2002年1月に観た映画


                     息子の部屋   Dr.Tと女たち   バスを待ちながら   バンディッツ
                     インティマシー   フロムヘル   金色の嘘   ジェヴォーダンの獣
                     素敵な歌と舟はゆく   カンダハール   ラットレース  ★


                               <息子の部屋>  

                 優しくて静かな、静かな秀作でした。淡々としてるし、大きなエピソードもないので
                 すが凄く心に染みました。ラストの切なくて、でも希望の光がかすかに見え始める
                 シーンには静かな感動を覚えて、忘れられない作品になりそうです。ハリウッド映画
                 なら、大きな感動の山場で一気に持っていくところでしょうが、そうじゃないところ
                 がいいですね。イタリア映画にしては繊細な感じで意外でしたが、でも紛れもなくイ
                 タリア映画ですね。観た時の感動より、あとから余韻の残る、いい映画でした。

                               <Dr.Tと女たち>  

                 ロバート・アルトマン監督の『Dr.Tと女たち』を観て来ました。実は、僕はそんなに
                 アルトマン作品のファンじゃないんです。好きな映画はあるけど、70年代ものや最近
                 作もそれほど思い入れはないのです。基本的には肌に合わない。(『ショートカッツ』
                 は好き)で、この作品、かなり分かりやすい映画ですね。登場人物が入り乱れて展開
                 する下りは、らしいですが、かなりわかりやすいヒューマンコメディに仕上っています。
                 テーマも実は奥深い。ただ、後半のリチャード・ギアの奔騰ぶりに行くまでの前半が
                 余りにダルい。寝そうな位ダルイ。後半は面白かったな。総評としてはオチもいいし、
                 まずまず面白かったけど、笑いの余りないウッディ・アレン映画って感じがしなくもな
                 い(笑)。R.ギアは頑張ってます。なかなか良いなあ、あの顛末本当ぶり。最近の彼
                 の映画では1番の芝居を見せているのではないかと思いました。

                             <バスを待ちながら>             

                 キューバ映画(+3ヶ国合作)『バスを待ちながら』の試写会に行って来ました。ま
                 ずタイトルでそそられた上にキューバ映画。期待していましたが、これが予想以上の  
                 出来で素晴らしかったデス。基本はハートウォーミングなコメディなんですが、嬉し
                 い展開に心は緩みっぱなしでした。嘘のような意外な展開とスパイスの効いた辛口
                 コメディとでもいいましょうか。人のいい加減さと暖かさを堪能できる全くもって僕好み
                 の映画そのものでした。そもそも、ある一定の場所を限定した映画って手放しで好
                 きなんですね。映画っていいなあと改めて思わせてくれる傑作でした。この監督の
                 『苺とチョコレート』もなかなか良質の作品でしたが、これはもっともっといい作品!
                 ですね。
                 しかし、いくら田舎町とはいえ、2日もバスを待たないといけないなんて、何て国だ
                 キューバは(^o^)!(映画的嘘ですね=(^o^)=)
                 この映画は希なる傑作である!

                               <バンディッツ>    

             昨日は『バンディッツ』観てきました。  
             そうですね前半かなりダルイです。しかしながら、この映画、犯罪サスペンスやら、
             何やらで観る映画じゃないことに気づき(おいおい)、そこからは面白くなってきた。
             僕は基本的に犯罪やらかしての逃亡ものは好きではあるのですが、これは犯罪
             逃亡劇にかこつけた僕の最も好きな単なる(良い意味で)ロードムービーだったん
             ですね。だって追い詰められてないもん(笑)。のんびりしてる感覚は良いですね。
             『俺たちに明日はない』意識した作りでもありますね。最後のドンデン返しは、う〜ん、
             無理がある(笑)。まあ、淡々としてた分、面白かったですけどね。映画の良さは
             役者によるもので、監督のバリー・レビンソンはしかし最近(90年代以降)は余り
             良い演出してないなあ。『スフィア』『スリーパーズ』『ディスクロージャー』『ウワサの
             真相/ワグ・ザ・ドッグ』など駄作ばかりだ。『バグジー』くらいかな、まあまあなのは。
             打って変わって、役者さんは、僕の好きなビリー・ボブ・ソーントンとケイト・ブランシェ
             ットは良いですね。特に、ビリーがいい。この映画が成功してるとしたら、彼の存在
             によるものが大きいと思いました。

