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その6
アルゼンチンのバスターミナルから、イグアスへ行くバスはレトロなボンネットバス。黄色と水色のイカス配色。乗客はユースホステル大好き!というような旅好き若者でいっぱいになり、気分は夏場のリゾートにアバンチュールを求めにきた勘違いな人々の、一種独特の開放感に溢れていた。トリは「ぽるこのおかげで、こうしてこれた」とぽるこを誉め殺す。バスは地元の人も途中で乗せる。観光用のバスのようだが、地元の人の大事な足になっているようだ。白衣を着た、若い学生が乗り込んでくる。下車する場所は、広大な土地の中にあるお金持ちの住居区。大きな柵の中に御殿が建っている。立派な門には門番もいる。貧富の差は大きい。15分ほどたった所で、国立公園のゲートに差し掛かる。バスが停車すると、乗客は下車し、入場料を支払い戻ってくる。2人はブラジルの時のことがある(バスは2人を降ろして走り去ってしまった)ので、様子を伺う。若女子2人はどうもドイツ人らしいが、英語版のガイドブックを持っている。なので、スムーズにバスから降り、入場料を支払い、戻ってくる。英語ならガイドブックも多いですよね。日本語は無いんですよ、地球の歩き方しか。英語、英語、英語といわれますが、ブラジルじゃ使えないにしても、本が読めたらイイワよね。そこからは終点のイグアス入り口まで、ほんの少しの時間でついた。
霧雨なので、カッパを着る。ここでは思い切って、阪急ブレーブスのポンチョをかぶる。ビジターセンターは高尾の山頂の小屋と殆ど同じで、イグアスに住む動物や全体図などの写真が飾られている。トイレは1つしかないレストランのものを借りるが、レストラン中臭い。でも満席だ。アンデス地方の顔をした人が、手作り商品を売っている。チチカカなどで売っているものと同じだ。売り子の顔は険しく、ブラジルでは見ない顔だ。肌は黒いが、顔つきは東洋系だ。値札などないため、交渉するのが怖くて何も買わなかった。あんな怖い顔してたら、近づけないよ。みんな外から遠巻きにして見ていたもん。ブラジル側より観光地、という感じはある。ブラジル側は歩くところも少ないし。アルゼンチン側の方が10倍は掛ります。キツイ山登りのようだし。パラー川を挟んで、直線3キロが2時間掛るなんて、近いんだか遠いんだか。お腹は空いていなかったが、大きな木の下にスナック売り場があったのでハンバーガーと缶ジュースを購入。お店のおじいさんは、2人を無視。お兄さんがやってきて、値段を聞く。2個づつでなんと10ヘアル。一瞬、躊躇する。お兄さんは「マッテロ、マッテロ。ムコウデイマ、ツクッテイル」というゼスチャーを繰り返す。「ハンブルゲ」は四角く、肉は赤かった。トリに言ったら、アルゼンチンが嫌いになるだろう。カッパ姿が目立つので、みんなから離れたところでがぶつく。バスの同乗者達は、ジャングルツアーにいくらしく、ジープの荷台に乗せられている。トリが「やめてくれ」というので、今回は断念。勿論、川下りも駄目。トリは、危険がつきもののことは一切だめなのだ。
イグアスの立て看板地図はあるのだが、遊歩道コースが2つあるというのしかわからない。観光案内所でもらった地図も、よくわからない。まずは灯台に登る。なぜ人は高いところに登りたがるのだろうか? 中央の柱に巻きついている、人一人しか歩けない幅の、かなり急な螺旋階段を上る。人に優しくない設計だ。ブラジル側のホテル・ダス・カタラタスも見える。旅は若いうちだなあ。しかし、引退した老夫婦の姿が多いことに気付く。大変微笑ましい。1人で来ている白髪ばあさんもいる。ブラジル以上に、歩くのはキツイ。アップダウンが多くて、足元も滑りやすいので、年寄りが大丈夫か気になる。滝のすぐ脇や滝に入らないと通れない道もある。ついにはぶっ壊れて、滝ではしゃぎ回る180センチのアメリカ人。怖いです。トリは水がかかると病気になるような気がすると、避けて回るが無理な話である。アルゼンチン側の最大の魅力は、滝が落ちていく様を「滝の落下開始地点スレスレを横切って」見れることだ。しかも全長1キロは歩けるようになっている。迫力満点だけど、橋が流されないか心配である。橋-島-橋-島と交互に歩く感じなので、橋を渡るときは、流されやしないかと怖い。しかし土の上も怖い。橋は長くても30メートルくらい。増水時は全てが川となるだろうが。2人とも、made in japan に慣れすぎて、南米は信用出来ない。