SF映画と私

木村 岳史

戻る


 私はよく映画を借りてみる。しかしSF映画に関しては、当たり外れがとても大きい。特に、これは私だけかもしれないが、原作を読んでから見ると特にそれがある。なぜなら、私が映画化されたものに求めるのは、原作の映像化であって、新しい話ではないからだ。なぜわざわざ映画化権を取っておきながら、大きく内容を変えてしまうことが、私には理解できない。また、内容の改変が小さくても、やはり出てくる問題がある。長編小説を映画尺に収めることによって起こる、説明不足感や、その逆にあまり長くない短編小説を引き伸ばしたために起こる、原作のテンポを崩しただらだら感などである。他に単に映像化が難しくて、失敗しているものもある。
 ここでいくつかの例をあげてみようと思うのだが、曖昧な記憶から引き出してくる上に、今見れば意見が変わるかもしれないことを、考慮には入れていないことを、あらかじめ言っておく。内容が大きく変わった作品といえば「トータル・リコール(追憶売ります)ディック」とか「恐竜カルノサウルス(恐竜クライシス)ナイト」とかであるが、ここまで違うとアクションやB級ホラーとしてみれば、そこそこ楽しいという面が出てくる。特に恐竜対ブルドーザーのシーンなどはそうである。あとは、大きく変わってしまったわけではなく、結構いい作品なのだけれど、ラストの変更が気に入らない「スクリーマーズ(変種第二号)ディック」もある。
 次に、説明不足感のある作品は「レッドオクトーバーを追え クランシー」とか「パトリオットゲーム」などがまず浮かぶ。そう、これはSFではない。分かっています。でも最近の事件で、トム・クランシー人気が急上昇中であることであるし。特攻と生物兵器、まさに「合衆国崩壊」である。SFでは、原作を読んでから見たわけではないが「レリック プレストン・チャイルド」は後で原作を読んですっきりした。あと、原作と映画の関係ですらないけれども「2001年宇宙の旅 クラーク」も映画だけだと辛いかもしれない。そうそう、こうやって映画を見てから原作を読んだ方が、楽しめるのは確かである。でも読んで気に入り、映画化しているの知ったら、見てしまうものである。とかいいながら「アンドリュー(ナンバー忘れた)(バイセンテニアル・マン) アシモフ」を見ていないのではあるが。まあ、これは長編版を読んでいないし。あとは説明不足というのではないけれど、好きな場面が削られているのが残念な「ボディー・スナッチャー/恐怖の街(盗まれた街) フィニイ」もある。これは「SF/ボディー・スナッチャー」その次に「ボディ・スナッチャーズ」とリメイクする度に悪くなってゆく、「リメイクは前作を超えない」を地で行く作品である。
 さて次は、短編を無理矢理長くして失敗した例で、その際たるものとして上げられるのが、原作に感動しただけに残念な「コールド・デシジョン (冷たい方程式) ゴドウィン」があげられる。内容もかなり変わっていた。密航者の性格を変えた点だけは、いいと思ったので、最後の最後までそのままいっていれば、少しは評価が変わったであろうだけに残念である。
 それから、映像化の失敗とは言えないかもしれないが(なんといってもB級映画の神様ロジャー・コーマン作品である)「暗闇がやってくる(夜来る) アシモフ」「ナイトフォール(夜来る)」は満足のいくものではなかった。
 ここまでにいろいろと挙げてきたが、原作をよんでから見ても遜色のない映画も、もちろん存在する。今思い出せる限りでは「アンドロメダ…(アンドロメダ病原体) クライトン」「地球最後の日 ワイリー・バルマー」「2010年(2010年宇宙の旅) クラーク」である。これらはみんなお勧めなので、是が非でも見てほしいし、文句をつけた作品も見る人によっては、大きく評価が変わるであろうから、暇があったらぜひ見て欲しいと思います。


戻る


Chiba University Sci-fi Circle, all rights reserved. 2001