・ニューンの存在感も素晴らしい(ただし出番が少ないのが残念。だからちらも賞はきっと無理かも)。ジュード・ロウはいいですねえ。怪し過ぎです。いくら、脚本の役どころが彼より年令が上とはいえ、毛を抜く?とは!あんたはデ・ニーロか!でも良かったですね。
この映画、息子が父親に対しどう思うか、どう育って欲しいか・・・、そして父が息子を見て、それを自分に反射させた心の痛みや苦悩を描いていると思う。特に、まだ未来がある幼い息子を持つハンクスと、すでにギャングの世界に身を投じ悪に染まってしまった息子を持つニューマンの、その違いの対比が面白い作品ではありました。<アバウト・ア・ボーイ>
『アバウト・ア・ボーイ』を観て来ました。
「ハイ・フィデリティ」の原作者、ニック・ホーンビィのベストセラーの映画化作品だが、触れ込みは「ブリジットジョーンズの日記」の男性版というものだが、確かに近いテイストはある。だが、こちらの邦画よりヒューマンな印象が強い。非常に楽しめる作品でもあるのだが、爆笑という類のものではないし、むしろ人物像や、対人関係などが、楽しく、おかしく、この映画の核となっていると思う。その核となるヒュー・グラント扮する主人公がいい加減で、気楽なシングルライフを送っている男というのだから、それからしてユニークで面白いというものだ。それにしてもヒュー・グラントはこの手の役はお手のもので、ハマり切っていますね。多くの方が指摘されてる事ですが、確かにベストパフォーマンスかも知れないですね。
作品自体は、まず、この手の題材や、ヒューマンものにありがちな、押し付けがましい部分がないのが良いと思う。コメディ→ヒューマンな感動っぽく、になりがちなところを、エンディングまで、やや辛いままに留めている。いいセンスだ。こういうのは好きですね。で、ほろ苦さもある。決して傑作ではないし、やや物足りなさも感じるけど、なかなかどうして、僕は悪くないと思いましたよ、この作品。