捜索方法も条件によって色々とありますが、ここでは海上保安庁潜水隊の十八番でもある「ジャックステイ捜索法」を説明したいと思います
ジャックステイでも2方法のやり方があり、「海面展張」と「水中展張」で主に「水中展張」を好んで使ってました。 理由は潜水士が耳抜き不良時に安全に海面へ脱出できる事と、当時の潜水士の技術レベルが全く問題ないレベルだったので悪条件下でも実施できたのが理由です。
「海面展張」は条件によりますが、概ね深度が浅い時などに使用してました。
捜索ライン(基線展張)を設定する場合の注意点は、、、
- 基線が真っ直ぐかつ弛まぬよう最後の錘を入れてからボンデン索を適度なテンションをかけつつ引っ張る
- ボンデン索が長い場合、潜水士に絡む危険性が出るので極力つめてから海面に投げる
- 捜索エリアがどうなるのかを考え海域を設定する
捜索時の注意点は、、、
- 全体の指揮権は通常1番員がとる
- 開始時に索信号(バディー索)の確認を行う(1回は止まれ、2回は進め、3回は浮上、連打は発見もしくは緊急事態発生)
- 撤収の条件を周知する(時間なのか残圧なのか?)
- 捜索物発見時の手順の説明
- この場合の番員配置は古参ベテランは2、次のベテランは1、中堅は5、新人は3,4,6に配置するよう心がける(他の人はどうしてたか知らないけど(^_^;)
- 使用する錘は最低10キロを基本とし、条件によって20キロまで増やす
- 基線は12ミリレンジャーロープ、ボンデン索とバディ索は通常時は11ミリヨットロープを使用、潮流が早くかつ深々度の場合はボンデン索には12ミリレンジャーロープを使用し、潜水士が深度管制を行いやすくする
スタート時です
- 海面に入る前に陸上(船上)で下記の事項をうち合わせをするのが基本ですが、極力水面上にいる時間を短縮するために陸上で徹底的に打ち合わせをしたほうが安全性を高められるのと同時に、船上支援するテンダー(補助員)にもどのような作業手順で行うかを周知できます。
- 1番員はバディー索を絡ませたり紛失せぬよう海底まで潜航し、着低後バディー索の端末を基線にカラビナで結合、反対の端末を2番員に渡す準備をする
- 2番員以降は耳抜きがよければ海底を目指すが、途中耳抜き不良で潜航できない場合は近隣の潜水士にその旨をハンドサインで告げ浮上を開始する
- 上記耳抜き不良を伝えられた潜水士は1番員に何番員が潜航中止したのかを伝える
バディー索展張開始
- 2番員は1番員からもらったバディ索をロストせぬよう「わな結び」で手首に結合後、1番員の指示する方向へ展張を開始するが、自分のフィンで海底の堆積物を撒き散らさぬようフィンを海底より高めで漕ぐ。 展張方向は視界不良時にはコンパスを使用しできる限り左方向への展張を最大限避ける
- 1番員はバディー索が最大展張(目的の距離を展張後)索信号1回を2番員にアンサーが来るまで時間をおいておくる
- 次々とバディー索に流れてくる潜水士がハンドサインで番号を示すので確認する
展張終了
- 6番員がバディー索に到着後、1番員は捜索開始の索信号2回を送る
- 2番員は索信号を確認したらアンサーを返し進行を開始する
- 2番員は進行方向を基線より状況にもよるが右45度方向へ進むようにする、そうでないと3−6番員の抵抗と水の抵抗で索が引っ張られ捜索失敗の原因にもなるので注意する
- 1−2番員はお互いの進行スピードに充分注意しながらそれぞれ速度を調整する
- 3−6番員はバディ索にぶら下がらないよう充分気を付けながら左右をウェービングにて捜索を行う
- 前進捜索が終わり半円捜索に変わる時は1番員はバディー索の結合カラビナをボンデン索に絡まぬよう結合設定を変更する
- 2番員は半円捜索が開始されたらコンパスにてどの程度半円捜索が終わったかを確認しておく
よくある失敗
- 1−2番員の進行スピードが合わず、2番員が基線にあたってしまう(ただの半円捜索)
- 3−6番員の途中で障害物にバディ索が引っ掛かり中折れして上記と同じ状況になる
- 2番員へバディ索を渡す際にバディ策が絡んでしまい、策を解こうともがいて水中を濁してしまう
- 1番員がバディー索を離してしまい、2−6番員はそれを知らずに海底をさまよい続ける(これは非常に危険な状態で、船舶が輻輳する海域は浮上時が危ういです。 それと岸壁付近の捜索では岸壁のドルフィン部に入りこんでしまい出て来れなくなってしまいます)
- 索信号がうまく伝わらず進んで良いのか止まるのか悩む(笑)
- 潮流が早いときなどはボンデンについしがみ付いてしまい、ボンデン索を引きずる
- 手順の不手際が原因で止む無く中止、浮上した後、その場で隊員を罵倒する(特に条件が厳しい冬季や潮流が速い時は瞬間湯沸し器になってしまいます)
以上に気をつけて実施すれば大丈夫!あとはひたすら訓練ですね(/・・)ケイレイッ!
でも、、、重要なのは捜索対象物を見つけてからが本番なのですけど(^_^;)(笑)