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(8) 良い加減
子育ての苦しさの根っこを探っていくと、「親としての責任感に押しつぶされそうな、息苦しさ」に出会うことが多いようです。もっと肩の力を抜いて、いい意味で「無責任な子育て」ができれば、子育てが楽しめるのですがね。事件になってしまう「無責任な親の育児放棄」でさえ、「本当は、ちゃんと育てなければならないのに。ちっともうまくいっていない!」という、親の苦しい心の反映のような気がします。
「わっはっは! 子どもなんて、自然に育っていくものさ!」という感じの、「心の底からの手抜き」であれば、子どもにイライラをぶつけることもなく、かえって許容範囲が広がり、子どもとのやりとりも楽しくなりそう。こういう無責任さって、子どもや自分自身に対する「信頼」のあかしですから。
とはいえ、肩の力を抜くって、難しい。私自身だってそうです。ガンバルのが好きな人にとって、ガンバルのをやめることぐらい難しいことはない。そこで、つい深みにはまりそうなときは、「いい加減が、いい(良い)加減」と、呪文を唱えることにしています。あははは。
阿部秀雄さん(日本抱っこ法協会名誉会長)から、『武田信玄公遺訓』の一節を教わりました。
「およそ軍勝五分をもって上となし、七分をもって中となし、十分をもって下と為す。その故は、五分は励を生じ、七分は怠を生じ、十分は驕を生じるが故。」
お分かりになりますか? 100点はダメ、70点はマアマア、50点が最高、というわけです。昔の偉い人が、そこまで言ってくれていたとすると、心強い!
でも、でも、現実生活に戻ると、このありがたい言葉をつい忘れて、100点にこだわっている自分に気づき、ガク然! やっぱりダメか…と落胆している私に向かって、武田信玄公は、こうおっしゃったのです。
「いいぞよ、いいぞよ。どんな癒しの言葉でも、100%従うことはないのじゃから。五分をもって上と為す!」
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