5月の読書 11冊
代紋の男たち 家田荘子 徳間書店 1998 2001
| 週刊実話連載 読んでも、そうそう面白いと思わないんだけど、何故か手に取ってしまう家田荘子の本。きっとインタビューという極めて単純な、出版(=マスコミ)という、何故だか他の人には言わないことも、平気で喋ってしまうマジックにより、人様が本音を吐き出すからなんだろう。バブル後のこの世界はかなり変わってしまったらしい。勿論、今の若い世代の考え方が大きく変化している事も、この硬派で義理人情の世界に少なからず影響を与えている。極道とは、サラリーマンの様になってしまったんだなあ。 |
宮崎勤裁判 上・中・下 佐木隆三 朝日新聞社 1997 2001
| この人の名前は一生忘れられない。最近、凶悪事件は多くなってきたが、最初の走りのような事件であろう。この事件に感化されて作られたであろうジェームス三木の「存在の深き眠り」のドラマ(大竹しのぶ主演)は私に大変影響を与えた。解離性同一性障害という名称は、未だに覚えられないけれど、多重人格という症状が少なからず実在するという事に心が揺さぶられる。下巻では、主にいわゆる多重人格についての説明が論じられ、簡単に言えば振りをしているかしていないかなのだが、責任能力があるかないかという事がいかに扱われているか、このような本を読み始めて、重大事件でなくても、ここ最近増えている子殺し親殺し等の記事に違った角度から視点をおくようになった。宮崎の父が飛び降り自殺していたことは、極めてショッキングな事である。 |
毒笑小説 東野圭吾 集英社 1996 2001
すべての作品が、この世の中を皮肉ってかかれており、笑えてもどこか笑えない。そんな短編集です。
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人質 ペルー日本大使公邸の126日 青木 盛久 インタビュアー 岡崎久彦 クレスト社 1997 2001
| フジモリの本を読んで、面白いと思ったので、つい目の前にあった本を手に取りました。そうそう、こういう事件もあった、あった。なんでこういう重大事件を見過ごしていたのだろう。(見過ごしていて、平気だったのだろう。)この本はインタビュー形式をとっているためか、かなり読み易くあっという間に読み終えた。フジモリが大統領になってペルーは良くなったのだろうか?という事が、先日読んだ本の影響で頭から離れなくなっていたので、大変為になった。漠然としか、当時の話を覚えていないのだが、こういった事件の本は早めに読むに限るということはよくわかった。外交官とは。ノン・イベントの意味。レシービングライン。なんだか知らない世界を覗けて、ためになった(ような気がする。) |
東電OL殺人事件 佐野 眞一 新潮社 2000 2001
| 上記の人質を読んで、事件ものって読み応えある!と次に手に取った本。当時無職だったはずなのに、なんでこの事件のことを詳しくしらないんだろう?美人とは決して書かなかったマスコミや、はやりエリートが売春を行っていたことを囃し立てる風潮が気に入らなかったのだろうと思う。しかしここまで書くか?プライバシーはないのか?事実を追求するのなら、ここまでやるのか?この本は、ゴビンダを救ったとは言え、後味の悪い本だ。本音と建前。日本にはこのような悪い風習がある。悪いのだが、ここまで本音のみで書かれると、迷惑を被る人が何人も出てくる。出版物というもので残されることは、かなり厳しい事だ。筆者の「情景がダブった」という表現が多すぎて、事実を捉える目がちゃんとあるのかも不確かなのではという印象が拭えなくなった。偏った考えである気がする。この手の本は、しょうがないのかもしれない。ゴビンダのフォローに回るにしても、もう少し反対側からの意見を取り入れないといけない。この本が売れたという事実は、渡辺泰子さん周辺の人々への圧迫でもある。なんともいたたまれない気分になる本だ。 |
モーニング・レイン『十七才の日記 1973』 井上 一馬 新潮社 1992 2001
