| エンジン出力低下のなぞ |
| それは突然やってきた。1998年秋、信号待ちで停止したときエンスト。それまでもエンスト後10〜15分エンジンが冷えれば再始動したが、今回はエンジンがかからない。近くのバイク屋さんに見てもらう。エアークリナーをはずしてエンジンは回転するが力がまったく出ない。 バイク屋さんの車でTY250Jともども自宅近くまで送ってもらった。残りの距離を自力で走行と思うが力なく、アイドリングを高くして2速でノロノロ帰宅するのがやっと。 不調のTY250Jは分解して、予備車を急いで組み立てた。 予備車のレストア済エンジンの交換部品 シリンダーボーリンングと新ピストン(1オーバーサイズ) 新クランクベアリング(左右) 新コンロッドとベアリング(大小) しばらくしてクラッチ、ポイント、コンデンサ 予備車のエンジンは低速トルクも強く、力強いがキャブレターの調子はあまり良くない。中速はまずまずだが、高速はほとんどノビない。アクセルをもどすと「カンカン」と音が出るが、とりあえずTY250Jで走れるようになった。(燃費は1リットル30kmから20kmに低下した。) |
エンジンをオーバーホール(組み立て直前) 拡大して見る(画像108KB) |
| キャブレター不調の原因を発見 |
| 不調TY250Jの原因を調査するためキャブレターを分解した。フロート室のガソリン入量調整弁をはずすと、ガソリンコックのパッキンが細かく割れた「クズ」がポロリとでてきた。3分の1個分が詰まっていたが、これが原因ではなかった。 知り合いのバイクショップで聞くが、原因不明のまま。後日、バイクショップで、4連キャブのオーバーホールを見た。古いパーツ(真鍮部品)は交換している。「これだけで調子はかなり良くなる。」「価格も安いパーツで」という説明をしてくれた。これがヒントになった。 もしかしたら……、TY250Jのキャブ内部には変なところにOリングがある。パーツリストのキャブレター図番3のOリング(内径4ミリ)。 |
| 内径4ミリの小さな「Oリング劣化」が引き起こす大きな影響 |
| 原因は上図の赤線から設定量を超えるガソリンがシリンダーに送り込まれていた。 (正常時は黒い線がガソリンの通り道) TY250Jのメインジェットは特殊構造のセパレート式になっている。 メインノズル接合点がO(オー)リングでシールしてある。 このシール部分にわずかでも隙間ができると(赤い線)ガソリンが設定より多くシリンダーに送り込まれ、チョークを引いた時のように濃いガソリンでエンジンは停止する。 原因を見つけるまで「混合比がとんでもなく濃い時」におこる現象と想像できたが、なぜ濃い混合比になるのか特定するまでに時間がかかってしまった。 不調時はエンジン温度が高いときエンストしやすく、エンジンが少し冷えるまで(10から15分)エンジンが掛からなかった。 イラストのフロート室チャンバーが、O(オー)リングの抵抗なく簡単にはずせるときは要注意。オーリング交換直後はオーリングの抵抗でなかなかはずれない。 このオーリングはホームセンターの水道用品コーナーにある4ミリの0−リングで代用できる。安価な部品交換で見違えるようなエンジンになります。 正しくセッティングしたキャブでエンジン始動がしやすくなった。 各ギヤーとも中速・高速まで力強く良く回るようになった。 急坂でも回転が安定している。 燃費が30kmにもどった。 アクセルオフ時のノッキング音のような「カンカン」が消えた。 |
| その他のトラブル |
| 走行中突然エンスト、この原因は 1999年7月末の暑い午後の出来事でした。走行中にイグニッションキーを切ったようにエンジンがストップした。調べてみるとダイナモからエンジン外部に出ている電気コードの1本が切れていた。 ダイナモから出ている電気コードの1本が点火プラグ用、もう1本は保安部品用6Vの2本がある。切断したのは点火プラグ用のほうで、これではエンジンが掛かるわけがない。 単純につないだだけでは点火プラグから火花が飛ばない。あとで解ったことだがコンデンサも壊れていた。おかげで10kmの距離、バイクを押して帰る事になった。 ポイント式のコンデンサは異常電圧(電気コードの切断)で壊れたらしい。TY250Jのポイント(コンタクトブレーカー)とコンデンサは純正部品が簡単に入手できた。ポイント・コンデンサ交換でエンジンの掛かりがきわめて良好になった。 クラッチのつながり時に「グッグッグッ」と音がする エンジンが冷えているときは「つながりスムーズ」でも、暖まるとクラッチのつながり時にぎくしゃくする(5速の低速走行)。オイルの粘度を換えるとかなり改善した。 これも原因が気になるので、新品クラッチを組み込むことにした。これでクラッチの違和感が解決した。 原因は金属製クラッチプレート表面のサビのようです。クラッチが密着したまま数年間エンジンを回さないと、コルク質材のスリット部分(幅1ミリ)の形に金属プレート表面がサビる。組み込む時きれいにサビを取ったつもりでも「エンジン温度が上がる」とスムーズさが無くなる。ノギスで計測する限りどのプレートも磨耗は見られなかった。クラッチ金属プレート表面のスムースさがとても重要です。 余談1 東南アジアに輸出している中古バイクには、古いポイント式のほうが高価取引される場合があるそうです。理由は現地で修理がしやすく安価にできるところにあるようです。 余談2 2サイクルエンジン特有のクランク室にガソリンがたまりすぎてエンジンが掛からなくなることがあります。キャブレターから何らかの理由でガソリンがクランク室にたまり、それがシリンダーに送られると、エンジンが掛からない。こんなときはキャブレターをはずして、たくさんの空気がシリンダーに入るようにします。 数回キックするうちにプルプルとエンジンが始動します。エンジンが吹き上がると同時に白い煙と多量の茶色になったオイルが出ます。くれぐれもオイルで周囲を汚さないように。キャブレターを元に戻し、普通にエンジンをかけるとほぼキック一発始動します。 |