                          <インティマシー>  

         『インティマシー』を観ました。R−18指定です。
         うむ、官能映画と言うには、主人公2人が若くなく、庶民的な題材の作品でした。
         その庶民性が、逆に痛く、辛さをかもし出しているように感じましたし、お互いを、
         むさぼるだけのSEXシーンもエロティックというよりは、痛さや哀れな感じさえしま
         した。ただ、テーマはもしかしたら深いのかもしれません。その点は評価出来る。
         ただ、後に残る映画かと言われれば、余り残らないかなあ。『ポルノグラフィックな
         関係』の描き方は好きで、傑作だと思うんだけど、に比べると遥かに落ちますね・・・。

                           <フロムヘル>  

         『フロムヘル』観ました。う〜ん、僕はこの作品、感情移入する事が出来ず、イマイ
         チでした。元もこうもない言い方をすれば、結構、退屈だった。その理由があると
         すれば、場面場面の映像や、演出には悪くないものは感じたんですが、つなぎ(編
         集)が良くない気がします。とても、映画をダレさせている。恐らく脚本はもっと面白
         い様な気がしますよ。展開が読めるのは、別にこの映画の構成上、問題はないと
         思うんですが・・・。切り裂きジャックも恐くないし・・・。
         僕は、この手の世界は好きだし、ジョニー・デップのこのような作品系も好きなんで
         すけど(ナインスゲートやスリーピーホロウなど・・・)、役にはピッタリなのに、少し
         類型化してる気がします。この3作品は同じ系列の作品とは言え、題材や内容は
         かなり違う作品だオ思うのだけど、彼は同じ演技スタイルをしているし、さもなくば
         演技の幅がないという部分も露見している気すらしていると言ったら言い過ぎか?
         と、いいいつつ苦言を言ったのは僕は結構彼のファンであるかというのもあります。
         ただ、役者陣はいいですねえ。イギリスの中堅俳優陣がいい。あとは、迷宮入りの
         切り裂きジャック事件をこういう解釈で描くのは面白いですね。

                            <金色の嘘>  

         『金色の嘘』観て来ました。大好きなジェイムス・アイボリー監督作ですが、期待通り
         の秀作でした。この複雑な家族の恋愛模様を巧みに描いていて、さすが隙がないな
         と感心。愛憎になるんだけども、僕は重要なテーマは寛容だと思うと、実に深い味わ
         いのある作品と感じました。
         イタリアの上流社会を描かせたらヴィスコンティ、イギリスの上流社会を描かせたら
         アイヴォリーだと思うんですが、しかし、アイヴォリーはアメリカ人なのに、こうもイギ
         リスを描けるのは凄いですね。細部に渡る部分まで素晴らしいし、拘りが違うんでしょ
         うね。秀作です。

                     <ジェヴォーダンの獣>  

     『ジェヴォーダンの獣』の試写に行って来ました。
     これは、伝説ものでありながら、現代的な表現方法で、フランスらしい映像で見せる
     なかなかの作品でした。それなりに面白かったです。予告通り200年も前の話なの
     にカンフーアクションがあったりと、ご愛嬌な一面もありますが、そういう理屈はいら
     ない映画だと思います。
     今、輝いている若手俳優達がとても良いですね。ヴァンサン・カッセルの怪しい雰囲
     気、モニカ・ベルッチの妖艶な美しさ、(2人は私生活のパートナーでもありますよね)。
     驚いたのは、深夜TV版クロウで活躍中のマース・ダカスコスが順主役で出ている事
     だ。詳しく言えないのが残念だが、クールでカッコイイ、主人公の義弟マニを演じてい
     るのが良い!
     ただ、やや中だるみしてしまうという部分も感じたので、2時間18分をもう少し短縮し
     た方が良かったのではないかと思いました。惜しい。とはいえ、歴史ロマン、猟奇犯
     罪ミステリー、ラブロマンス、カンフーアクション、チャンバラ活劇と、お腹一杯の一編
     でした。。。

