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H・P・ラヴクラフトの作品のムードと濃厚さを詳細にわたってフィ
ルムに捉えてることは、尋常でないほど難しい企てであり、今日(こん
にち)まで効果的に実現されたことはなかった。HPLの小説の映画化
は極少数しか実現されていなかったけれども。1980年にラヴクラフ
トの1ファンであり、映画製作者であるジョン・ストリシクは、イリノ
イ芸術協会から補助金を受けた。そして短編小説「エーリッヒ・ツァン
の音楽」を映画化する許可をアーカム・ハウスから得た(とはいえ、こ
れは全く必要無いことである。なぜなら、ラブクラフトの著作権は権利
消滅状態にあるからである。)。この短編映画は、私がこれまでに見た
中で、もっとも忠実にHPLの小説を映画化したものである。
物語は形而上学の学生のチャールズ・デクスター・ウォード(HPL
の作品中では語り手は名前が無いが)の周囲に起きる。彼は上の階に住
んでいる年老いたバイオリニスト、エーリッヒ・ツァンと友人になる。
チャールズは夜遅く階上から漂ってくる、ツァンの不吉だが不思議な
音楽に魅了され、引き寄せられる。ツァンの部屋の、奇妙なカーテンが
張ってある窓の向こうから手招きするものを、じっと見つめるうちに、
彼はもちろん、予期したよりも多くのことを発見する。
1996年のHPL映画祭
で上映された作品である。
HPL映画祭ベスト集のビデオVol.1「Lurker in the Lobby」に収められている
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