T集 U集 V集 W集 ジャケット写真集 トップ 

コンサーティーナのCD − その4です

00/09/30(Revised)

ようやく入手した John Kirkpatrick のソロアルバムに加え、今年の上半期に入手した名盤の数々そろえました。
今回取り上げるNomosのAnglo奏者Niall Vallelyのソロ名義アルバムは私のオールタイムベスト5に入る名盤です。 その他、William Kimber、Dave Townsendなど5つ星級のアルバムが目白押しです。

旧サイトではこちらのページで扱っていた雑誌・通販の紹介はこちら(予定中)をご覧ください。
Beyond Words / Niall Vallely : BEYCD001超特選です!!

★★★★★+
ついに出ました!NomosのAnglo奏者Niall Vallely のソロ名義アルバムです。Nomosではチームプレイに徹して いましたが、このアルバムでは驚愕のテクニック全開です。
アイリッシュ系では、異なる2、3のボタンを すばやく交互に押すことで 三連符や装飾音を出すことが多いのですが、これはそれほど難しい技術ではないらしく多くのプレイヤーが このテクニックを使っています。
しかしNiall Vallelyの演奏は同音の三連符、それも続けざまに連発してメロディーを作っています。 まさか指先にモーターが入っているんではないでしょうが、実際に自分の目で見るまではどんな方法で演奏しているのか全く解らないです。
もちろん、実力を見せびらかすための音楽ではなくテクニックを生かして素晴らしい音楽を作っています。
アイリッシュコンサーティーナのファンだけではなく、総ての音楽ファンに聞いていただきたい名盤だと思います。
彼の自主レーベルのため海外通販では殆ど手に入りませんが、日本ではミュージックプラントがディストリビュートしているため比較的良く 目にします。ミュージックプラントのWEBSITEで直接購入もできます。

ABSOLUTELY CLASSIC 'The Music of William Kimber' / Vaughan Williams Memorial Library EFDSSCD03

★★★★★
ついに出ました!イングランドの伝説的アングロ・コンサーティナ奏者William Kimberの音楽と画像を楽しめるCDです。
解説によれば、セシル・シャープ(イングランドのフォーク音楽が消えそうになったときに存続させようと 努力した人です)がWilliam Kimber に出会ってから100年目を記念して作られたCDだとか。
演奏とインタビューが交互に収録されているため、音楽主体に楽しみたい人にはスキップボタンは必須です。 ハイブリッドCDで生前の動画6本、45枚の写真、肖像画などが電子化されています。中でも動画が特にすばらしく、音声付きで手元がハッキリと写っているラジオの収録場面と思われる物、モリスダンスの伴奏をつけている場面などがあります。 また64ページの伝記には写真が満載されています。 EFDSSのサイトで詳細が解ります。って手抜きですね。
最近でたPeter Bellamyの3枚組(これもなかなかの物です)や、このWilliam Kimberなど イギリスではハイブリッドCDが流行っているのでしょうか。



Bridges / Frank Edgley : BRI98

★★★★★
カナダ在住のコンサーティナ修理では有名なFrank Edgley が作ったアイリッシュ・コンサーティーナのアルバムです。 スコットランド、アイルランドのインスト曲でギター、フィドル、バウロン(それぞれ持ち替えあり)との4人編成で作ったアルバムです。 Eldelyで大した期待もせずに適当に買ったのですが、聞いてビックリ、新世代の演奏にも負けない速さと滑らかさを兼ね備えた演奏です。新世代のプレイヤーのように奇抜な装飾音、切れ目のないスタッカートの連打などは有りませんがそれぞれの音を大切にしている熱い演奏です。 共演者が皆若いためか、アイリッシュ的ではない雰囲気もありとにかく素晴らしいノリです。 経歴など解説からでは解らないため、彼のサイトを訪れてみてビックリ、 私はあまり好きではないですが、キャロラン曲(コンサーティーナのキャロランではベストかも)などもあります。 また彼はスモールパイプを演奏するため、一部スモールパイプの演奏もはります。全曲コンサーティーナの次回作が待たれます。 アイリッシュの愛好者に強力御勧めですが、プライベート盤なので彼のWEB 、Elderly以外では入手は難しいかも。 全曲コンサーティナ入りではないのですが、コンサーティーナビルダー自らの録音(CD時代では始めて) ですから当然5つ星です。

One Man & His Box / John Kirkpatrick : MCW CD4024

★★★★
John Kirk盤は毎回紹介していますが、今回紹介するアルバムは彼にとっても 、特別の物のようです。
本人が解説中で語るところによると、このアルバムはライブでソロ演奏したと 仮定して、そのままを忠実に再現したアルバムで、オーバーダビングも 共演者も一切なしの蛇腹プラス歌を収録したものだそうです。
中でも珍しいのは"The Bell"という曲です。J Kirkの説明をそのまま引用すると 1900年頃のプロのコンサーティナ弾きたちが発見した Anglo Concertinaの回転奏法、−ドップラー効果によって教会のベルにように 聞こえるのだそうですが− 腕を伸ばしてくるくる回す奏法で鐘の音を真似た曲です。