橋はコンクリを板状にしたものを渡してあるが、歩くと“カタッ、カタっ”と言うので、旅の思い出は多くなる。(怖い) 人1人が歩くので精一杯なのに、黄色のペンキでセンターラインが引かれている。そんなのいらん! 他の観光客は、かなりいいビデオカメラを持ち歩いている。親戚一同で来ている団体も。(みんな顔が似ている。) 日本人が、風景を写すのに必死なのに対し、人物を撮る人、いちゃつく老夫婦が多い。また、日本人は写真撮影ポイントがあると、お互い譲り合うのに、こちらではどかないし、気付かない。日本人ってみんな行動が似てるのかな? 途中、市原悦子も乗ったボート乗り場にさしかかる。乗りたい、がトリは乗らないというので我慢、我慢、我慢。(でもビデオみてたら本当に自分が乗ったような気がしてきて、帰国してから諦めがついたわ。) トリの船嫌いは昔からなのでしょうがない。また来たらモモちゃんと乗ろうっと。ちなみに30ドルです。天候によって、悪魔の喉笛には行けません。この日は波があり、乗っている人はかなり厳しかったと思います。コース半分までくると、森を感じることが出来る。太陽の光も、木々に遮られ、地面に照る光はやさしくなる。水と生い茂った草が、甘い香りを漂わせる。蝶々が舞い、手の平に休憩しに来る。(黄色のカッパは虫が寄ってくるか、心配でしたが大丈夫です。) それを見ていた、イギリスの少年風スタイルの短パンおじいさんもチャレンジする。連れは笑顔の素敵な、真っ白い上下(スカート)のおばあさん。靴も靴下も全身白。ふくらはぎにはかくせない年齢の青筋。ハネムーンのようだ。旅行に行く度に、リタイアした人をみると、仕事もしないでこんな贅沢をしていいんだろうか?と考えさせられ、自己嫌悪に陥る。(回復は早い)
終点のお土産やには、麻袋に入ったマテ茶や粉コーヒーが置いてある。但し、全て滝の水しぶきに濡れている。誰が買い、誰が飲むのか。(まさかお土産に?) スーパー勤務経験のトリは、こういう苦情がよくあり、あやまりに行く事日常茶飯事だったので、許せないようだ。(以前ふ菓子にカビが生えていて、岐阜の業者とお客さんの所に謝りにいったもんね。) 絵葉書はブラジルの倍の1へアルで売っていたが、いい写真が多い。「切手はいるか?」と店のおじさんに聞かれたが、押し売りだと思って「ナウン」といったら、そこにポストがあった。親切だったのね。ここはアルゼンチン・グアルニー(ちなみに先住民のこと)だか、殆どの商品はドルで記載されている。ヘアルでも大丈夫。1ドル=1ヘアルです。でもヘアルで払うと損なのよ。ドルは持ってたので、よかったわ。2時間ほどで入り口まで戻る。満足度100。最後に。右側コースは平坦だけど、左側コースはアップダウンがあるので要注意。次に向かったのはガイドブックで気になっていた、インテルナシオナル・フォス。イグアス国立公園に建つ、アルゼンチン側唯一のホテルだ。ホテルまでの長い道のりは芝が綺麗に刈り込まれ、湿気を感じさせない。全客室にはリゾートによくある優雅なテラスがある。ホテル・ダス・カタラタスより、滝までの距離はあるが、湿気が無いのには羨ましい限りだ。そこで「ねえ、この後パラグアイへ行ってもいい?」とぽるこは勇気を出して、トリに聞く。以外にあっさりと「いいよ。」 トリは体の具合が悪いんだけど、ここまで来たら出来るものなら鞭打ってでも頑張って欲しいが、強くも言えない。そう思っていたから、拍子抜けした。イグアスでの時間は限られており、回るとしても広範囲なので、効率よく行かないと全然観光できなくなる。今日は出だしに大きくつまずいたから、諦めていたんだけれど。「いいよ」といったら、何が何でも「やっぱり、やめた」とは言わせないぞ。ぽるこはいつもの調子を取り戻した。トリにはボートに乗らなかったことと、今日の出だしが遅れたことが負い目になっているようだ。40分後のバス出発まで、ビジターセンターで時間を潰す。日本の雑貨好きギャルに受けそうなTシャツが多く、目移りする。宝の山だ。質は悪いけど、ね。サンパウロにはなかった。しかも3枚10ドル。金額を確認しようと思うが、言葉が出てこない。指を立てたりしたり、指したり、店員を連れてきたり。いいお買い物をしたよ、ここで。イグアスからアルゼンチンへのバスは、早い早い。早く着けば、それだけパラグアイにいる時間が増えるから、怖くてもいい!
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