日曜日午前3時、おもむろに荷物をバイクにくくりつけ、
夜の桑名の町を走り出す。
実は土曜日に早く寝過ぎてしまい、夜9時ぐらいに寝てしまい、
それから布団の中で、何度となく寝ようと努力はしたのだが、
遠足前の小学生のように気分が高ぶってしまい、
全然寝ることが出来ず、日付が変わる頃には諦めてしまっていた。(^^ゞ

とりあえず、今回一緒に行くことになるたかろうとの待ち合わせの松阪に急ぐ。
っといっても、5時に待ち合わせのために、
どう考えても、この時間松阪までは2時間もかからない。
そんな時間余裕からのんびり行くことにした。
まだ世間では、この時間は夜のようだ。
カラオケボックスの前では、男女のグループが酔っているのか、
なにやら大騒ぎしていた。
夜の時間だと思えば、別段違和感がないのだが、
僕の朝だという気分で見ると、かなり違和感がありみっともない。

夜の道を走るのは結構好きなほうだ。
地元が松阪の為に、結構桑名から松阪まで国道23号線は走るのだが、
なんだかいつも走る道とは違い、
なにか知らない道か、いや!?しらない世界を走っているような気さえする。
冬の寒さのせいからも、なんだか新鮮な気分。
そんなことを思いながら、のんびり走りすぎたせいか、
松阪の待ち合わせの場所についたのは、もうすぐ5時になろうかというころだった。

まだたかろうは到着していない。
2時間ちかく休憩もナシに走りつづけていたせいで、
かなり体は冷えている。
近くのコンビニにてコーヒーを買って、タバコを吸いながら待っていると、
遠くから「ドド!ドド!」と音が聞こえてきた。
うん!?あれはパラレルツインの音だ!!10分ほど遅刻をして、たかろうが到着。
出発前に2台で写真を撮って、5時半頃出発。

この先42号線をしばらく南下するだけ。
ほぼ一本道の為に、まず間違えるはずがない。
いつもは僕が先行して走るのだが、
たまにはと思い、たかろうに先にいってもらうことにする。
この時間ほとんど車は走っていない、
快調なペースで2台で走る。

時間は7時、一つ目の難所の荷阪峠を越えた紀伊長島についたところで、
トイレと朝食の為にコンビニにピットイン。
日曜日の朝早くに、2人でコンビニ前で僕は肉まんをパクつく。
この寒い中では、暖かいものが何よりありがたい。

日曜日の朝7時。ほとんど車は走っていない。
日も出てきたこともあり、もうすぐ12月だとは思えないぐらいに暖かい。
その後、尾鷲前と過ぎたところにある2つの難関、
なに峠というのかは知らないが、
その峠も無事に過ぎることが出来た。
のだが・・・、最近ちょっとコケた事もあり、かなりおっかなビックリの走り。
前はもうちょっとマシに走れたような気がしたのだが、
今日はもう全然ダメダメ!
自分でもイライラするぐらい、バイクに乗れていないという感じ・・・。
もっと腕を磨かなければと、この時強く思った。

時間は朝の9時。やっと熊野に到着。
別に予定はしていなかったのだが、
思ったより早く着いたので、
熊野の鬼ヶ城を見学して行くことにする。
まだ早かったために、
みやげ物屋は全然開いていなくて、
これから開店準備をしようとしている。
観光客らしき人と、
家族ずれが1組とカップル2組、
そして男2人組みの僕達だけ。
そして観光客より多い、
釣りをしている人達。
これにはちょっと驚かされた。

熊野から新宮までは、42号線は海沿いを走る。
これまでのキツイ山道とはうって変わり、
平坦な海岸線の道・・さっきまでの山道とはうって変わり走るのはかなり楽。
海沿いということで景色を期待したのだが、海の方向には防風林がありほとんど海は見えない。
時間も10時近くになってきており、車もすこし増えてきて、
ちょっと退屈になってくる。楽だということは暇なことの裏返し。
そんな状態のまま、新宮市内に突入。
新宮の手前の熊野川を渡ったところから、
やっと三重県に別れを告げて、和歌山県に入ることが出来た。
それにしても、ほぼ三重県の上端に位置する桑名を、
夜中の3時に出て、ずっと走りっぱなしではないが、
ここ和歌山県との県境まで、だいたい7時間弱。
つくづく三重県って縦に細長い県だと、本当に身をもって実感する。

