ピカピカ雑記帳
子どもの本&文化(ポケモン含む)はたまたバレエについて、日々あれこれ考えたことをつづっていきます。
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アダム・クーパー「オン・ユア・トウズ」@ゆうぽうと
初日よりは、だいぶテンポがよくなっていた。歌も、二度目だと、けっこう楽しくて、終わったあとも、かなり頭のなかでリフレインしている。
というわけで、楽しかったし、いってよかったけれど、一回目でこんな風に感じられなければ、やはりダメだと思う。同じ公演は、一回しか観ないほうが多いんだから。
歌のほうはよくわからないが、踊り&振り付けが、ちょっと弱いかも。だから、劇中劇のバレエ「ゼノヴィアの王女」や「十番街の殺人」が、あんまりおもしろくない。とくに、「ゼノヴィアの王女」は、クラシック演目となっていて、その中にハプニングがおこって笑えるという設定なのだけれど、そこのつめが甘い。あと、アダム自身の踊りも、あまり魅力的じゃない。連日公演だから、控えめな振りにしたのか。
そうそう、「ゼノヴィア〜」では、贈り物のひとつにくるみ割り人形がでてきたり、「十番街の殺人」でもローズ・アダージオっぽい振りがあったり(でも、コールガールが受け取るのは、花ではなくて、お札)、けっこう細かいところでパロディになっていておもしろかった。
よかったのは、「十番街の殺人」での、サラとのパ・ド・ドゥ。これはきれいだった。
サラは、とにかくかわいかった。前回もよかったけれど、今回観て、こんなにかわいい人だったのね、とほれ直した。ねがわくば、もうすこし体型をしぼってほしい。
マラーホフの贈り物2004 Bプロ@東京文化会館
急遽出演することになったダンサーの演目がかなりAプロとだぶるのが、ちょっと残念。ついでに、ステパネンコがつま先怪我とかで、「バヤデール」からAプロと同じ「ライモンダ」に変更で、さらに凡調なラインナップになった印象はいなめない。
セミオノワ&メルクーリエフの「チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ」は、若さはじける恋の喜びみたいな感じでよかった。セミオノワ、やっぱりかわいい。でも、「アポロ」では、無意味ににっこりしすぎかも。
マラーホフの「コート」は初めて観たので、とにかくびっくり。Bプロ初日とか、ほかの日はうまくストロボがつかないなどのアクシデントがあったらしいけれど、今日はしっかりとできていた。(始まる前に、かなり入念にチェックしていたみたいだし。)
ヴィシニョーワのマノンは、今の彼女にはぴったりだと思う。全幕で観てみたい。
ヴェルディユ&クレンシュテッターの「パリの炎」も、元気よくてよかった。ヴェルディユは、全方位フェッテ。
「アポロ」は、はじめて観たので、こういう作品なのねーというくらい。とくに好きでもない。
マラーホフの贈り物2004 Aプロ@東京文化会館
直前に欠場者がごっそりでて心配したけれど、さすがマラーホフ、うまく立て直したと思う。
まずは、なにをもっても、ポリーナ・セミオノワ。かわいい、かわいすぎる。ますますプリンセスの輝きがまして、貫禄もついて、でも初々しくて、こんな人が存在していいのかというくらいのすばらしさ。マラーホフとの「シンデレラ」、ぜひ日本で全幕でやってほしい! ついでに、秋にマラーホフが「白鳥」「ジゼル」に主演するから、ぜひポリーナちゃんをつれてきて!!!
