糖尿病とは

 ここでは、糖尿病のしくみや症状について説明しますが、あくまで個人的な経験や知識に基づくもので、医学的な正確さは必ずしも保証できませんので、その点はお含み置きをお願いします。

 さて、糖尿病は、膵臓のランゲルハンス島と呼ばれるところの一部(ベータ細胞)に機能障害が生じることで発症します。膵臓とは、よく胃の後ろ側に書かれている、小さくて長細いデコボコの臓器です。マラソンなどで脇腹が痛くなりますが、これが膵臓だと聞いた覚えがあります。ここのランゲルハンス島にあるベータ細胞は、人間の体で唯一、血液中の糖分を処理するホルモンを分泌します。このホルモンが、インスリン(insulin)と呼ばれるものです。これが分泌されなかった場合、血液中の糖分は体内に吸収されないことになります。

 インスリンの機能をさらに詳しく説明しますと、血液中の糖分を体内に吸収できる形に変えるほか、必要以上の糖分がある場合には、それを脂肪として維持するという役割ももっているそうです。この機能は、間接的にではありますが、糖尿病に大きな関係をもっています。

 インスリン不足から血液中の糖分を処理できなくなってくると、当然血液中の糖濃度は高くなってきます。また、こうして体内に蓄積してきた糖分は、不純物として排泄されていくことになります。そうすると、この糖分は尿として体から出てくることになるわけです。この糖が尿に出ることという現象を捉えて、糖尿病という名称がつけられているわけですが、この疾病の本質はむしろここより他にあるというべきでしょう。

 糖尿病の発症過程には、大きく二通りのものがあるようです。一つは、老化などの原因によって徐々に膵臓からのインスリン分泌量が減少し、その結果として体内に摂取した糖分を処理しきれなくなって、尿に下りてくるというものです。このタイプの糖尿病は、一般にII型糖尿病と呼ばれています。このタイプの発症は、中年期以降の太り気味の人に多く見られます。というのも、年齢とともに内臓機能が衰えてくるのみならず、太り気味の人は脂肪の維持のためにインスリンを回すことになるので、結果として糖分処理のためのインスリンが枯渇してしまうからです。

 もう一つの発症形態は、若者に多く見られます。これは、少年期にウィルス性の病気にかかったときに、そのウィルスに膵臓・ランゲルハンス島のベータ細胞が破壊されたりすることによって起こります。II型糖尿病のように膵臓が弱ってしまうのではなく、膵臓のインスリン分泌機能そのものが奪われてしまうのです。このタイプの糖尿病は、I型糖尿病ないし若年型糖尿病と呼ばれます。

 周知のように、この糖尿病は遺伝病です。発症者の血縁者を見ると、多くの場合I型ないしII型の糖尿病を持っている人、またはその疑いのある人が見つかります。しかしながら、糖尿病は、その体質を受け継いでいれば必ず発症するという性質のものではありません。上に述べたような条件がそろって引き金が引かれない限り、糖尿病体質をもっている人でも、一生それを潜在させたまま健康に過ごすことができます。つまり、ウィルスなどの外因によるのでない限り、肥満などを避けて健康に心掛けていれば、糖尿病体質はまったく問題のないものなのです。

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