新宮市内に入ったところで、今回の目的地「川湯温泉」に向かうには、
168号線に乗りかえるはずだったのだが、
何を思ったのか、反対方向に曲がってしまう。
曲がって、あ!間違えたとすぐわかり、
どこかUターンする所はないかと探していると、
看板に「浮島の森」だったかな?っという案内板が目に入る。
何やら面白そう。すぐさまその方向にバイクを向ける。

「浮島の森」っと言うのは、
え〜っと、なんだったけなー・・・(^^ゞ
なにしろ元沼地だったかなにかで、森が水に浮いているものだったかで、
なにやら珍しいものらしく、ボランティアの人が説明してくれたのだが、
たかろうの方はちょっと興味がありそうであったが、
当方まったく興味があるものでなく、
あまり詳しくは覚えていない。
まぁ、とにかく貴重なものらしいということだけ書いておこう。

気を取り直して、168号線を川湯温泉がある本宮町に向かう。
ここからは、42号線に比べてなおローカルな国道。
新宮を出てからは、ほとんど信号機もなく快走。
道は熊野川に沿って走り、瀞峡というところにさしかかる。
瀞峡というのは、川を挟んで両側に絶壁という渓谷。
その渓谷に挟まれた熊野川を、観光客を乗せたウォータージェット船が走っていく。
僕ははじめ、ウォータージェット船と言っても、
屋形船の親戚ぐらいにしか思っていなかったのだが、
これが結構なスピードで川を疾走していく、
それこそジェットスキーのような水飛沫を上げながら。
景色的には、僕の第一印象はなんだか水墨画に出てきそうな風景。
といっても、ウォータージェット船がいなければの話だが・・・。

時間も11時になろうかというころになり、やっと目的地に到着。
この川湯温泉、共同浴場もあるのだが、
やはり川原にできた露天風呂が有名。
ここら辺の川原は、掘れば温泉が湧くらしく、
11月から2月までは、仙人風呂というのが有名で、
川原がデカく掘られており、そこが巨大な露天風呂となっている。
この期間限定の露天風呂というところが問題で、
露天風呂を囲うしきりがちょっとあるだけで、ほぼ外から丸見え、
混浴の為女性用の更衣室はあるのだが、男用の更衣室はない。
ほとんどの人は、水着着用で入っており、
べつに水着を着なくても入れるために、僕はなにも持って行かなかったのだが、
さすがにこの中に素っ裸ではいるには、かなり場違いな感じがする。
たかろうは水着を持ってきていたために、川原で堂々と着替えて入ったが、
僕はというと、しばらく考えてやはりやめておいた。(^^ゞ
少なくとも、そのあと何人かは僕と同じように水着をもってこなかったのか、
露天風呂を遠巻きにしばらく眺めた後、立ち去るという人もいた。
僕も入らずに眺めていたのだが、
広い露天風呂のわりには、なんだかみんな一ヶ所に集まって入っている。
なぜ?っと思い、入ったたかろうに聞いて見ると、
人がいないところはかなりぬるいらしく、
人が集まっている所が、どうやら温泉が湧いており、
川の水と混ざり合い丁度いい湯加減だったらしい。
近くにいた地元の人らしいおじさんの話では,
昔は川の水をかなり入れないと熱くて入れなかったらしいのだが、
最近はかなり温泉の湧く量が減ったのか、
昔に比べてそうでもなくなったらしい。

まだ時間も12時ということで、もう一つ近くにある湯の峰温泉というのがあり、
ちょっとそこにも向かうことにする。
ここは「つぼ湯」というのが有名で、湯の色が1日で変わるらしい。
なぜらしい!?としか言えないのかというのは、
この「つぼ湯」の存在、
あとから知り、実際には入っていない。
入ったのは、共同浴場の方で、
一般湯だったかと薬湯というのがある。
どこが違うのだろうと、
受付のかなり高齢なおばあちゃんに聞いてみると、
一般湯の方は、温泉源泉にお湯を混ぜて薄めてあるよう。
ものは試しと思い、じゃあ100円高い薬湯の方に入ると告げると、
受付のおばあちゃんが、
ニヤっと笑ったような気がした・・。
な!なんなんだ?
なにやらヤバイものなのかと思い、
恐る恐る入っていったのだが、強烈な硫黄の匂いがするだけで、
それほど普通の温泉とは違わないような気がする。
今度は一般湯との違いと確かめて見たいと思った。

