| 恋愛症候群 |
「も…、やだ…ぁ…ッ」
オシリスレッド寮に無理矢理増築された万丈目専用部屋・通称「万丈目ルーム」にどっしりと鎮座している広いベッドの上で、部屋の主である万丈目準は、霰もない恰好を強いられていた。
ベッドの周りには、万丈目の制服に混じって黄色いラーイエローの上着が、投げ捨てられている。
「俺はまだまだなんだ。すまないが諦めてくれ」
黄色い制服の主である三沢大地の声に、反省の色は全く見られなかった。
「ほら、腰が段々と落ちて来ているよ。俺としては、君の恥ずかしい部分が良く見えて嬉しいけれど」
三沢の体のに跨って万丈目は彼のものを懸命に奉仕し続けているけれど、彼は一向に満足してくれる気配がない。
「訴える暇があったら、俺のを愛してくれなくちゃ」
三沢は目の上で震えている万丈目の尻を優しく撫でると、左右に押し開いた。
「やあっ!」
開かれた秘部は、赤く潤んでひくついている。
「嫌じゃないだろう? 君のここは、俺を待っている様に開こうとしている…」
笑いを含んだ、三沢の声。
何て、意地の悪い男だろう。
恥ずかしくて逃れたくて、万丈目は目をギュッとつむった。
「君が気持ち悦くなれば、俺を気持ち悦くしてくれるのかな」
三沢は赤く潤んだ万丈目のそこに舌を寄せると、ゆっくりと舐め始めた。
「あ…あっ!」
生暖かくて柔らかな感触に、万丈目は体を震わせる。
窄まった舌が彼の中入り込むと、言葉では嫌だと訴えても体は快楽を欲して、三沢の顔に向けて無意識に腰を押しつけてしまう。
「ほら、気持ち悦いだろう?」
舌を抽挿され秘部に触れながら言葉を発せられると、吐息がそこに触れて更に感じ、我慢も徐々に限界を迎える。
「…さわ…、っく…」
万丈目の声が、涙声に変わりつつある。
「ああ、まだ足りないのか」
そう言うと、三沢は舌で綻んでいるそこに、勢いよく二本の指を突き入れた。
「った、ああっ!!」
突然の刺激に、万丈目がつむった瞳を見開く。
慣らされていたとはいえ、突然の挿入に体は痛みを訴える。
万丈目の瞳からは、パタパタと涙がこぼれ落ちている。
「…ふ、あ、ぁ…ッ」
力を失った体が、三沢の体の上に雪崩れ込む。
「痛かったかい? すぐに気持ち悦くしてあげるから許してくれ」
相変わらず、三沢の声に反省の色は見えない。
万丈目の中に入れた指を左右にグイッと開き、更に指を入れる。
「あ、あ、ンッ!」
最初は痛みを訴えていた万丈目だが、内壁を擦られているうちに段々と快楽の色が濃くなり、彼の前のものは透明な雫を流していた。
彼の感じる箇所を強く刺激されると、もう何も考えられなくなった。
気持ち悦くて、達したくて、自ら慰めようと手を添えようとしたが、三沢がそれを阻んだ。
「自分だけ気持ち悦くなろうなんて、狡いと思わないかい?」
どこまでも意地悪な男だ。
「こうしないと、君は言う事を聞いてくれないのかな」
三沢の指が、万丈目自身の根元を締め付ける。
「…っ!!」
余りの痛みに、万丈目の声が詰まる。
「俺を満足させたら、解いてあげるよ」
三沢の柔らかな声が、万丈目の思考を溶かす。
万丈目は拙いながらも懸命に三沢の熱を高めたが、それでも自分のものは解放してもらえなかった。
「もう、…や…ぁ」
彼の根元はまだ締め付けられ、ビクビクと震えていた。
達したくて、それしか考えられなくて、万丈目は激しく頭を振って訴える。
三沢が体勢を変え細い体を自分の下に組み敷くと、万丈目の顔は涙でぐちゃぐちゃになっていた。
辛さから閉じられた瞼の端からは、止めどもなく涙が溢れ出ている。
「君が余りにも強情だから、つい酷いことをしてしまったけれど…」
三沢は万丈目の唇に、そっとふれるだけのキスをした。
「もうしないから」
もう一度、今度は深く口づける。
ゆっくり開かれた瞼の下から現れた万丈目の瞳は、真っ赤になっていた。
「…お…まえ…んてっ……、き…」
