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さて、糖尿病の発症例として、僭越ながら私のケースをあげたいと思います。というより、自分の発症例が一番手っ取り早いわけでして、決して典型例とかいうわけではないのですが・・・。 あれは、高校2年生の3学期、翌日から期末テストという、あまり気分の浮かない日だったと思います。その日は、3学期のテスト前ということもあって、授業らしい授業はほとんどなく、テスト前の自習ないし質問受け付けといった時間割が続いていました。普段からあまり成績優秀でなかった私は、自習といっても別段何をするでもなく、また質問するといってもどこが分からないかも判断できず、漫然と時間を過ごしていました。しかし、どうも気分が集中せず、そのうちだんだんと気分が悪くなってきました。最初はどうってことはないだろうと思っていたのですが、気分は一向に回復することなく、テンションは右下がりの一方をたどっていました。 そして昼前だったでしょうか、昼過ぎだったでしょうか、その辺は定かではないのですが、「どうせ自習とかばっかりなんだから、とりあえず今日は早退して、明日からの試験に備えよう!」というアイディアが頭を占めたのでした。思えば、私がそのような考え方で頭を占められるということ自体、結構絶不調であることの兆候だったのでしょうが・・・。ともかく、先生に事情を説明した上で、その日は早退することにしたのでした。 さて、早退して学校を出たはよいのですが、私立高校に遠距離通学していた私は、家まで何とかしてもどらなければなりません。かくして、苦しみの旅が始まりました。気分は時間が経つにつれて、どんどん悪くなっていきます。まずは、市内電車に揺られること30分、JRの駅までたどりつきます。その段階で、気分の悪さは胸のむかつきに変わっていました。これはいかんと駅のトイレに駆け込むと、耐え切れずもどしてしまいました。 とりあえずむかつきはおさまりましたが、続いてJRで40分ほど帰らなければなりません。喉が渇いた私は、とりあえず缶ジュースを飲み、JRに乗ったのでした。またまた、気分の悪い長旅です。正直なところ、気分が悪いのに、電車とかの固い椅子でじっとしなければならないのは、相当の苦痛です。しかし、帰らなければ何ともならないので、とりあえずの辛抱です。 やっとJRを降りましたが、そのときには気分は再び最低レベルまで落ち込んでいました。再度駅のトイレに行き、嘔吐。駅からはさらにバスで15分程揺られなければなりませんが、もはや限界とばかり、そのまま急ぎタクシーに乗り込むのでした。 家に戻り、親に事情を説明すると、その足で今度は病院へと向かいました。夕方の病院で検査、そして点滴。お医者さんの説明では、血糖値が高く、尿検査の結果と照らし合わせても、糖尿病の可能性が高いとのことでした。それを聞いた時の気持ちですが、正直なところ、別段何の驚きもショックもありませんでした。図太いのか鈍いのか、「ふーん」と思った程度で、大して衝撃は走りませんでした。より大きなショックは、その後に訪れます・・・。 「・・・というわけで、とりあえず今日から入院した方がいいですね。」先生の言葉に、私は慌てました。明日からは、3学期の期末試験。現在の自分の成績を思い起こしてみると、これを受けないと赤点となる可能性があったのです。3学期ですから、あとで挽回というオプションはありません。「何とかなりませんかねぇ。いやぁ、実は・・・」と先生に事情を話すと、「うーーん」と一緒に考え込んでくれます。しかし、話すうち、先生が私の高校のOBであることが分かり、「大丈夫、何とかなるよ。」という楽観的な結果の下、そのまま入院することに相成ったのでした。 結局、赤点問題は何とか解決したようで、私は安息の(?)入院生活に入りました。が、時は学年末ですから、机やロッカーの荷物も引き上げなければなりません。しかし、入院中の身で、一体何ができるでしょう・・・。この問題も、意外な解決を迎えたのでした。というのも、学校で隣の席だった同級生が、入院先の病院の院長先生のご子息だったりして、彼が全部の荷物を病院まで持って来てくれたのです。うちの高校は、地元の病院では犬も歩けばなんとやらと聞いていましたが、まさかここまでいろいろ縁が繋がるとは・・・。 いろいろありましたが、こうして私と糖尿病との付き合いは始まったのでした。この付き合いは、男女の関係ではありませんが、ある日突然に訪れます。もっとも、ある程度の予兆はあるのですが・・・。私の場合、喉の渇きとかといった諸症状の他、体重も75キロから63キロまで減っていたのですが、「年頃だから痩せたんだろう」ということで意識されぬまま、発症に至ってしまいました。いずれにしても、体質的に糖尿病の性質を持っている人は、健康管理に注意して生活するに越したことはないと思います。もっとも、気にしすぎて心気症になっても困りますが・・・。 |
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