ステパネンコ&ウヴァーロフは、円熟の極みというか、クラシックの醍醐味をあますところなく披露してくれた。ステパネンコ32回転でも、ほとんどずれていないし、どっしりと魅せてくれた。ウヴァーロフは、マントがなくて残念だったけれど、美しいラインに、のびやかな踊りがいつも通りでうっとり。
「バレエ・インペリアル」は、ヴィシニョーワもマラーホフもそれぞれの躍りやラインきれいだったけれど、全体としてはまとまりが悪く、ちょっと長すぎで飽きてしまった。というか、わたしがバランシンの抽象バレエとあまり相性よくないのかもしれない。
ヴィシニョーワ&メルクーリエフの「ロメオとジュリエット」はとてもすがすがしくて美しかった。ヴィシニョーワ、今回は可憐な少女に見えた。
ブラウン、リチャードソンなど、急遽出演した方たちも、しっかりとアピールしていてよかった。
マラーホフの「ヴォヤージュ」軽やかで美しかった。以前の中性的なマラーホフよりも、ややたくましく男くさくなった彼のほうが、個人的には好き。
アダム・クーパー「オン・ユア・トウズ」@ゆうぽうと
ジュニア:アダム・クーパー、ヴェラ:サラ・ウィルドー
ロンドンで大絶賛されていたので、期待していたのだが、それほどでもなかった。やはり、大絶賛のうち、何分の一かを占めていたムハメドフらが出演しなかったからだろうか。
アダムとサラの、コミカルな演技は楽しかった。それにしても、サラ相変わらず太い。アダムは今でもロイヤルにゲスト出演しているが、サラは、この体型じゃ無理でしょう〜〜。
アダム扮するジュニアが、ふたりの女性を同時に好きになってしまうのだけれど、ほんとうに好きなのか、それがうまく伝わってこなかったのが残念。
二幕は長すぎで、飽きてしまった。ペギーとセルゲイのデュエットとか、いらないくらい。劇中劇も、ちょっとわかりにくい。最後の最後で、アダムが何度も繰り返し踊るのとかでは、盛り上げていたけれど。
AMP「白鳥の湖」でも感じたが、バレエを見慣れていると、こういう舞台で踊る人たちが、かっぷく良すぎてダメかも。(これはフラメンコを観たときにも思った。)というか、体型もテクニックも、クラシックバレエの厳格な様式がわたしはやはりいちばん好きだと再認識した。
もう一回観に行くのだけれど、うーむ、あまり楽しみではない。(でも、こっちのチケットは、超良席なので、手放すのはもったいない。)回を重ねて、成長していることを願う。
マラーホフの贈り物 2004 「ジゼル」@東京文化会館
ジゼル:ディアナ・ヴィシニョーワ、アルブレヒト:ウラジーミル・マラーホフ、ヒラリオン:木村和夫、ミルタ:遠藤千春
生前のジゼルは、なんとローズ色っぽい衣装。初めて見た。華やかなヴィシニョーワには似合っていたけれど。
そのヴィシニョーワ、村でいちばん美しい娘って設定がぴったり。というか、ひとりだけ、まわりから浮きまくって美しい。だから、アルブレヒトの目にとまったのでしょう。でも、華やかすぎて、この先が悲恋に終わるという感じがしない。狂乱の場面も、けっこうあっさりめに死んでしまい、感情移入するすきがなかった。状況を理解する時間すらなかったような。
変わって、憂いまくっていたのがマラーホフ@アルブレヒト。なにも知らずにきゃらきゃらはしゃいでいるジゼルに対して、最初から自分の罪を認識して苦しんでいるアルブレヒトという感じ。ほんとうに愛しているのはジゼルなのだけれど、自分の立場を捨てることもできない。バチルド姫の手にくちづけするまでのためらいの間が、前回同様にうまい。
二幕で、ウィリになったヴィシニョーワは、まだ意識として人間のまま。とにかく生気たっぷり。でも、だからこそ、アルブレヒトを必死で助けようとするのだろう。マラーホフは、ジゼルの幻をもとめてさまよっている。ミルタたちへの命乞いも、命乞いしているというより、もうろうとしていて、訳もわからずに踊らされている。この解釈は、ジゼルへの愛を貫くアルブレヒトとして納得がいった。(自分の命がねらわれたとたんに命乞いにはしるなんて、ちょっとなあと思っていたから。)
