シリンダーのボーリング(2002年10月)
TY250J用のシリンダーで使い込んだものでも、1オーバーサイズ(0.25mm)の新品ピストンが入手できればボーリング加工で再生できる。
このエンジンのシリンダーはおよそ15000km走行したと思われる程度なのでこのままでも充分使用できる。ピストンにも大きなキズもなくシリンダーにも特に大きなキズはありませんでした。エンジンはそこそこのトルクが出ます。
しかし、25年間使用したエンジンならボーリングで再生することが必要です。
写真のように2サイクルのシリンダー内部はポートが多く、偏摩耗しやすい構造です。上手に再生すれば、さらにエンジンが25年程度使用できる?計算もあり安いものです。

ボーリング加工は、シリンダー内面を0.1mm程度バイトで削ります。直径に直すと0.2mm削ったことになります。さらに残り0.05mm程度は、ホーニング加工(砥石をシリンダー内面で低速回転させ研削)で仕上げます。写真のように砥石の磨きあとがらせん状に残ります。このわずかな溝にオイルが付着してピストンとシリンダーの摩耗を防ぎます。


シリンダーを上から見たところ。
左側2個が掃気ポート、右端が排気ポートです。ホーニング加工のあとがシリンダー内面に見えます。
シリンダーを下から見たところ。
T型に見えるポートがキャブレターからの混合気が入るところ。左右に並ぶ小さな穴4固は掃気ポートです。


タンクのシール
タンクのシールはレストア再塗装時にがしてしまうので、きれいな塗装の仕上げにはシール類の入手が必要です。残念ながらメーカーに在庫がありません。
こんなときはパソコンとプリンターをお持ちの方は自作しましょう。

タンクキャップの付近の安全運転に関わるシールは印刷インクが劣化して一部文字が見え無くなっているのが普通です。作成のため消えている文字をメーカーのお客様相談室に問い合わせました。

 復元したシール


タンク両サイドにはヤマハのロゴシール「エンブレム」が左右にあります。こののシールの入手がタンク全塗装最大のポイントです。塗装はアルミ地に下塗り、白、黄の順に塗装しています。エンブレムシールを貼り、クリヤーを厚く塗っています。現在では耐ガソリンの「ウレタン」クリヤーを使用します。黒のラインは手間でもペイントでラインを書いた方が個性的な仕上がりに見えます。




タンク以外のシールは、マフラーカバーとサイドカバーに貼ってあるシールがあります。再塗装するときはがしてしまうのできれいなバイクほど貼って無いのが現状です。左右同じ物です。


シール周りの囲み線はカットしたときの姿です。


3台目のTY250Jのレストア開始
TY250は1978年頃まで発売されていました。
今回入手したのは、最終型のようです。なぜなら、フレームの塗装が良くない。他のパーツの経年劣化に比べフレーム金属表面の錆止め下処理、塗装等手抜きされて程度が悪いため雨に当たる部分はサビが目立つ状態です。
現在のバイクも最終型はコストダウンのため材質等がかなりランク下げになっています。

日本国内では、バイクの年間販売がピーク時380万台から80万台(2001年)に低下し、各メーカーとも生き残りにしのぎを削っています。そんな中、各メーカーが旧車パーツを少量ながら再生産しています。新車がだめなら旧車パーツを作る方向にやっと気が付いたようです。図面や金型、設備を持つのは工場や関連会社なので、やる気になれば簡単に製作できるのです。
また価格もかなり高額で販売できるので、製作側のメリットも高く、購入側も純正が入手できるので良い傾向です。1999年には在庫が無かった「Fスプロケットのロックナット」などは2002年には類似パーツとして供給されています。

レストアしていると各バイク共通の問題点が見えてきます。
1. 電気系統の左クランクケース
水分が入らないようにしっかり管理できていない。
ガスケットは安価なパーツなので、内部が傷むことを想像して年に1度はカバーを開けてみたい箇所です。中にはガスケットを入れていないことがあります。

2. 旧車の高圧洗車機はさける
特に電気系統に水圧と、洗剤に含まれているメッキを溶かす成分がかかると1週間程度放置しただけでエンジンがかからないほど傷みます。
高圧洗車した後は左側のクランクケースカバーを開けて点検してください。

3. 車体のオイル汚れは天然のカバー
意外なことにオイルが頑固にこびりついているようなエンジン周りはメッキ、塗装、金属表面が非常にきれいなことがあります。
旧車は適当に掃除した後、保存時グリースを塗って置くのもサビ対策の一つです。


3台目とは別にTY250Aタイプのエンジンのみ入手
2002年2月、ヤフーオークションでTY250Aタイプのエンジンのみを落札した。
出品者のメールで驚いた。私のホームページのレストアを見てTY250Jのレストアを始めた方の出品エンジンだった。
エンジン右側はTY250Jと同じように見えるが、クランクケースカバーがずんぐり大きい。 エンジン左側に「250」の文字が刻まれているのが特長です。このカバーの右の方は切り取られている。

このエンジンの特長はクランクケースカバーです。材質はアルミ合金で磨けばきれいに光ります。TY250Aタイプは1973年12月から販売が始まり、1975年3月まで販売が続きました。4月からはnewTY250Jにモデルチェンジして、エンジンではクランクケースの材質がマグネシュームに変更され、エンジン幅を狭くした。



TY250Jのトップに戻る

トップページに戻る