猫の話
私は猫が好きだ。
小さい頃から、猫が好き。
もう何匹飼っただろうか。
覚えているのは、白猫のちび。
覚えている最初の猫、老いて死ぬまで私のそばいた猫。
短毛の尻尾の長いふつうの猫。
耳のところが切れていて、青い目の猫。
確かメスだったか、そう、メスだった。
生まれてきた猫が、青と金の目をした猫でしたから。
家業が蒲鉾屋ということもあって、猫の餌には事欠きません。
早い時期に店と住まいが別になり、店には商売の関係で猫を飼うことができません。
だけど、私の両親、わたし、家内、そして娘たちも無類の猫好き。
来たれ野良猫でもないが、来るもの拒まずのしせいでいる。
パンと手をたたいたら星が落ちてきそうなほど冷えた夜に、店の裏口で子連れの野良猫が
「なにかたべものはありませんか、ほれこのとおり、育ち盛りの子供たちを抱えて難儀しております。いえ私はなにも食べなくてもいいのですが、もう出なくなった乳を子供たちがまさぐるのが不憫で・・。」
なんて上目使いでナーンとかミーンとか鳴かれるとついほどこしを・・・。
おかげで 店の裏の駐車場は野良猫の駆け込み寺の様相をしてきた。
そんなことを繰り返しているうちに、権力闘争があり、強いものが生き残り
強いものにはこびるものが、強い男にはたくさんに女がの図式通り・・。
不良猫集団化してきた。
いま、10匹ほどの野良猫が食客してたむろしている。
野良猫も最近いろんな血が混じって不思議な猫が増えてきている。
ペルシャチンチラみたいな長毛で黒いシャムの柄のグラデーション猫がいた。黒と白がぼんやりと全体を覆って墨絵のようである。
その猫は器量が幸いして、両親の家に玉の輿と相成った。
食い物は母親が年金をはたいて飼ってくる最高級の猫缶、
もちろん放し飼い、去勢もなし、なんていったってトイレがすごい、
裏の海岸の砂浜は彼のトイレだ。
玄海国定公園がトイレの猫、うらやましい。
名前は水墨がらということで雪舟とつけている。
もちろん、我が家にも猫がいる。
名前はミーコ。
凶暴そのものの猫だ。
かみねこである。
こたつを出すとそれは彼女のすみかとなる。
布団をかぶせたとたん彼女のテリトリーだ。
私が不用意に足を入れるものなら 見事親指に歯の跡がつく。
こたつに入ってないときは仲がいいのだが、こたつにはいると猫が変わる。
こたつ癖の悪い猫だ。
こっちも負けていない、こたつのなかに潜り込んで家長対飼い猫のバトルが始まる。
こたつのなかだとたいがい私が負け、手の甲の傷がまた増えた。
血がにじんできた手の傷を見ると、私も逆上するこたつを引っ剥がして
逮捕。
こたつを引っ剥がすと彼女の態度は、まさに借りてきた猫。
何で、寒いじゃありませんか。と さっきまでの攻撃猫は上目猫に化ける。
本当に佐賀の猫は化けるのが早い。
そんな目に負けて ミーコと抱き上げる。
ここで心を許したら私の負け、ほら彼女の口元を見て。
妙に口ひげがゆがんで少し牙が見えているだろう。
瞬間、カチンと歯のなる音。
鼻をねらったのだ。私の鼻を、何度となく鼻をかじらせた私は猫の攻撃を紙一重で交わす奥義が身に付いた。
この奥義を授かるために何度私の鼻を犠牲にしたか。
そんな猫を私は許す、厚い包容で彼女を包む。
パワーリフターの厚い胸で、抱きしめてやる。
ベンチプレス190キロの力で彼女を抱いてやる。
ウンギャと声を出すまで。
冬になると、日向をさがして暖まっている猫をよく見る。
この冬も見かけた、ただ暖まっているのではなく命をつないでいるのだ。
猫の風邪、よだれを垂らして鼻を詰まらせてだんだんやせていく。
食欲があるうちはまだいい。
食欲があるないに関わらず。食い物にありつけなくて弱っていくのもいる。
近所で面識ある猫が日向で命をつないでいた。
ニャンと短い挨拶を送ると、目を細く開けてナーーーーンと挨拶をくれる。
やはり弱っているようだ。
冬を越せれば、何とかなるのだが。

きたなかわいい猫というのもいるものだ。
見るからに汚い。目やにがたまって、やけに騒々しい。
それでいてかわいい。
たとえば
こんな猫か。
やはりしぶとい性格で生き残った。
いまも生き残っていると思う。
巣別れして、最近見かけなくなったが。
こいつ、いつも舌を出して馬鹿にする。
実は、この猫、舌が引っ込まないらしい。
私のせいです。
この猫が小さいとき、いたずらをするので蹴る振りをした。
運悪く、蹴りが猫の顎にヒット、で上下左右の四本の牙が折れた。
猫にとって、牙が折れることは死を意味する。