遠藤さん、幕に激突するアクシデントが気の毒だった。それはともかく、あまり自己主張のないというか、たんたんとしたミルタだった。
新国立劇場バレエ団「ロメオとジュリエット」@新国立劇場オペラ劇場
ジュリエット:シオマーラ・レイエス、ロメオ:デニス・マトヴィエンコ
コジョカルが怪我で欠場。代役に、ABT(アメリカン・バレエ・シアター)で去年プリンシパルに昇格したシオマーラ・レイエス。
レイエスは、前回ABT来日のときに「海賊」でギュリナーラが可憐だったので、今度みてみたいなあと思っていた。なかなか愛らしいジュリエットで、満足。バルコニーのシーンでの、最後にキスされたときに硬直するジュリエットが多いんだけれど(フェリも都さんもコジョカルもそうだった)、レイエスはがしっ! とロメオを抱きしめていて、かなり積極的だった。ほかの場面でも、直球型の情熱ほとぼしるジュリエット。これはこれでアリだろう。
というわけで、レイエスに不満はぜんぜんないのだけれど、それでも、コジョカルが楽しみだったので、彼女のキャンセルは悲しい(号泣)。あの可憐な踊りは、ジュリエットにぴったりだと思っていたし、なにより、前回の「マノン」もキャンセルだったし、彼女の全幕が観たい観たい観たい! 新国の来年度の「眠り」(海外ゲストがまだ未定)に登場してくれないだろうか。
マトヴィエンコは、その姿からしてロメオそのもので、踊りも美しい。ただサポートは弱い。バルコニーのシーンで、レイエスがあがりきらないと、ちょっと恋の高揚感がさがってしまうかも。(あんな小柄なレイエスであがらないのはヤバイかも。)クラシックのときは、濃い口紅をつけて微妙にゆがんでいるアイブロウなど、へんてこメイクが気になるんだけれど、ロメオのときはいたってさわやかナチュラルメイク。クラシックのときもこうしたほうがいいのに。
2日間とも、パリスは森田健太郎だったが、おそろしくデブでひいた。たくましいとかいうレベルではない。太ももはほかの男性ダンサーの二倍くらいありそう。バレエダンサーとして(しかも主要な役として)、許容される身体ではないでしょう。あれじゃあ、ロメオがいるからって問題じゃなくて、アンタがイヤなのよっ! っていわれてもおかしくない。舞台の上でほとんど裸に近いラインをさらけだすんだから、もうちょっと神経をくばってほしい。
マキューシオの吉本さんはがんばっていたが、ちょっと押しが弱かった。
新国立劇場バレエ団「ロメオとジュリエット」@新国立劇場オペラ劇場
ジュリエット:アレッサンドラ・フェリ、ロメオ:アンヘル・コレーラ
フェリの細やかで圧倒的な演技とダンスがすごかった。この人はいったいどうして、身体のすみずみまで感情をゆきわたらせて、自在に伝えるいことができるんだろう。死ぬ直前の絶叫シーンは、脳天にさけび声がひびいてきた。たしかにテク的にはけっこうはしょっているかなというところもあるのだけれど、これほどまでの表現力があれば、それすら取るに足らないと思えてしまう。
対するコレーラは、ガラでの超絶技巧ばかり目立ってしまう踊りではなく、もちろんテクニックは抜群&丁寧なのだけれど、ちゃんと演技者としてロメオしていたのが○。濃いめの演技が、ラテンの血ってかんじでよかった。べつに好みではないけれど、あのさわやかな笑顔にノックダウンされる気持ちはよくわかる。
やはりプロコフィエフの音楽は美しい。なのに、オケはなんだかプロコフィエフとはベクトルの違う不協和音でちょっと悲しかった。
ディズニー映画『ホーンテッド・マンション』の試写へいった。日本公開は4月24日。
