言葉遊び・。

文字通り言葉をつづる遊びです

筋肉馬鹿、バーベルお宅と呼ばれたくはないでしょう。

 

海泳ぐ クラゲに似たり 昼の月

 

真っ青な空に 白く月が ありました。

ちょうどクラゲのように見えました。

クラゲ、あいつを見ていると、お前それでいいのかと 問いかけたくなりませんか。

クラゲは言います。

お前こそ、それでいいのかと。

 

刺されると結構いたいですよね。

命までというのは少ないようですが。

小さいとき ちょっと沖まで遠泳しました。

疲れて来たので、海に浮かんでいました。

仰向けに海に浮かぶと、真っ青な空が見えています。

耳には、シーンと聞こえます。

体に海の青 空の青がしみこんできます。

そして、みんな青の中にとけ込んでいったような気がします。

我に返って、岸を目指しました。

そんなときです。

クラゲに刺されるのは。

 

 

言葉は鏡 己の心を写す鏡

言葉に出せば、本当になる言霊という。

言葉をつづろう 言霊の欲するままに。

言葉は 鏡 真実を映す鏡

言葉は 暴く 己の心を

言葉は 見抜く 悪しき思いを

言葉は いやす 疲れた心を

言葉は こわい 己の心に

言葉は 優しい 己の言葉に。

すべてを許そう、己のために。

己は 言の葉か 言霊か。

舞え、言の葉 電脳の林に 舞う言霊の嵐。

舞え、言霊 すべてを 現せ。

大地は、屍。 大地を覆う有機の屍。

ありとあらゆる生き物の屍。

屍を吸って、電脳の木々は言の葉を散らす。

魂はどこへ。 言霊 言霊はどこへ。

 

小さい穴の中。

ネズミがいる。

落ちてきたのだろう。

絶望的な深さの中にネズミがいる。

見上げれば、空の青さは針の穴。

幸い、餌はある。 水もある。

生きていける環境ではある。

 

幾日か過ぎ去った。

運動しないネズミは太った。

狭い穴の中身動きができなくなった。

ネズミは餌も水もとれなくなった。

餌をとれないネズミは痩せた。

空腹は我慢できても のどの渇きは命に関わる。

空腹を我慢してやっと水が飲めるようになった。

ネズミは元気になった。

食べる量を減らした。

それからは、ネズミは太らなくなった。

 

 

ある日、穴の中にネズミが落ちてきた。

新しいネズミと古いネズミの生活が始まった。

新しいネズミはすぐに悟った。

食欲に任せると2匹とも穴の中でつぶれてしまうと。

でもね。でもね。 落ちてきたネズミは メスだった・・。

 

大人になりなさい。

大人が言った、子供だったのか わたしは思った。

大人が おもちゃを取り上げた、大事なおもちゃだった。

そうか、子供だったのか。

大人げない、大人がそういった、そうか 子供だったのか。

大人のくせに、ひどくませた子供が言い放った。

そうか、大人だったのか。

子供のような人ね。 大人が言った。

そうか、子供のような自分だったのか。

もっと、大人になりなさい。

大人の自分が子供の自分に言った。

大人のくせに 子供の自分が 大人の自分に言い放った。

だけど、大人の自分も子供の自分も おもちゃを 大事にしている。

 

大地の東にすむ人は 夕焼けを見る。

大地のにしにすむ人は 朝焼けを見る。

東にすむ人が 西へ行った。

大地の果ての西には 夕焼け。

ふと、東の故郷を見る。 宵闇が迫った落ち着いた夕暮れだ。

その深さに、打たれた。

西にすむ人が 東へ行った。

朝焼けの荘厳さ背を向け西を見た。

沈みそこねた 大きな月が 夜の名残に浮かんでいた。

 