湯ノ峰温泉にて、歩道に路駐する、
RALRALホーネット号と、
たかろうZZ-R号。

時間も1時近くとなり、
行きにかかった時間を考えると、
今から帰り始めないと、明日の仕事に影響がある。
近くで軽く食事をした後、来た道をまた戻り始める。
しかし、お風呂に入って食事をして、
おまけに睡眠時間も短かったこともあり、
何度かバイクに乗りながらも、
意識がと〜おくなっていく・・・
走り始めて30分、これはヤバイ!
絶対に事故をすると思い、
道の駅「熊野川」に慌ててはいる。
どうやら、たかろうもかなり眠かったよう。
コーヒーを飲んだりして眠気を飛ばそうとするのだが
これからの帰り道を考えて、安全の為にちょっと仮眠をすることにする。
この日は、11月してはかなり暖かい方で、
日陰でもなければ、外でも寝れるぐらい。
2人してベンチに横たわり、30分ほど寝ることにしたのだが、
これがこのあと大変なことになるとは・・
このとき知る由もない。

ベンチにて爆睡する、RALRALです。
結構何処でも寝れるタチ・・・(笑)

30分後にアラーム設定をしてあった、携帯が鳴り出す。
おもむろに体をベンチから起こし、周りを見まわす。
一瞬自分が何処にいるのか、状況が把握できない。
30分ぐらい寝ただけなのに、寝る前あれほど感じた眠気は吹っ飛び、
かなり爽快な気分。
うん、これならなんとかこれから桑名まで帰れそうだと思う。
たかろうはまだベンチで寝ており、ちょっと考えて起こすことにする。
たかろうはしばらく放心状態の方で、一人でバイクの方に戻っていくと、
うん!?たかろうの荷物がなくなってネットが下に落ちている。
その時は、あ〜・・たかろう荷物が心配で、
ベンチのところまで荷物をもっていったのかと思い、
別段気にもせずに、そのままトイレに行って帰ってくると、
バイクのところで、たかろうがキョロキョロとバイクの回りをなにか探しているよう。
このとき、イヤ〜な予感がした。
近づいていって、たかろうに声を掛けると、
やはり自分のバイクのタンデムシートに縛ってあった荷物がないと言う。
2人して近くにないか探しまわったのだが、
どこを探してもそれらしきものがない。
この時やっと荷物が盗難にあったという事実を、受け入れることができた。
仕方がないので、道の駅の人に荷物が取られた事をいい、
もし見つかった場合の為に、連絡先を言っておく事にした。
しかし取られた荷物も、貴重品関係はほとんど身につけて寝ていたので、
カッパと友人へのおみやげだけだったのが、不幸中の幸いだった。

気を取りなおし、帰り道を急ぐ。
仮眠と盗難の為に、当初の予定より遅れている。
日が暮れて寒くならないうちに、帰りたいと思っていたのだが、
どうやら無理のようだ。
昼間の暖かさが嘘のようにどんどんと気温は下がり、
おまけに熊野を過ぎてからは、山道へと入りよけいに寒い。

行きも感じたのだが、ただでさえ最近転倒し、
ちょっと自分のバイクの乗り方に迷いがあり、
いまいち思いきった走りができない。
そんな走りで、あまり知らない峠道を、それも暗くなってから走るのはかなりの恐怖。
この42号線は、この辺りでは幹線道路にあたり、
乗用車特にトラックが多く、そのトラックが後につくとなにやらプレッシャーがかかり、
どのぐらいのキツさなのか暗くてわからないコーナーは、
その1つのコーナーを抜けるたびに、強いストレスを感じる。
正直最後の方には、半ば開き直り転倒してもいいとさえ思った。
しかし最後荷阪峠を越えて、
その先、走り慣れた道まで来た頃には、
正直「ホッ」とした。

最後は、食事をして松阪にてたかろうとはお別れ。
この時、時間にして8時頃。
まだ僕には、ここから60`はまだ走らないといけない。
日曜日の8時台、それほど交通量は多くないのだが、
普段ならしないすり抜けを、してすこしでも早く家に帰ろうと無理をする。
しかし、桑名まであと普通にいけば30分、
鈴鹿まで来た時には、ちょっと体力的というより、
精神的に限界・・・コンビニにて、コーヒーの飲みながら30分ぐらい放心状態。
今日は、コーヒーでドーピングをし過ぎたせいか、かなり胃が痛い。
コンビニから動きたくない気分を振り払い、
自分の気持ちを奮い立たせ、
なんとかかんとか、10時には桑名の寮に帰宅することが出来た。
もう、バイクを駐輪所に止めた時には、
そのままバイクから転げ落ちるように、地面に崩れ落ちた。

今回は距離にして、500`弱。
時間にして、走りっぱなしではないが7時間。
正直もうちょっと近いものかと思っていたのだが、
かなり甘い考えであったようで、
最後地面に崩れ落ちた時に、かなり思い知った1日だった。(笑)

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