飼い猫ならともかく野良猫は餌をとれないということになるらしい。
猫の本に書いてあった。
責任取ってよあんたのせいよ、とばかりの目が私の良心をえぐる。
責任取っております。
柔らかめの餌を与えております。
しかし、猫の血の混じりもここまで来ると、節操がない。
雪舟の話をいぜんしたが、ああ遺伝子が転ぶといいのだがなかには、どう見ても遺伝子が遊んでいるような猫もいる。
キジ猫がベースであろうことは解る。
キジがはっきりしているのは額の部分、1猫額という単位だ。
長毛だか短毛だかもはっきりしない。
しっぽは短くもなく長くもなくだ。
何という無節操な遺伝子を持った動物であるか。
環境の適応という点においても猫はかなり柔軟性があるようだ。
うちの猫、フローリングの上に暮らしている。
そのせいで、後ろ足の真ん中の二本の詰めがでっぱなしになっている。
滑って引っかかりどころのない床のせいでどうしてもそうなってしまうらしい。
私が寝床に入った気配を感じると 彼女は忍び足で私の寝床に通ってくる。
しかし、伸びた爪のせいでカチカチカチと足音を立てている。
深夜 闇の中でドアにカチカチカチとちかづいてきた後、半開きのドアを足で開けるのはやめてもらいたい。
不気味である。
爪だけではなくてどういう訳か足の裏の肉団子の周りの毛ものびてくるようだ。
うるさそうにかんでちぎっている様子。
気の毒に思って 爪でつまんで抜いてやるのは気にくわないらしい。
私の手にまた、血の玉が浮かぶ。
車禍で死ぬ猫は多い。
幾度となく、胸を締め付けられる思いをしてきた。
こんなに順応性が高い猫である。
後数百年したら黄色や赤の点滅をする毛皮持った猫が現れるかもしれない。
現れるのなら佐賀県であろう。
数百年前に佐賀の猫はあんどんと仲が良かったようだから。
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窓から見える山にはもう雪が降っているのか。
谷間がけぶっている。
まだ冬本番。
でも猫たちには、春が来ている。
いかがでしたか。
言葉はいらない。
激写、スクープの後では、インパクトがないのであるが。
娘の靴である。
何で娘の靴がここにあるのか。
靴のそばが濡れているのがおわかりでしょう。
当然、靴も濡れている。
これは 我が家のミーコの復讐なのだ。
うちの猫、いじめたり、からかったりすると必ず仕返しをする。
悔しいという感情が猫にもあるようだ。
昨日娘が、刺身をひけらかしながら、ミーコにやらなかったらしい。
タイとイカの刺身が夕食についた。
鯛とイカ、ミーコの大好物である。
当然のごとく、ミーコはおこったようだ。
自分より順列地位がしたと思っている娘からからかわれたのである。
悔しさは 怒髪天をつくだ。
で、靴のなかに小便となったわけだ。
それも二足だ、単なる偶然ではないだろう。
私の場合、犠牲になるのは靴ではなくベンチシャツである。
縫製が終わっていすにおいておいたベンチシャツが臭う。
私が気前よく、ベンチシャツを譲るときには気をつけた方がいい。
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寒々とした光景につい、猫をさがしたくなる。
飼い猫のミーコだ。
電気のついてないこたつの中にたいがいいる。
けなげだ。
で、抱いてやろうとこたつをのぞき込む。
こたつのすみにいる猫を引っ張り出そうとする。
気を抜いていれば、いきなり手をかまれる。
相手がかみつくより早く爪をかけようとする前足をつかみこたつから引きずり出し
て、手や足の詰めを警戒しながら首を回してかみつこうとする猫の胴をむんずとつかむ。
激しく抵抗するミーコの四本の足をしっかり握って落ち着かせる。
まるでマングース使いかコブラ使いだ
頬ずりしたいほどかわいい。
しかし、頬ずりしている間も要警戒だ。
顎、鼻、耳。 出ているところはみんなかまれる。
こたつは私が買ったのだ。労働をして汗を流して、金を稼いで、電気店で買って、抱えて我が家に
持ってきたのだ。
けして馬鹿猫の所有物ではないはず。
まして私は世帯主だ。 こたつに入ってもいいはずだ。
引っ張り出したのは私のせいかもしれないが。
こたつに入りたい。
寒い日、ヒーターで部屋が暖まる間くらい。こたつに首まで潜りたい。
足をかむな、私の足は臭くない。
靴下に血がにじんでくるまでかむことはないと思う。
ここ二、三日。雪は降るし、明け方は道路が凍るほど冷え込んだ。