もう、ずーと落ちていた。

真っ暗闇だ。 歩いていた。 ふと路地裏に入り込んだ。

そこで落ちた。

何に落ちたかはわからない。

とにかく落ち続けている。

落ちた瞬間、衝撃を覚悟して身構えた。

しかし、落ちて味あうはずの底に当たる衝撃と痛みは来なかった。

それから、落ち続けている。

数秒後に死に対するおそれがわき上がった。

ただならぬ底に向かって落ちている。 

落ちるのが終わるときは、生命が終わるときだ。

しかし、未だに落ち続けている。

もう、数十分 いや、数時間落ち続けているらしい。

時間の感覚もあやふやだが、とにかく 加速感はある。

落下のスピードはもはや尋常ではないはず。

空気との抵抗でからだがバラバラになっても不思議ではない。

しかし、呼吸すら許されている。

それどころか、とっくの昔に空気との摩擦熱で焼き尽くされているはずだ。

しかし、それもないらしい。

落ちている。

漆黒の闇を落ちている。

もう、何億年落ちているだろう。

とっくに、光の速度は超えている。

膨大な落下エネルギーは時間を超えた。

今や、宇宙の総質量より 私のエネルギーは大きい。

ゆっくりと、ゆっくりと 空間が私に引きずられてくる。

加速をましながら。

宇宙も落ち始めた。

 

秀英の鎧

昔々、中国に秀英というというものが住んでいました。

仁、義、礼 を重んじ 中庸を信条としておりました。

暮らし向きは、楽だとはいえませんでしたが生来の働き者で、金銭は汗と血で稼ぐもの。

人様に頭を下げて頂くものだと考えていたし、そういう生き方をしておりました。

 

生業は鎧作り、手間と時間がかかる割にはあまり儲かりません。

しかし、その手作業には祖国を守るもののふの命がかかっています。

それに秀英の所に注文に来る人たちは役の人たちです。

貧しい農民や商人たちが 王様に徴兵されて兵役をやらされているのです。

そのような人たちの命を守るのですからなおさら手は抜けません。

でも限られた費用で、敵兵のするどい太刀や槍を防ぐことは不可能です。

何とかして、仲間たちの命を敵の刃から救ってやりたいと秀英は考えていました。

作っては 槍で突き刃で切って 作った鎧の強さを試し続けました。

そんな秀英の努力がむくわれて、戦場で敵の刃で命を落とす仲間の数が減り始めました。

中には秀英の鎧の秘密を尋ねて来る人がいました。

兵の命を救うためだ、秀英はそんな人たちにも惜しげなく自分が得た秘伝を授けました。

でも、秀英の鎧にかなう鎧を作り出す人は少なかったようです。

秀英の鎧は評判を呼び口伝えに鎧を作ってくれとの依頼が多くなりました。

秀英の鎧を着た軍はやがて祖国を盛り上げ、世界に肩を並べるようになりました。

 

相変わらず秀英は国の片隅で納得のいく鎧作りを続けていました。

一度依頼を受けたら兵が納得するまで、手柄を立てるまで、何度も手直しをやります。

けして、商売にはなりません。

それでも 貧しい兵たちの命を救うため国のためこつこつと精進を続けていました。

そんな折りです。

いきなり 郡政府の役人が秀英の店を尋ねてきました。

おい、いい商売しているな、お前の商売は国あっての商売だろう、税金を払え。

税金は納めていますが と秀英が言うと・・。

その税金とは別に鎧を作っているのだろうその鎧を作る税金だ。と税吏は言います。

秀英はいわれのない、税を払うのを拒みました。

そうか、そのつもりならと 税吏は秀英に縄を打ち牢へ幽閉しました。

 

牢番が言います。

牢番も役で徴兵された兵でした。

秀英さん、あなたの鎧のおかげで私も命拾いをしたんです。

私は普段百姓をやって剣術なんてやってません。

私たちは敵の刃を避けることだけしかできないのです。

運良く避けられればいいが避けられなかったら殺されるだけです。

貧弱な私どもには近衛兵が使うような剣もないし、それを使うこなす技量もないのです。

敵の攻撃をしのいでしのいで、私が普段農作業で使っている鎌で隙を見て敵兵を討つのです。

そんな攻撃方法も秀英さんが考え出したとのことですね。

ありがとうございます。

 

秀英は言う。 

とんでもない、私は同じ苦しみを持つ民同士。その命が一人でも救われればと思って鎧を作っているし、その鎧を使った命を守る方法をあみ出したまでのことです。

私も弱い、私も時に兵役を仰せつかる。

その時に命を落としたくないだけのことなんです。

で、何度かの戦場で命のやりとりをやるうちに何とかしのげる方法が身に付いただけです。


 