『カントリー・ベアーズ』『パイレーツ・オブ・カリビアン』に続く、ディズニーランドアトラクション映画化シリーズ第三弾。
三作のなかで、いちばんアトラクションに近かった。映像で楽しむお化け屋敷そのもので、特殊効果がうまく生きている。ディズニーランドにあるアトラクションよりも、怖さはちょっとグレードアップ。ディズニーらしいユーモアは随所で効いていた。
でも、あくまでディズニーのアトラクションなので、ストーリーは、単純明快で、とってもわかりやすい。(逆にいえば、深さは期待しないのが吉。)グロいゾンビとかも、あっさり処理してしまっていたりと、消毒された安全な恐怖なのである。まあ、ディズニーが提示したいものも、観客が求めるものも、けっして「ホラー」でななくて、あくまで「エンターテインメント」だから良いのかもしれない。
ホログラムっぽい特殊効果とかもよかったけれど、舞台装置や衣装もすごく豪華で楽しめた。ダンジョンで使うたいまつとか、ああいうのなのねーと、細かいところで感心しまくった。
『ワンピース 呪われた聖剣』を観た。
ヤフー! の映画評を見ると、かなり酷評ばかりなので、すこし構えながら見たが、ほぼワンピース初心者のわたしはまあまあ楽しめた。でも、酷評されるのもわかる。
まず、今回のメインのゾロの描き方がかなり雑。いつもの彼らしくない行動に、きっとなんらかの拘束を受けているのだろうとか、暗示にかかっているのかも? とか思っていたら、いたって正気だった。だとしたら、理由はどうあれ、有無をいわさずに仲間に襲いかかるのは、キャラの性格分裂としか思えない。しかも、やられまくっていたと思ったら、最後の最後に相手をあっさりやっつけてしまうのも変。
あと、ゲスト声優の芸能人が下手すぎ。どうしても使いたいなら、あまり支障のない役を与えればいいのに、久本雅美なんて、ものすごく長い説明的なセリフが棒読みで、しかも、ちゃんと舌がまわっていないから、よく聞き取れないこともしばしば。中村獅子童はまだマシだったけれど、プロの声優さんと張り合えるにはほど遠い。
しかし、ワンピースに限らず、ポケモンなどでも、劇場版での芸能人起用はいつでも問題アリだと思うが、いったいどういうメリットがあるのだろうか。試写会や記者会見が、テレビのワイドショーで取りあげられて、ファン以外の関心をひくため? ただ、それだけ? ほんとうに効果があるの? それにしても、上手ならまだ許せるが(釈由美子とか、予想に反してうまくてビックリ)、今回のワンピースはあまりに酷い。たしかに、ファンの人が怒るのも無理ないし、これでは出演した芸能人も株が下がるだろう。
2004年3月9日
ディズニー映画「ホーンテッドマンション」の試写にいくが、満席ではいれず。再来週にリベンジ。雑誌の原稿締めきり時期だということもあったらしいが、急きょ、追加試写スケジュールまで用意しているほどの人気っぷり。やはり、「パイレーツ・オブ・カリビアン」効果か。
東京シティバレエ団「真夏の夜の夢」@ゆうぽうと
妖精パック:穴吹淳、妖精王オーベロン:黄凱、女王ティターニア:安達悦子、ヘレナ:上山千奈、ハーミア:志賀育恵、ライサンダー:小林洋壱、ティミトリウス:Emberwills、ボトム:西岡正弘
じつは、このバレエ団を観るのは初めて。でも、黄凱とか志賀育恵とか、いいダンサーが出てきているので、興味があった。去年の9月にチェコのアニメで「真夏の夜の夢」を観て、これはバレエでも観てみたいなーと思っていた矢先に、公演パンフをもらってチケットをゲットした。
第一幕第一場は、マイムばかりで、ほとんど踊りがないのが不満。バレエなのだから、ちゃんと踊ってほしい。ほかも、悪くはないのだけれど、見せ場! という踊りが少ない。