だから、こたつに入りたい。
私は、猫が嫌いではないが、こたつに入りたい。
夜中腹が空いたと言っては、ミー、ミーと私に甘えるおまえと、
昼間こたつの中で私の足をかむおまえとは同じ猫なのか。
ここまで、迫害されると私も切れる。
強権発動だ。
実力行使。
行政代執行。
ソファーのクッションを放水車代わりに先導させて盾代わりにしながらこたつへ潜り込む。
いる。 奴がいる。
クッションでこたつのすみに追いやられて、抵抗している。
耳を後ろに倒して、目をつり上げ、こたつの薄暗がりの中でプッパーと警告音を発している。
盛んにクッションに爪爪攻撃だ。
バッ、バッ、と鋭い爪音。
クッションを握っている手を盛んに狙ってくる。
狭いこたつの中では、こっちの身動きは全くとれない。
奴がクッションを回り込んでくる。
やばい、と思った瞬間。
手と頬に鋭い痛み。
手に爪をかけ、ついでに頬を一咬みだ。
やられた。
かみさんがこたつの中で興奮しているミーコに手を伸ばしこともなげに抱く。
ミーコは哀れな被害者猫の目でかみさんを見上げながら彼女の胸の中にいる。
そして、ちらりと私を見下げる。
凶暴な猫が生息しているこたつです。
こたつのそばを不用意に歩くと、おそわれます。
バギーパンツは哀れな犠牲者の残骸です。
1/30
飼い主と飼い猫 苦節10年以上の修行の果てに習得した技です。
涙無くては見られない。
私たち修行しています。

2/8
2/25
久しぶりに馬鹿猫ミーコの登場です。
数年ぶりのおひなさんの登場、
ゴキブリの糞だらけの包装を解き飾り付けをかみさんと娘がやっている。
珍しい物好きの馬鹿猫、雛壇を階段と間違って登って、飾り物を落としまくっている。
いくつになっても、女の子にとってお雛さんは特別な思い入れがあるらしい。
男は別段、節句の人形を飾りたいとは思わないのだが。
十七、八の男が、もう数年したら家にいないのだから端午の節句に金太郎さんやかぶとを飾りたいと言ったら多少気持ちが悪い。
しかし、右大臣、左大臣の白い着物には、シミがあちこちに。
毎年出さないと、痛みますね。
食器洗い乾燥機を購入しました。
貸家の台所にはでででーーんと場所をとっていますがなかなか活躍しています。
猫って言うのは何でも中に入りたがる。
食器洗い乾燥機の中にも入りました。
スイッチを入れてやろうかという気持ちになるのは私だけでしょうか。
そういえば、洗濯機を買い換えたときも洗い槽の中に入りました。
そのときはためらわずにスイッチをおしましたが・・。
4/3
うちのミーコが恋い猫になってしまいました。
毎夜、毎夜、廊下をミィヤァーゴゥオ、グゥオゥ。ォミヤァー。
と名古屋弁でのたうっています。
とにかくうるさい。
その上、私が我が家で唯一の雄であることを知ってか知らずか・・。
熱いまなざしで迫ってくるのである。
ふと夜中に目が覚めると胸の上に乗ったミーコが私を見つめて、ミャーゴなのである。
あまりに迫られるとつい私も猫と人との一線を越えてしまいそうで怖い。
もし、ベンチシャツを着た猫を見かけたときは、ああついに一線を越えた
んだな。と思っていただいて結構です。
この猫、田舎の小さなお店の飼い猫である。
正確な年齢はわからない。
90近いおばあさんの話によると、かれこれ20年近く生きているとか。
数年前までは子供を産んでいた。
今では貴重な三毛猫である。
腰も弱っている。
店の前のバス停のベンチで一日ひなたぼっこだ。
私が車から降りると 餌をねだる。
食欲は大せいだ。
二十歳を少しすぎた若者がバスを待っていた。
私が猫に餌をやると彼の心を開くきっかけになって少し話をした。
何でも彼が物心ついたときにはこの店に確かにいたという。
彼がいっていた、猫は20年以上生きると化けるそうですね。
化けるのは 佐賀の猫だけではないらしい。
ちなみにこの猫は福岡の猫です。
魏志倭人伝にでてくる伊都国の猫です。
ひょっとしたら、卑弥呼ゆかりの猫の子孫かもしれません。
マッサージ受けたら
おなかが大きくなって
いまじゃ、家族ができて幸せ。
あ、あのマッサージの上手な人ね
死んだわ。
駐車場の車のタイヤのすぐ後ろで寝ていたのね。
激しい人だったから、つかれていたのね。
車が動き出しても寝ていたの、寝たままぺったんこになったわ。
実はあの人、夫だったの。
この子たち、形見なの・・・。大事に育てるわ。
え、あの人に似ていないって・・・・。
そ、そういえば・・。そうね。 寂しかったから・・。