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(2)一人で始めた場合の落とし穴
以前、このホームページでは、「慰めの抱っこ」の具体的な進め方を、かなり詳しく紹介していました。しかし、その後、掲載を中止したのは、初めての方が一人で「慰めの抱っこ」に取り組んだ場合、以下のような事態が起きてしまったからです。
▲SOSサイクルに強いブレーキがかかっている子どもは、最初、拒否や怒りが強いので、慣れていないと、その奥にある「苦しい気持ち」がとても想像できず、結局、後味の悪い中断に追い込まれてしまうことがある。
▲初めの段階では、溜め込んだマイナス感情が急激に表出されるため、受け止めきれなくなってしまうことがある。
▲苦しい気持ちをたくさんかかえたお母さんが、肩に力を入れて取り組むと、お母さんの方のストレスが大きくなりすぎ、かえって親子関係の悪循環を招くことがある。
そこで、「慰めの抱っこ」の具体的な進め方は掲載せず、最初は、抱っこ法の援助者のもとを訪ね、実際に手ほどき(個別セッション)を受けながら始めることを、お勧めすることにしました。
※もちろん、中には、「独学で始めたけど、うまくいき、親子関係がラクになってきた」という方もいらっしゃいます。しかし一方で、「一人で始めたら、よけいに苦しい親子関係になってしまった」という方がいらっしゃったのも事実です。不特定多数の目に留まるというホームページの性質上、「少しでも懸念のある情報は掲載したくない」という苦渋の選択です。ご理解下さい。
(3)援助者の助けを借りながら
親子関係がなかなか進んでいかず、子育ての悩みが長引く中で、多くの親は自信を失ってきます。しかし、親が本来もっている力を発揮し始めると、「専門家」でもとてもかなわないような「親の底力」に驚かされます。発達の土台となる親子関係を進めていく上で、一番の実力者は親なのだと、思わずにはいられません。すべての親には、そういった「力」が備わっているのです。「指導者」と呼ぶのではなく、「援助者」と呼ぶのは、そういう意味があるのです。子どもを導く真の力をもっているのは親なのです。
とはいえ、「慰めの抱っこ」を通して、「親の底力」を確信していただくためには、独特の知識やコツが必要です。『心を抱きしめると子育てが変わる』の第6章「援助を受けて、子育てのピンチを脱出する」は、私が援助した個別セッションの実例です(本では、「気持ちのやりとり」を中心に記述したので、慰めの抱っこの実際的なやりとりは省かれていますが)。
援助者のもとを訪れて「個別セッション」を受けながら、「慰めの抱っこ」を始めた場合のメリットは、
▲「慰めの抱っこ」の初期段階に表れる強烈な拒否・怒りに対しての、適切な対応のしかたを、実地で学ぶことができます。
▲溜め込んだマイナス感情が急激に表出されたときの、安全な受け止め方や抱き方のコツを、実技を通して体得することができます。
▲心の奥底にしまい込まれている「ショックな体験」があった場合も、経験者にリードしてもらいながら、アプローチしていくことができます。
▲お母さんが抱えているイライラや心配に対しても、援助者が共感的に支えていくので、お母さん自身に気力が湧いてきます。
ただ、現状では、個別セッションをなかなか受けにくい状況があるのも事実です。
▲全国的に見ても、抱っこ法の援助者の絶対数は不足しています。残念ながら、援助者が在住していない県もあります。
▲個別セッションをオープンで受け付けている援助者の多くは、プロとして開業している人たち(私もそうですが)ですので、当然、お金がかかります。あちこち見て回ったお母さんの話によると、民間の機関のなかでは、良心的な料金なのだとか。しかし、マンツーマンで1時間半から2時間近くかかる方法なので、それ相応のねだんになってしまいます。本当は、こういった民間の子育て支援事業を利用する場合にも、公的な援助が下りるような社会になればいいのですが・・・。(なお、抱っこ法協会は、研究・普及が目的の団体なので、協会としての統一料金はありません。各援助者が各自の判断で料金設定をしています。)
援助者の中には、開業しておらず(例えば、教師、言語指導員など)、担当する親子にのみ、職種の範囲内でセッションをしているという人もいます。そういう人は外部からの援助要請は受けていない場合がほとんどです(一部に例外はあるようですが)。
※様々な事情から、「個別セッション」を受けられない方もいらっしゃると思います。しかし、「3.親子関係が進みにくい場合、どうすればよいか」の「(1)まずは2ヵ月間、やってみるとよいこと」でご紹介した日常的な接し方の工夫(日常的な子育て法としての抱っこ法)だけでも、取り組むと取り組まないとでは、長い目で見ると、大きな違いが出てくるものです。あきらめずに取り組みを継続していってくださいね。
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