肢体障害者サポートのための勉強会テキスト

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    肢体障害者が使いやすいように入力機器を設定する。

1.障害について

    肢体障害者にもいろいろな種類がある。それぞれの障害に合わせた設定が重要になる。

(1)肢体障害の大きな分類

    あ) 下肢障害

      下半身に障害がある場合。上肢( 腕や手、指) に障害がないので、パソコンの操作に不自由はあまりない。

    い) 指の障害

      頚椎損傷など、指が動かせない障害。腕が動かせる場合は、腕を使ってパソコンを操作する。キー入力やマウス操作に工夫が必要になる。

    う) 上肢に不随意運動がある場合

      脳性麻痺などで、腕に緊張などの不随意運動がある場合。意思に反して力が入ってしまったり、細かい作業が苦手。キーを正確に押すための設定が必要になる。

    え) 上肢の筋力が弱い場合

      筋ジストロフィーなど、指の動きは正常だが、筋力が弱く、固いボタンを押せなかったり、腕を動かしたり支えたりすることが難しい。腕を大きく動かさないで操作する工夫が必要になる。

    お) 体幹障害

      体全体に障害があり、動かせる部分が少ない。動かせる部分に合ったスイッチを使って、パソコンを操作する。

2.入力支援

(1)キーボード、マウスを使える場合

    あ)キーボードが使える場合

      キーが正確に無理なく押せるかどうか、キーガードが必要かどうか。

      キーボードの設定。

      1. 「コントロールパネル」「キーボード」

      2. 「速度」タブ

      キーボードのプロパティ;速度タブ 

      3. 表示までの待ち時間を長くする(キーリピートまでの時間)

      4. 表示の間隔を遅くする(キーリピートの間隔)

    い) マウスが使える場合

      マウスが正確に無理なく動かせるか、ボタンが押せるか。トラックボールなども検討する。

      マウスの設定。

      1. 「コントロールパネル」「マウス」

      2. 「ボタン」タブ

      マウスのプロパティ;ボタンタブ

      3. 右きき用、左きき用を選択する。

      4.       ダブルクリック速度を調整する。初心者は遅く、慣れた人は速く設定する。

      5. 「動作」タブ( WindowsMeは「ポインタオプション」)

      マウスのプロパティ;動作タブ

      6. ポインタの速度を調整する。

      7.       軌跡を調整する(液晶ディスプレイでは見やすくなる。)

      8.       パソコンによっては次のような画面の場合もある。

      マウスのプロパティ;動作タブ

      9.       アクセラレーションを調整する

      (マウスをゆっくり動かしたときは少し移動して、速く動かしたときは大きく移動する)

      10. 速度を調整する(マウスポインタの移動の速度)

      11. オートジャンプを設定する(デフォルトのボタンに自動的に移動する)

(2)キーボードが使える場合(マウスが使えない場合

    あ) ユーザー補助の設定をする

      1.        「コントロールパネル」「ユーザー補助」

      2. 「キーボード」タブ

      ユーザー補助のプロパティ;キーボードタブ

      3. 固定キーの設定する。オプションとメッセージをすべてチェックする。

      同時に複数のキーを押せない場合に設定する。

      固定キー機能の設定

      Shift Ctrl Alt を1回押すと押しっぱなしの状態になる。

      Shift Ctrl Altを2回押すとロックされる ( 連続して入力できる

      タスクトレイに状態が表示されるので確認する。

      タスクバー;固定キー

      上は Shift キー、右下は Ctrl キー、左下は Altキー

      4.        フィルタキーの設定をする。キーリピートなどを調整する。

      緊張などでキーのミスタッチがある場合に設定する。

      フィルターキー機能の設定

      「繰り返して入力されたキーは無視する(バウンスキー)」

        短い間隔で同じキーを押されたときに、2回目以降を無視する。

        緊張などで、連続してキーを押してしまう場合に利用する。

      「速いキー入力は無視して、リピートの間隔を無視する(スローキー)

        一定時間キーを押しつづけないと、キー入力が出来ない。

        間違ってキーを押してしまう場合に利用する。

      5. 「マウス」タブ

      ユーザー補助のプロパティ;マウスタブ

      6. マウスキーの設定をする。速度などを調整する。

      マウスキー機能の設定

        テンキーの2,4,6,8で上下左右に移動。

        1,3,7,9で斜めに移動。「5」でクリック。

        「+」でダブルクリック。

        「−」を押すと右クリックモードになる。

        (「5」で右クリック、「+」で右ダブルクリック、「/」で解除)。

        「*」を押すと左右同時クリックモード になる。(「/」で解除)

        「0」でドラッグ開始、「.」でドラッグ終了。

        通常のマウスと併用する場合は、「マウスキー機能を使うときの NumLock キー」を「オフ」にしておく。

        タスクトレイに状態が表示されるので確認する。

        タスクバー;マウスキー

         通常モード   右クリック   ドラック中

      7.        「全般」タブ

      8.  自動リセットを無効にする。 ( 必ず設定する。)