全曲がAnglo Concertina入りではないためため ★★★★ にしましたが、内容的には 最高です。すべてのコンサーテーィナ愛好者にお勧めします。

Judy's Heaven : JH101
Garden of Butterflies / Judy's Heaven : ANIAR ANR104


★★★
ちょっと前に来日して一部で話題になったJudys Heavnの1枚目(日本のみ発売らしい)と 2枚目です。
アメリカのアイリッシュの好きな普通の人たち (地域の楽器ワークショップの講師などしている方たちです) の演奏を聞くことができます。
メンバーはAnglo Concertinaとフルートを持ちかえるJack Gilderの他、 フィドル、ギター(ブズーキ)です。 内容は、リーダーと思われるフィドルを核としてセッション風に アイリッシュの伝統曲を演奏したものです。
concertinaのスタイルは普通のアイリッシュ風で、あまり特徴は ありませんが、教則本などに出ている装飾テクニックを奇麗に決めてくれます。
私の様な concertina 好きにとってあまり面白味の無いフルートの曲や 新鮮味のないキャロラン、果てしなく続くフィドルなど、 スキップボタンを頻繁に押させる盤である反面、バンジョーとスリリングに絡むconcertinaなど、 乗りの良い名演奏が含まれた盤でもあります。
どちらの盤も派手では無いものの、リズムがしっかりしていますので、 セッションの練習相手をしてもらうのも良いでしょう。
どちらか1枚というと内容的にも入手しやすさでも、2枚めのGarden of Butterfliesでしょうか。

★★★

Lonely Stranded band : Clo Iar-Chonnachta CICD116

★★★★★
このバンドは、故Micho Russelの主催する金曜夜のセッションに向かう 3人のミュージシャン、Anglo ConcertinaのMiriam Collins、 ボタンアコーディオン(彼はDe Danannの初期アルバムでバンジョーと1列メロディオンで参加)、 ブズキ&ギターが濃霧で立ち往生したため、その場で結成したと解説に書かれて います。
アイルランド北クレア地方の伝統的なアイリッシュ曲集ですが、 Anglo Concertinaとボタンアコーディオンが共にメロディー担当というバンドは 珍しいです。
その理由としては、どちらも音域の近いフリーリード楽器であることと、 ボタンアコーディオンで好まれる音色の傾向がいわゆるアコーディオンらしい音 (シャラシャラとシュワシュワとかいう音色) からコンサーティーナに近い音色に変ってきているため 両者の音色も似通っていること、などが考えられます。

演奏のスタイルは、超絶技巧でもなく、マシンガンのような スピードでもない、ごく普通なものです。 普通で退屈かというとそうではなく、以前紹介した Mary MaCnamaraの演奏に通じる、 ほのぼのとした暖かいもの、気負わずに普通であることの素晴らしさが感じられます。
ごく普通の現地ミュージシャンは、日常的にこんなセッションをしていると思うと うらやましいです。

このメンバーは一時的なものではなく正式なバンドとして活動しているとの追加情報がありました。USツアーを行ったとかで、 UKでもツアーが待たれるとのことです。(00/09/30)

Bagpuss - The Song & Music / (Sandra Kerr & John Faulkner) : SMALL FOLK SMF1

★★★★
English ConcertinaのSandra Kerrは、SCALENEではNancy Kerrのバックアップ に回っていたため、 Concertina好きをうならせるような演奏は聞けませんでした。
この盤ではキャラクター物の子供番組(セサミストリートのようなものか)の 声優として、Kerrと弦楽器のJohn Faulknerが出演していたために企画された 物のようで、ミュージシャン名の前後に括弧がついています。
SCALENEではバックアップに徹していたSandra Kerrですが、ここではEnglish Concertina全開です。Concertina一本で伴奏、間奏と繋いでいくイングランド の伝統のスタイルが楽しめます。
なお、4曲目の"The Laird of Drumblair"は Noel HillがIrish Concertinaでやっている曲です。ここでは比較的アクセントを つけて、English Concertina風でない演奏をしているようで、Anglo風ではない 流れるようなNoel Hillとは対照的で面白いです。

残念ながら全曲でConcertinaが聞けるのではないのですが、Sandra Kerrの Concertina目当てにKerrファミリーの1枚を買うのでしたら、 この盤が一押しかもしれません。
このレビューの目的とは離れますが、二人の歌も実に良いです。 子供専用というわけではなく大人が聞いても、フォークソング集として十分 な歌と演奏で、Mike SeegerがRounderで出している子供の フォークソング集やクリスマスソング集に通じる真面目だけど楽しい雰囲気があります。


T集 U集 V集 W集 ジャケット写真集 トップ 
since 00/03/01
   
トップページにもどる