| これって、まさにボブ・グリーンの「1964」じゃない?パクリじゃない?これって、いいのかしら。そんな風に最初から最後まで思いながら読んだんだけど。確かに、図書館で「井上一馬」の文字を見て「ああ、あの(1964の訳やった人)」と思い、手を伸ばしたんだけど。表紙からして、同じ。そして中も同じ。内容はどうも日本が舞台らしい。17才というのも一緒。この本の発行年をすぐさま見ると1992となっている。1964の出版の翌年というわけだ。という事は、二匹目のドジョウ狙いが見え見えです。1964でものすごい感動した私なので、文体がそのままのこの本(訳者なのだから、言葉の言い回しからなにから同じなわけです。)には、嬉しいんだけど、ナンか見え見えで嫌な感じも否めませんでした。ボブの1964年は憧れるけど、井上一馬の1973年は私が1才の頃。憧れのない年ですが、文化風俗が覗ける面では、大変面白い本でした。日本人だから見える側面もあり、心の葛藤には共感できる(私が高校時代に共感しただろう)事が多くありました。只、井上一馬氏は勉強家であり、沢山の本を読み、歴史を知り、学校イベントを楽しみ...私とはとうてい違う高校生であり、高いところにいる人の青春時代という感じでした。(基本的には違わないという人もいるでしょうが、私にはそうは読み取れませんでした。) わっし。どんな人なのだろう。 |
アメリカン・ドリーム ボブ・グリーン 訳 菊谷 匡祐 集英社 1989 2001
| 週刊プレイボーイにS62.10.6〜S63.10.11に連載されたものを収録した本である。 アメリカに行ったついでに、「BeTrueToYourSchool」を買ってきて、と頼んでおいた元同僚が、ボブ・グリーンの本を買ってきてくれたという。(まだ貰っていないが本当に貰えるのだろうか?)図書館で丁度目についたので、読んでいない本でもあったので手に取った。沢山ある本の中から手に取るというのは、一体万万分の一の話なんだろうか?この出会いって、素晴らしいと思う。 「4人組不滅の友情」は大変羨ましい話だ。私もよく地方に出掛けると、野球やサッカー、はたまた競輪場など人の多く集まるところに行くことが大好きなのだが、そういったものに興味のない人は「なぜわざわざ旅行に出掛けて、スポーツ観戦をするのか?」と問われる。だからこういった人がいることは大変嬉しい。 「朝日新聞社訪問」はボブらしさがよく出ていると思う。イメージしていたボブが私の頭の中にいるわけだが、そのボブが私のイメージできる範囲内に入り、感想を述べている。田舎臭く、素直な人だ。勿論いい意味でのものだ。だからボブがまた好きになった。 「ナゾのハム・ファイターズ」 いいところを突いているよ、ボブ。そう誉めたくなる話だ。私もブラジルに出掛けて「ARISCO」が食品メーカーであることを知り、ほっとしたし、PALMALATも有名お菓子メーカーであることがわかると余計サポーターが可愛く見えたりして、微笑ましくなる。そういう事だと思う、この話って。魅力がないだとか、ダサいだとか、パンチョ・イトーだとか。こういう事がアメリカのコラム(息抜きとしてのですね)に掲載される事がくすぐったくなる。なんだか私って、ボブファンなんだなあ。 |

フジモリ大統領とペルー 芝生 瑞和(シボウミツカズ) 河出書房新社 1991 2001
| 古本屋で珍しく購入したハードカバー。100円だったから、いつかは読まなきゃと積んどくしていた。それが1年くらい前。写真を提供している桃井和馬氏も、著者の芝生さんもどこかで見たことのある名前。ブラジルへ行ってから、移民の事を詳しく知りたくなった。ペルーについては、フジモリが大統領になった事と、最近のゲリラ活動くらいしか思い浮かばない。そして読んだ。フジモリの生い立ち、選挙戦での戦い、日系人との確執。ペルーがどのような歴史を辿り、今どうあるのか。 たまにはこういう本を読まねば、そう思いました。難しいけど、面白かった。 |
林芙美子 放浪記 偕成社 1929 2001
| 何日かかって読み終えたのだろうか?すっごく時間がかかった。推理小説なら、1日あれば楽勝なのに。70年も前だし、封建的な時代だと思っていたけど、今の時代と同じような感じを受けた。この頃を今の様に生きていた人もいたんだなあと変な感動を覚えた。このような赤裸々な日記が、受け入れられたというのなら、この時代って素敵だと思う。林芙美子が与えた衝撃は、多くの女性をすくったんじゃないかな。しかしよく職を変え、旅をする人だ。私も人の事を言えないが... |