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(6) 泣き虫さんのココロは?
「ほら、ほら、オリコウサンは、泣かないの!」
わが子が泣き出すと、ママはこう言って、泣きやませにかかりますね。もちろん、わが子が笑顔でいてくれるのに越したことはありません。しかし近年、子どもが泣くことには、成長にとって大きな意味があることが分かってきたのです。
カウンセリングの世界では、「感情解放」が、心の痛手を癒すのに大きな効果があることは、以前から知られていました。泣くという行為は、心のキズを自己修復するための自然治癒力が働いている証拠なのです。したがって、子どもが泣き出した時は、無理に泣きやませたり、気持ちをそらしたりせずに、心ゆくまで泣いてもらった方が、かえってその後、気持ちがスッキリして、元気の回復も早くなるのです。
「泣き虫さん」は、もともと繊細な心をもった子ども。それだけに、人一倍泣いて、心の元気を取り戻す必要があるのですね。ママは、「悲しいね」「コワイね」「寂しいね」と、ただただ、その気持ちに共感してあげるだけでいい。こんな優しい言葉で慰められると、ますます泣き声が大きくなったりしますが、それは、癒しのメカニズムがますます盛んに働くからなのです。
それにまつわる話を2つ。
幼稚園に入園したばかりのN君。ママとのバイバイに、振り向きもせずお部屋の中へ。ホッとしたのも束の間、園では、先生の言うことを無視したり、お友だちをひっかいたりと、さんざんらしいのです。そんなN君が、ママとの別れ際にぐずれるようになると、あっという間に、園でお兄さんぶりを発揮してくれるようになりました。我慢していた「ママとの別れのつらさ」が、泣いてママに慰められることによって癒され、本来のN君の姿に戻ったのですね。
Sちゃんは、赤ちゃんの時から、泣いたりぐずったりが多く、ママはヘトヘト。でも、少し元気が出てきたので、「今日は、Sちゃんの泣きに、とことん付き合ってあげよう」と決意しました。パパの応援も得ることができたので、「1時間でも、2時間でも、付き合ってあげるよ」という気持ちに。でも、付き合っているうちに、なんだかママの方も涙がポロポロ。日頃、「この子のために!」と我慢していたつらさが出てきてしまったみたいです。その日は、親子で一緒に泣いて、泣き寝入り。
ところが、その日を境に、Sちゃんの泣き方が変わったのです。今までは、ギャーッという感じの苦しい泣き方でしたが、フェ〜ン、フェ〜ン、という感じの甘えたような泣き方へ。それとともに、ある程度泣いてしまうと、満足するのか、長泣きではなくなったのです。
ママだって同じ。「泣き言なんか言わずに、子育てしろ!」と言われるより、「泣き言言いながら、やっていこうよ」と受けとめてもらった方が、どれだけ元気が出てくることか! 大人も子どもも同じなのですね。
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