      ユ補助のプロパティ;全般タブ

(3)マウスが使える場合(キーボードが使えない場合

    マウスの代わりにトラックボールなどでも可能。

    あ) (1)の い)の設定をする

    い) 文字入力にはソフトキーボードを使用する

      1.        日本語入力をON にする。

      2.  ツールバーの「 IME パッド」ボタンをクリックする。

      タスクバー;IMEパッド

      3.  「アプレットメニュー」から「ソフトキーボード」を選択する。

      アプレットメニュー
      ソフトキーボード

      4.        「配列」を切りかえる。

      (ローマ字入力は不可。ひらがな50音順が使いやすい)

    う)Vkey(Visual keyboard)

(4)キーボード、マウスが使えない場合

    代替の機器を使用する。

    あ) トラックボール

      ボールを転がしてマウスを操作する。ボタンをロックしてドラッグできる機種もある。

      使い方はマウスと同じ。文字入力はソフトキーボードを使用する。

    い) スライドパッド ( タッチパッド)

      指でなぞってマウスを操作する。ノートパソコンによく使われているもの。

    う) タブレット

      専用の台の上でペンを動かしてマウスを操作する。

    え) らくらくマウス2

      ボタンまたはジョイスティックでマウスを操作する

      http://www.tocolo.or.jp/syokunou/rakuraku/

      文字入力はソフトキーボードを使用する。

      例) 8ボタンらくらくマウス2

      8ボタンらくらくマウス2

      ()カーソルの移動(青色)

      右側のボタン(4つ)は、左右上下に移動させる移動ボタンで、進めたい方向のボタンを押します。ボタンを押している間は移動し、離すと止まります。

      斜めの移動は、進めたい方向のボタンを2つ押します(例:4点ボタン仕様の場合)。

      () クリック(緑色)

      左下のボタン(2つ)は、クリックボタンです。一般的な2ボタンマウスの各ボタンと同じ働きをします。ダブルクリックをする時は、続けてボタンを2回押すことで可能となります。

      Windows で、ご使用の場合、ダブルクリックのタイミングは、コントロールパネルの中にある「マウス」で、調整することができます。

      () ドラッグ(黄色)

      左中のボタン(2つ)は、ドラッグボタンです。ドラッグを始めたいところで、ドラッグボタンを押します。ドラッグ中を示す黄色のランプが点灯します。

      ドラッグを終らせたいところで、もう一度ドラッグボタンを押しますと、ドラッグボタンが解除され、ランプも消えます。

      ( ) 左ダブルクリック(緑色)

      左上左側の緑色のボタン (1つ)は、左ダブルクリックボタンです。1回押すと左クリックボタンを2回押したことになります。

      ( ) カーソル移動のスピード調整(橙色)

      左上右側の橙色のボタン (1つ)は、スピード調整ボタンです。押すたびに6段階に変化します。5段階までは固定スピードの調整で、橙色のランプの点滅で移動速度を表示します。6段階目は自動加速モード(カーソルの移動ボタンを押し続けるとだんだんスピードが早くなる)です。自動加速の時は、ランプは点灯となります。

      らくらくマウス II は、パソコンの電源を切った時のスピードを記憶しています。次にパソコンを使う時は、前と同じ速度で動作します。

      ( )スクロール(灰色)

      右側のまん中の灰色のボタン(2つ)は、スクロールボタンです。 スクロールバーに無理にカーソルを合わせなくても、このボタンを使えば、簡単にスクロール操作ができます。 (標準サイズの USB 用のみ、搭載されている機能です)

(5)スイッチだけでパソコンを操作する方法

    あ) オペレートナビ EX、ディスカバースイッチなど

      スイッチで Windows を操作するためのソフト。文字入力、ソフトの操作ができる。スイッチとソフトで実現する。スイッチは様々な種類がある。大きさやスイッチの重さ、赤外線センサーなど、障害の状態によって最適なスイッチを選定することが必要になる。

      オペレートナビEX

      http://www.amuseplus.com/product/accessibility/opnv/

      ディスカバースイッチ

      http://www.kokoroweb.org/src/item.asp?id=54

    い) 漢字P ワード

    う) 伝の心

      重度障害者意思伝達装置。ボタンで文字入力などをするほかにも、家電製品をリモコン操作すこともできる。日常生活用具給付制度適用品。

      http://www.hke.co.jp/products/dennosin/

    え) ヘッドマスター

      頭につけた赤外線装置で頭の動きを受信し、マウスを操作する。

    お) 回転キー坊

      回転する LED をスイッチで止めて文字入力を行なう。 OS に依存せず、文字入力が可能。パソボラ茨城会員の本城さんが試作中。

3. Windows の操作方法

(1)キーボードを使う場合

    マウスキーを使う場合でも、マウスレス操作を活用する。

(2)マウスのみを使う場合

    文字入力にはソフトキーボードを使用する。

    右ボタンで表示されるコンテキストメニューを活用する。

4.その他

    障害に応じた設定が重要になる。無理なくストレスを感じないような設定を心がける。医師や理学療法士、作業療法士とメーカーのサポートスタッフとの連携も重要になる。

    試行錯誤を繰り返して、使いやすい設定を見つける努力が必要。また、障害の進行に合わせて、設定の見直しも必要になる。

    なによりも、本人が無理なく楽しくパソコンを使えるようにしていくことが大切になる。


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