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自分の感情をコントロールできずに、すぐに怒り出してしまう。(小4)

Q. 小学四年生の息子のことで、ご相談です。ちょっとしたことで怒り出すことが多く、お友だちとのトラブルが絶えません。
 先日も、掃除の仕方をお友だちにちょっと注意されたところ、急に怒り出し、机を投げて、お友だちに当たってしまいました。さいわい軽い打撲で済みましたが、当たり所が悪かったら…と、ゾッとしてしまいました。家で、それがどんなに危険なことなのか、よく言って聞かせましたが、ちゃんとした答えが返ってこないので、「そんなことも、分からないのなら、学校へなんか行かなくていい!」と、つい、どなってしまいました。そうしたら、「どうせ、ボクなんか、悪い子だ! ガマンしようと思っても、いつもガマンできなくなる!」と、泣き出したのです。ふだん、あまり涙を見せない子なので、ちょっと強く言いすぎたかなと反省しましたが。

 それ以来、登校を渋るようになってきました。今まで、学校へは元気に行っていたので、心配です。かといって、「やってはいけないことは、やってはダメ」と言わざるをえなくて…。なんだか、どう接したらよいか、分からなくなってきてしまいました。ぜひ、アドバイスをお聞かせ下さい。

A. 他人のちょっとした指摘で腹を立てる人というのは、自己肯定感の弱い人です。つまり、「自分は、自分でいいのだ」という自信がないのです。ふだんの自分自身の対し、「ボクってダメな奴だ」という気持ちが強いので、ちょっとした他人の言葉が、それが大した非難でなはくても、「おまえはダメな奴だ!」というふうに聞こえてしまうのです。その腹立ちは、他人に向けられているようですが、半分以上は、ふがいない自分自身に向けられた苛立ちなのです。したがって、自分自身に対して自信がもてるようになってくると、だんだん、他人の指摘を素直に受け入れ、やたらに腹を立てることも少なくなってくるものです。このメカニズムは、子どもも大人も共通ですね。

 このお子さんの場合、医療機関でADHD(注意欠陥多動性障害)という診断を受けたことがあるそうです。お医者さんからのアドバイスもあり、学校では、「本人の良いところを見つけて伸ばす」「自信をつけるようにしていく」という方針で、先生にも、ずいぶん配慮をしていただいているそうです。しかし、「本人がこんな調子では、いくら気を使ってもらっても…」と、お母さんは悩まれているそうです。
 こういったお子さんの場合、「自信をつけさせていく」ということの他に、さらに二点のことに気をつけて付き合っていくとよいでしょう。

 第一は、「ちょっとしたことで、腹を立ててはいけない」といった事の善悪は、頭では、実はよく分かっているという点です。ところが、「気持ち」の方は、なかなか言うことを聞いてくれない。それで本人も困っているのです。「理性」と「感情」の戦いで、いつも「感情」の方が勝ってしまうものですから、「理性」の方は、やる気と自信を失ってくるのです。やがて「理性」はヘソを曲げ、「どうせ、悪い子にしかなれないんだったら、本当に悪い子になってやる!」とヤケになってしまうのです。でも、ホンネの叫びは、「ボクは、本当はオリコウになりたいんだよう!誰か、ボクを助けて!」なのです。
 したがって、子どもの「理性」と手を結び、ともすれば戦意を喪失しがちな「理性」を励まし、一緒になって、「感情」と戦っていくという構えはとても大切です。周囲の大人の、そういった励ましの中でこそ、子どもはやる気を取り戻し、「感情の自己コントロール」に、少しずつチャレンジしてくれるようになるのです。

 第二は、子どもが泣き言を言うようになったり、学校での嫌な出来事を訴えたりすることは、悪いことではない、ということです。気持ちの自己コントロールで苦労しているお子さんは、嫌なことがあっても、あまり訴えない傾向があります。もともと緊張しやすかったり、怖がり屋だったりしますが、そのわりには平気なフリをして、「つらい気持ち」を抱え込んでしまい、それが慢性的なストレスになってしまうのです。
 こういったお子さんが、つらさを訴えるようになったり、グチをこぼすようになったりするということは、パンパンに張った気持ちの、ガス抜きのような作用を果たしますので、むしろイライラが減り、良い効果を及ぼします。だから、お子さんが「泣き虫さん」になってきたのは、むしろチャンス。グチを聞いてあげるだけでも、「気持ちのコントロール」は、グンと進みやすくなるのです。

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