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ダーラの支配者となったリチャードは<泥の民>達に祝福されながら、とうとうカーランとの結婚を果たした。
首長同士の結びつきによってダーラとミッドランズは皇帝ジャガン率いる<至高秩序団>の侵攻に対抗する有力な勢力となるはずだ。
しかし、リチャードの周辺で謎の変死が続き、以前彼を救うべくカーランが唱えた呪文によって地下世界3つの<チャイム>を呼び出してしまったことを知る。
<チャイム>は世界から魔法を奪いつくすと言われており、ジャガンとの戦いばかりか世界の存続にさえ影響しかねない事態だ。
これまで何かと頼りにしてきた主席魔道士ゼッドも<チャイム>の影響からか魔力を失い病気の床に就いてしまうが、彼の話によれば<魔道士の砦>に<チャイム>の力に対抗する魔法が保管されているという。
新婚気分も束の間、リチャードとカーランは連れ立って<魔道士の砦>へ出発するのだが・・・
文字通りの「一難去ってまた一難」で、新婚の二人には同情を禁じえない。
「倒したと思ったら更に強力な敵が現れる」のは少年マンガ誌でも立証済みの手法で、長く続ける上では単純で効果的なのだと思うが、そろそろ本気で厭きてきた。
とは言いつつも、本巻が案外面白く読めたのも事実だ。
「敵を欺くにはまず味方から」という思想は魔道士の掟の一つであり、本シリーズの主要なトリックの一つにもなっているのだが、リチャードやカーランと同様に読者も騙されて翻弄される。
本巻では特にこの「騙し」が随所に現れて恨めしさ半分ながらも次の「騙し」にも少し期待してしまうようだった。
物語の大部分はミッドランズの南端に位置するアンデリス王国で展開するのだが、ここには先住民であるアンダーと征服者であるハーケンというニつの人種が住んでいる。
しかし、人種間で戦争が行われたのは遥か昔のことであり、過去には征服者であったアンダー達は、自分達の先祖が行った行為に付け込まれてハーケンに隷属するようになっている。
これも一つの「騙し」だが、アンデリスの支配階級であるハーケン達もまた、立身出世を狙って互いに策を弄し合っているという「騙しの王国」なのだ。
これまでと異なり、本作単体に完結性はなく第6部の前編のような位置付けとなってるのだが、<探求者>であり<真実の剣>を担う主人公がこれらの「騙し」とどのように亘り合っていくのかが見所になっている。
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