その先の言葉は、三沢の唇に吸い込まれた。
今度は優しく、ゆっくりと、三沢は万丈目の中に入って行く。
「あ、あっ、あ、…ッ!」
万丈目は体を仰け反らせながら、三沢を受け入れる。彼が少し入っただけで達しそうになったけれど、三沢の指が射精を許してくれない。
三沢は彼の中に全てを収めると、彼に自身を馴染ませる様に腰を揺らし始めた。
グチュグチュと水音を響かせながら、それは万丈目の中で熱く動き回る。
感じる場所を大きいもので何度も刺激され、万丈目は気を違えた様に叫んだ。
「やあああっ、も、…たい、イきた…っ! ……、さ、わ…ぁっ!!」
その悲痛な訴えに三沢は顔を綻ばせ、万丈目の奥底へ向けて一気に貫いた。
それと同時に、万丈目の根元に絡めた指を離す。
「――――――――ッ!!」
万丈目は声にならない悲鳴をあげ、白濁を勢いよく散らせた。
ほぼ同時に、三沢も万丈目の最奥へ熱いものを叩きつける。
万丈目は陸に上がった魚の様に体をビクビクと痙攣させ、遠くへ意識を放った。
どのくらい眠っていたのだろう。
万丈目が重い瞼を開き頭を少し窓の方へ傾けると、カーテンの隙間から白み始めている空が見えた。
意識がない間に、体は三沢に清められた様だ。サラサラと肌にあたるパジャマの感触が、心地良い。
「…万丈目?」
先程とは違う、激しさのない穏和な声が、万丈目の名前を呼ぶ。
その声の方へ体を傾けようとしたけれど、どうにも動かす事ができなかった。
「無理しない方がいいよ」
誰のせいで、こんな事になっているんだ。
万丈目は隣の男に文句の一つも言おうとしたけれど、喉が痛くて上手く声が出ない。
最悪だ。
三沢は万丈目の体を、ゆっくりと自分の方へ向かせる。
「………で…」
万丈目はムッとした顔で、三沢を睨む。
それが今彼に出来る、怒りを訴える唯一の方法だった。
「悪かった」
三沢は万丈目の墨色の髪を梳きながら、真面目な声で素直に謝罪した。
「最近、課題づくしで、ゆっくりと会えなかったし」
二週間くらいのものだろうが。
万丈目は口を尖らせる。
「気が付いたら君は、十代と同室になっているし」
それも、ここ二週間くらいのものだろうが。
しかも今自分達がいる部屋を増築する為に、避難していただけだ。
「想像するだけで、気が変になりそうだった」
それって。
「頑張ってみたけれど、自分を押さえる事ができなかった」
嫉妬ってやつか?
「本当に、すまなかった」
本当に迷惑な愛情だ。
けれど。
そんな風に愛情をぶつけられて嬉しい自分が、ここにいる。
「…も、いい」
掠れた声で、万丈目は呟いた。
「許して、くれるかい?」
三沢は驚いたように、でもとても嬉しそうに、万丈目の顔を覗き込んだ。
先程までは津波にさらわれて、今度は小波にさらわれる。
三沢はまるで海の様な男だなと、万丈目は思った。
そんな彼に掴まってしまったのは自分なので、降参するしかない。
「……………」
万丈目は、こくりと頷いた。
「今日は休日だし、一日中、君の世話をするよ」
「あたり…前、だ。こき使って…やる」
休日なので、十代や翔が朝から襲来するかもしれない。否、絶対に来る。
でも体がだるくて動く事はできないし、三沢にイエロー寮まで運んでもらうにしても辛すぎる。
彼らに見つかった時の言い訳は、三沢に任せよう。
気分が落ち着いたら、万丈目に睡魔が襲って来た。
「眠いから…眠る」
万丈目は三沢の胸に、顔を埋めた。
「うん、おやすみ」
三沢は万丈目の髪にキスをすると、彼の体に負担が掛からないようにそっと抱きしめた。
万丈目は静かな波に揺られながら、眠りに落ちた。
明日香が万丈目ルームに居候しているか現時点でわからないのですが、いないという設定で書かせて頂きました。(05/11/03) |
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