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Pの宇宙船(母船について)

○諸元:

  直径: 長径103km 短径94km
  質量: 約5.5兆t(比重はかなり軽い)
  表面を厚い氷で覆われた、小惑星(衛星の核)
  内部には縦横にトンネルが走り、巨木ユグドが密生している。
  数億個体を収容している。


○推進システム:

 

  核融合パルス推進。   非常に単純かつ有効なシステムである。無数の小型水素核を惑星表面で核融合爆発させ、そのエネルギーを推力として推進する。


      (        )
 <= (        )←☆→  →爆風
 <= (   小惑星     )←☆→  →
 <= (        )←☆→  →
     (        ) (マイクロ核)

 マイクロ核の爆発には彼らの技術水準で可能な限りの指向性を持たせている。後は起爆装置以外とくに大がかりな機構はない。広い氷の表面にひたすら数多くの爆発エネルギーを与えるだけである。
 エネルギー損失はそれなりにあるが、機構の単純さゆえ核パルス推進は扱いやすい。必要なだけ大きな推力を得ることができる。
 小惑星表面の損傷は小さくない。だが小惑星表層全体をいわば反射版にしているため、気化したガスによるクッション効果もあり問題になるほどではない。
 ただし、爆発が直撃する際のパルス(衝撃波)自体は避けることはできないので、加減速の際には乗員はそれなりの危険を覚悟しなければならない。できれば待避するのが望ましい。そのため加減速そのものが(最初と最後を除けば)滅多に行われることはない。

○惑星探索の旅

7 以前は資源採掘・中継用基地として利用されていたものである。
 核パルス噴射により惑星衛星軌道からはじきとばされ、重力カタパルトの利用と数回の噴射を経て星系を脱出、移住可能な惑星を発見するための長い遠征の為の宇宙船兼探索基地となる。
  巡航速度はおよそ1430Km/S、旅のほとんどは等速運動である。約200年で一光年というゆったりとした速度ながら、すで六千光年以上を踏破してきている。
  乗員のほとんどはその旅の大半を休眠状態ですごしてきた。種族のもともとの特徴として長い冬眠に耐えやすいのだが、さらに技術的手段で延長しているのである。

  惑星探索のパターンは次の通り。
(1).進行方向にある星系を精密に観測。有望な惑星を持つと思われる星系を絞り込む。
(2).適当な距離に達したら必要な人員を目覚めさせ、積載されている恒星間宇宙船(数光年単位での往復が可能)を送り込む。
(3).母船に結果を報告・帰還。『新天地発見』ならば母船を進路変更し、惑星に向かう。

 これまで移住可能な惑星は見つからなかった。地球-太陽系にはすでに探索船を送り込み、極めて有望との結論を得ている。
(太陽系を訪れたのはおそらく人類の暦で14〜15世紀ごろであろう。。地球上の生命の存在は確認したが、知性体の有無までは確信を得ていない。)

 彼らが太陽系近傍にきてから数百年は経過している。その間の地球で起こった変化、電波を初めとした知的生命体の活動の兆しを彼らは見つめてきた。
 恒星間空間ではほとんどの個体が眠りについていて活動しているのは極少数であったこと、この事に興味を持つ者がさほど多くはなかったことなどからこの知的生命に対する彼らの研究はさほど進展しなかったが、彼らの母船が持つ強力な観測設備は地球が発した多様な電波を記録している。

 

予定されたスケジュールに従い、太陽系外縁部で彼らは本格的に活動を開始した。減速の為の核パルス推進システムの点検整備やテラフォーミングとその後の移住に必要な様々の準備、休眠中に機能不全におちいった個体への処置など、いっせいに動き始めたのである。
 同時に、保留されていた先住知的生物とのコンタクト計画も始動する。
地球からの距離、およそ360億kmほどの距離であった。

 (※360億kmという数字は、後に変更された。30億km地球側に寄った地点からのスタートとなったのである。)



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