
ボディービルのようなトレーニングからの脱却法
2000年6月28日
スポーツの補強運動としてやってるのに、ほとんどボディービルと変わらないトレーニングをしている人がなんと多い事でしょう。
金を貰ってスポーツ選手を指導しているトレーニングコーチでさえ、ボディービル的なやり方しか知らない人が多いようです。せいぜい、「この動きは○○の筋肉を使うから、この種目が効果がある」くらいしか、アドバイス出来ないのです。巷にあるウェイトトレーニングの参考書は、多くがボディービル的なやり方しか紹介していないので、仕方ないのかもしれませんが・・・。
ボディービルダーは、目的の筋肉だけを独立して鍛え、余計な筋肉に刺激が分散しないように努力します。こうしたほうが、「効く~!」という感覚や、パンプアップを得やすいからです。このようなテクニックをアイソレーションといいます。
スポーツ選手は、これと全く逆のアプローチが必要です。つまり、できるだけ多くの筋肉(運動単位)が動員される種目やテクニックを重視します。そして、筋肉どおしを上手に共働させる能力(コーディネーション)をアップさせます。
具体的には、以下のようにするとコーディネーションがアップします。
- たくさんの関節を使う種目、例えばスクワットやスナッチなど。多関節エクセサイズ
- 爆発的、反動的に動かす
- フリーウェイトのように、バランス保持が必要なもの
- 座位よりも立位の種目
- 複合法
- サーキットトレーニング
ボディーバランス向上のため、なるべくフリーウェイトを使い、多少フラフラしやすい種目も積極的に採用するべきです。
しかし、危ないからと言う理由で、バランスを崩しやすい種目(例えば、サイドランジやク
イックリフトなど)を禁止にしているトレーニングコーチがいます。ごく少数ですが、フリーウェイトは危険だからと言って、全てマシンでメニューを組むト
レーニングコーチさえいるようです。(;-_-X;)
そういうトレーニングコーチに私は反論します。スポーツの現場はトレーニングジムより危険です。接触プレーや、急激な方向転換、地面の急激な状況変化・・など。そのような場面で、バランスを崩して転倒したり、膝や足首を捻って怪我をする事が非常に多いのです。
過保護なトレーニングでは、そのような場面での怪我を予防できません。安全面のみの枠に縮こまったトレーニングは実際的ではありません。スポーツ選手は、不意な内外力を想定したトレーニングも絶対必要なのです。
クイックリフトとは、スナッチ、ジャーク、クリーンなどの種目を言います。これらは、コー
ディネーションや爆発的筋力(筋力×スピード)を向上させる、素晴らしいエクセサイズです。スポーツ選手は、なるべくメニューにクイックリフトを加えま
しょう。パワークリーン(ハイクリーン)が特にお勧めです。
しかし、怪我の危険性を指摘し、否定するコーチも多いようです。否定的意見に対する私の考えは以下の通りです。
| 少なくとも自分が教えている間は何も問題が起こって欲しくないという、指導者側の自己防衛的・保守的な考えで、過度の安全域内でのトレーニングが強調されています。そのような過保護なトレーニングを指導する人は、商売上手なだけです。 |
| 腰痛などの心配が無い選手が、いいコーチにしっかり指導してもらえば、それほど危険ではありません。怪我の危険性は、スクワットやデッドリフトと同じくらいだと思います。スクワットやデッドリフトが思いっきり出来る人だったら、クイックリフトもOKでしょう。 |
| 自分自身、クイックリフトが出来ないから否定しているコーチが非常に多い(情けないコーチが多い)。 |
| フォームの習得が難しいので、独学でマスターするのは難しい。ちゃんと教えてくれるコーチが必要。 |
ボディービルダーの中には、チーティング(反動を用いたトレーニング方法)を否定する人が多くいます。彼らの場合、そのような考えでも全く構いません。
しかし、スポーツ選手の場合、チーティングを否定してはなりません。反動動作は、スポーツ
の動作の中に含まれており、自然な動作です。チーティングは、スポーツ時の筋収縮により近づけるテクニックと言えるでしょう。ただし、初心者や、怪我をし
た部位の種目にはやらないほうがよいでしょう。
複合法とは、通常のウェイトトレーニングと瞬発力トレーニングをスーパーセット(2つの種目を立て続けに行う方法)にする方法です。例えば、以下のようにします。
- スクワットを1セット終了したら、すぐにジャンプをする。
- パワークリーンを1セット終了したら、すぐにダッシュする。
これは、ウェイトトレーニングによる筋力発揮と、競技での筋力発揮のずれを埋める方法で、
コーディネーションを高める効果があります。順序は、「ウェイトトレーニング→瞬発力トレーニング」でもいいですし、「瞬発力トレーニング→ウェイトト
レーニング」のどちらでも構いません。
純粋な筋力を高める効果は低いのですが、コーディネーションを高める効果があります。通常のウェイトトレーニングの日だけでなく、サーキットトレーニングの日を加えるよいでしょう。
より競技に直結した筋力トレーニングです。特に、試合が近い時期(ピリオダイゼーションでは試合準備期)に、このトレーニングの比重を上げるとよいでしょう。ただし、基礎体力不足の選手は控えめにするべきです。
例えば、以下のような方法があります。
- ウェイトを軽くして早く動かす
- より競技の動作に近い種目やフォーム
- サーキットトレーニング
バーベルなどを使った通常のウェイトトレーニングでは、直線的に動かすトレーニングが殆どで、ひねりや、対角線上に動かすトレーニングが不足しがちです。
これを補完する目的で、PNFトレーニング(簡単に説明できません(^_^;)を取り入れると良いでしょう。ただし、優れたトレーニングコーチが必要です
が・・・。

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