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第4回公演「回帰」
1996年12月21日 新宿シアター・プー 帰ってくることにテーゼなどいらない。帰ること、それ自体がテーゼであるから。
闇……光……血……死……再生…… 夢と祈りだけが世界の、宇宙の原動力であり創造力であるなら、今、此処に私はその原動力と創造力の全てを賭けたい。 「楼閣」というなの揺籃。方舟が今此処に。 腐肉を引きずるしかない私達の、夜の果ても意味をなさない私達の今に、此処に、明日に、希望に、唾棄すべきそれらとの対峙。研ぎ澄まされた刃など何の意味も持たない。主体的実存を賭けた瞬間・行為……必要なのは唯一つ。絶対として志向された観念、還元装置に、私達は今こそ向かわねばならない。拳と牙……腐肉を引きずりながらでも、なしくずしにでも生きていくことを引き受けた私達には。 あの音が聞こえる……遠い昔に聞いたあの音…… 漆黒の海……体液の腐臭と腐蝕の母胎たるあの生ぬるさ……漆黒…… 私達は選んだ。いや、選ぶことを確認せねばならない。私達の肉体と観念を擬勢の産物に堕さしめぬ為にも。 「回帰」……欲しいのは明日でも未来でも夢でも希望でもない。私、私自身。私達の観念の領野に存在する全てのものの自己証明。そしていつか出会う、私達の共生と融合の時空、宇宙。 荒野が見える。見渡す限りのニヒル…… 必要とするのは行為だけ。私達は歩み続ける。終わりのない生への贖いの、目も眩むような漆黒の光の中を。 砂上の楼閣 主宰 望月芳哲 |