                  <素敵な歌と舟はゆく>   

     『素敵な歌と舟はゆく』は、グルジア出身のオタール・イオセリアーニ監督作でフランス・
     スイス・イタリア合作ですが、舞台はフランスです。独特なユーモア感、ゆったりとした
     雰囲気の作風はとても心地良い。主人公はいるにはいるのだが、それぞれが語られ
     ていて、それぞれの登場人物が絡んでくる。いや、正確に言うと、絡みそうで絡まなか
     ったり、その距離感や、ニヤミスなんかもあり、それがまた良い感じなのだ。大きな
     エピソードもなく淡々としてはいるが、ショットの撮り方といい、反ハリウッドを自任する
     監督らしい狙いなのだろう。ただ、この淡々とした展開が好みの分かれるところだろう
     と思います。僕が他の映画好きの皆さんと、好みの違う面があるとしたら、こういう
     無気質で、淡々としていて、でも人間を良く描いてる、こういう作品がかなり好きな事が      
     1つあるのかなあ、と思ったりもします。個人的には、かなり秀作で、お勧め作品でした。
     是非、全国公開して欲しいと思う1本でした。

                    <カンダハール>  

『カンダハール』は驚きの傑作だと思う。戦闘シーンなどなくてもこの凄さ。生きると言う事は子供でも平気でウソをつき、処世術を身につけている事。でも、この処世術は哀しいかな、誰にでも分かるレベルのウソなのだ。大人も子供も苦しんでいる、このアフガンの人たちの実像は余りに痛い。静かな展開の中でドキッとするシーンすらある。しかし、予想してたドキュメンタリー風タッチの映画ではなく、リアルだが素晴らしく詩的に描いている。ここが映画というもの産物であると思うし、酔える要因だと思う。この描き方に不満を唱える人は絶対いると思う。しかし映画とは、どんなリアルな作品だろうと、作品としてカメラを通せば、ニュースではなく、映画の世界だと思う僕は、映画的詩を感じさせる何かを持っていないといけないと思う。そういう意味で、この作品は素晴らしい作品だと個人的には思う。映像的にも、カメラの撮り方も凄く良いと感じました。

                      <ラットレース>  

昨日は『ラットレース』観て来ました。
もう単純にツボにはまりました。これは面白いです!最初から最後まで、ず〜と、笑いっぱなしでした。久々に良質のおバカ映画(?)観たという感じです。いや、コメディで良いかな?
ちゃんと要所要所に後々のフセン貼ってたり、脚本と言うか、しっかり作ってあるのも感心しました。Mr.ビーンでお馴染みのローワン・アトキンソンも、あのまんまで爆笑ものだけど、個人的には結構好きなキューバ・グッティングJrが面白かった。普段、ああいう役やらないから余計おかしいのです。この人、真面目路線行けば、第2のデンゼル・ワシントンにだってなれそうなのに、こんなおバカ映画でてるのが最高!前から割と好きなんですけど、一層ファンになったという感じです。
オチもブラックなヒネリがあって良かったなあ。久々、この手では◎の映画だったです。
で、例の、S.キング原作のあの女優さんがカメオ出演していたんですが、もちろん詳しくはここでは言えないですが、すぐ気が付いたけど・・、恐いような、笑えるような登場?でしたよね(笑)。これから観る方は、そういうのも楽しみかもです。