牢番。

でも、今度は災難でしたね。

本当は秀英さんの牢番なんてやりたくないのですが・・。

秀英

ところで、私の処分はどうなるのかご存じないでしょうか。

牢番

お気の毒ですが、徴税拒否は大罪。

無事にはすまないと思います。

それに、変な噂を聞きました。

海を越えた大国 美国のことです。

美国は強大です。そのもてあました国力で美国が信じること以外を信じることを禁じると言うのです。

いらぬ難癖をつけて、強大な軍を動かし、その覇権の下に置く動きがあるようです。

隣の国の阿夫岩にも軍を進めてきました。

今度は、油国にもその信じるものを押しつけるとか。

秀英

信じるものとは何ですか。

牢番

それは増やし続けるということなんです。

まるで、増殖を続けるネズミのように増えるものなんです。

此の国も巻き込まれるみたいです。

・・。

あ、しゃべりすぎました。

ところで、私に鎧を新調して頂けませんか。

秀英

いいですよ。 材料と道具があればいいのですが。

で、増やし続けるというのは仏の教えとは違うようですが・。

牢番

事象に心を合わせる、足を知るというのが仏の教えなんでしょう。

よくわかりませんが。

美国では仏を信じていないようです

秀英

もっとも、此の国でも仏は数ある神の一つにすぎないですが。

牢番

力とは何なのでしょう。

他を従服させることなんでしょうか・。

秀英

まあ、ある一面はそうなんでしょう。

あなたが力で私をこの牢につないでいるのとおなじですね。

でも、つながれても私は私ですよね。

その私を私とするのも、力ですよね。

牢番

わけがわからなくなりました。


ドアがあった、ノブに手をかけた。

当然のように鍵はかかっていなかった。

ためらいもなく身を滑らせる。

初めてのドアである。 

それでも、実になじんだドアだった。

後ろ手にドアを閉める。

海が広がっていた。 青い海だった。

風が吹いていた。 緑の風だった。

潮の臭いもした。 砂に足を踏み出す。

ギユッと砂が鳴いた。 

後ろを振り返る。 ドアは消えていた。

さほど、驚かない。

さらに、歩を進める。波は穏やかだ。 

見渡したところ、海と砂浜以外には視界に入るものはない。

砂丘の向こうには何かあるのだろうか。

波打ち際に沿った砂浜の果ては、青くかすんで見えない。

暑い。 ネクタイを緩めスーツを脱ぐ。

ドアを抜けてどれくらい歩いただろうか。 

先ほどから、海と平行に歩いていた。

風が強くなってきた。

風紋を作る砂がささやき出す。

斜めに砂丘を上り始める。

青くかすむ砂浜の果てより、砂丘の向こうが気になった。

砂丘を上るにつれて、砂は柔らかくなる。

足を取られる。砂丘は崩れる。

呼吸が乱れるほど上ったところで、やっと砂丘の頂上についた。

顔を上げる。

砂丘の向こうを見た。

漆黒、漆黒の世界が広がっていた。

砂丘は漆黒の闇に流れて散らばってゆく。

砂粒の一つ一つは光を放ち、永遠へと旅だってゆく。

あるいは、渦となり あるいは、球となり、あるいはひたすら流れ、あるいはただ散らばるのみ。
あるいは、光を放ち あるいは光を呑み あるいは 光を生み出す。

漆黒が漆黒だとの存在を示すかのように砂粒達はうごめく。

虚の黒の存在に比べると無にしか値しない砂粒が漆黒をきわださせる。

足下の砂も虚へと拡散する。

ふわりと体が虚へと流れ出す。

真空の漆黒は膨大な負のエネルギーで体中の有機を拡散させようとする。

血液と呼ばれる有機は沸騰する、皮膚はその沸騰の圧でその張力の限界まで張りつめる。

拡散する砂粒の一つが気まぐれに皮膚を刺す。

体は有機の分子となり漆黒の闇へと旅立つ。

ドアがあった。

ドアが開いた。砂粒の一つ。

青い、海の底。 有機の一つが流れ込む。

有機は分裂を繰り返し、形をなした。

形は海から陸へ・・・・・・・・・・・・。

ドアがあった、ノブに手をかけた・・・・・・・・。