1980年代なるとに電算写植機が登場しました

手動写植機はモニター画面を見ながら作業するようになりましたが、一度「印字」すると、印画紙に光で感光させる仕組みのためやり直しができませんでした。当然、現像した印画紙をもう一度機械にセットすることもできません。1文字の訂正も場合によっては最初からやり直しになることもありました。
そこで登場したのが電算写植です。CPUの力を借りる仕掛けは複雑で少々大がかりになりました。初期の電算写植編集機は操作が難しく、1人前の「電算オペレータ」を養成するのは多くの時間がかかりました。

写研の編集機「サザンナ」は、オペレータにもよりますが1台で1日30,000字の文字入力ができるプロ用専用機です。両手で操作するフルキーボードと呼ばれる独特の文字キーを使用しているので、熟練すると高い生産性がありました。作成したデータは8インチフロッピーデイスクに保存します。

作成したデータは写植出力機でロール印画紙にプリントします。初期の頃は印画紙プリントして初めて出来上がりが確認できたようです。思った通りになかなか仕上がらない時代だったそうです。
1990年ころの「サザンナ」の編集機能は表組や文字を罫で囲んだりはできたものの、一度組み上がった文字ブロックを自由に移動する事はできませんでした。つまりレイアウトの途中変更はやり直になりました。

写研電算写植編集機「サザンナ」
(1990年写研カタログより)

ミニ情報

編集機「サザンナ」は、グリーンモニターに文字表示します。インターネットでおなじみの「HTML」のようにテキストを入力しながら、テキストの間に「ファンクション」を専用キーで埋め込み、入力・編集します。その様子はまるでパソコンのプログラムを作成しているような感じです。組上がり状態も表示できます。
「ファンクション」を付加する作業はコーディングと呼ばれました。データ確認用にプリンタが使用出来ました。モニター画面に表示できる書体は明朝体とゴシック体の2種類です。その他の書体はモニター画面上では確認できませんが、書体テーブル指定で出力機にある全書体が使用できます。


写研の文字データ制御とテキスト入力

文字やファンクションを調べるとデータは一つの文字・命令は2バイトが基本ですが、外字の一部は2バイトを3から5個組み合わせて表現していることがあります。コンバータでMS-DOSテキストに変換すると「DATA」として扱われる文字がそれです。
例として、写研TEXTの先頭には16進で「2000」で始まります。TEXTの最後はかならず「3000」が付加され、この「3000」がTEXTの最後にないとモニター画面にテキスト表示ができません。本文中の改行は「1000」です。

データサンプル TEXT(16進表示)
2000 200D 1361 156E 200E 2031 200D 2756
先頭  F始  記  事  F終  1  F始  P
20 0E 2039 2039 200D 1875 200E 2031 16 68
F終  9   9  F始  文  F終  1
2223 2224 175B 175C 164F 1654 1655 164D
274D 1000 175D 175E 2451 2456 245B 2446
244B 0245 184E 184F 1000 1000 1000  3000
              改行(段落)    記事終


テキストデータをダンプすると、先頭には「2000」が必ずつきます。「200D」は電算写植のファンクション「F始」。「1361 156E」は文字コード「記事」。「200E」は「F終」ここまではTEXTデータの先頭に自動的に付加されます。サイバートのテキスト画面には記事番号001が表示されています。記事番号の次にパターン組の制御番号99が白抜き文字で表示されます。次に最初の文字列(記事)の書体、級数、変形など管理する「文1」が表示されます。この後にテキスト本文が続きます。
「P99文1」等のファンクションは入力ペンで簡単入力できます。

テキスト表示画面は
001 P99文1テキスト
   文2テキスト
   文3テキスト
   ・・・・
002

のような記事データが表示されます。

サイバートの強力機能はテキストエリアに文字を流し込むさい「P」1〜99種類の制御をペンタッチするだけで(設定してある体裁で書体、級数、変形等)自動的に文字組ができるところです。100ブロックくらいは短時間の作業です。
「P99文1」「文2」等のファンクションはワープロデータに「★99」などを文字データの各ブロックの先頭に追加しておくことにより自作変換ソフトが自動的に変換してしまうので負担がありませんでした。

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