主役の人たちはうまいけれど、コールドはけっこう重い。パックも、いわゆる短足&足太の日本人体型で、それを克服するほどの軽さやテクもなく、ちょっと重たいパックだった。
志賀さん、上山さん(代役で抜擢か?)とか、若手ダンサーでいい人が出てきているので、この先楽しみである。ふたりとも、かわいくて、スタイルもよくて、踊りも軽やかでよかった。地元のバレエ団でもあるので、こんどはティアラこうとうでの公演にも行ってみたい。
『ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還』を観た。アカデミー賞11部門受賞翌日に観にいったのは、たんなる偶然。あの『スターウォーズ』や『E.T.』でもとれなかったのに、バリバリファンタジー(アカデミー賞はファンタジーをあまり好まないらしい)のこの作品がとれたのは、やはり、トールキン原作というのがあったのだろう。長編アニメ部門の『ニモ』は当然だとしても(アメリカ人は、日本人以上に『ニモ』が大好き)、日本のマスコミは、本気で渡辺謙の受賞を信じていたのだろうか?(いや、渡辺謙がすぐれた俳優だというのは認めるが。)アメリカのオスカー関連サイトをのぞいた限りでは、下馬評では最下位だったのに(どこでも、ティム・ロビンスが当確)、希望が先走りしすぎて客観性を欠いている。
しかし、長い、長かった。おもしろくなくはなかったけれど、それよりも、戦いの痛そうな場面とか、味のあるキャラが死んでしまう場面とかが苦手なわたしは、ひーっと顔をそむけることが多かった。
じつは、わたしは原作『指輪物語』はそれほど好きではなくて、でも児童文学研究者の一般常識として我慢しながら読破した(『ホビットの冒険』のほうが好きで、こっちは何度も読んだ)。ストーリーをひたすら追うことに重点を置いたというか、かなり速読に近い読み方だったが、それでも、メリーとピピンがかわいかったとか、フロドのけなげなおじさんっぷりに同情したとか、ところどころがずっと印象に残っていて、物語としての完成度や奥深さはさすがだと思う。
で、今回映画を観て感じたのは、やはり、究極の自己犠牲の物語だということ。ゲーム『ドラゴンクエスト 7』の勇者に対しても感じたのだが、主人公は、(一見)ぜんぜん関係ないことに巻き込まれて、その中心人物に否応なく仕立て上げられながらも、文句をいわずに黙々と目的をめざす。ほんとうに、なんてお人好しなのだろう。で、見事、使命をはたしたら、英雄として祭り上げられるわけでもなく、ドラクエの勇者は漁師にもどってしまうし、フロドにいたっては、もとの平和な暮らしにもどることさえできないくらいの深い心の傷を負ってしまっている。こういう、自分の意志を超えた、条件反射に近いような自己犠牲があるから、人間って捨てたものではないのかもしれない。これは、上橋菜穂子さんの『狐笛のかなた』でも感じた。
ニーナ・アナニアシヴィリの「白鳥の湖」ハイライト@東京文化会館
今日は、アンコールつき。あいさつにあらわれたファジェーチェフ、前回とそう体型は変わっていないけれど、やはり現役時代を知っているとちょっと悲しい。
「セコンド・ビフォー・ザ・グラウンド」
アフリカの陽性な音楽に合わせて踊る楽しい演目。見るたびに、けっこうやみつきになっていくかも。最後のほうで、ウルトラマンみたいなポーズがかわいい。3日通して、フィーリンがよかった。ボリショイの次回来日時は、彼のクラシックが観たい。(前回は残念ながら来日せず。)願わくば、相手役はルンキナでないことを祈るけれど。アンコールは、「スパルタクス」パ・ド・ドゥと、「ドン・キホーテ」のグラン・パ。「スパルタクス」は、超人的なリフトがすごかった。「ドンキ」は、やはりニーナの十八番。「白鳥」とはまた違った、天真爛漫で太陽のようなキトリがすばらしい。ボリショイ男性陣5人のぜいたくなソロも、見応えたっぷり。ほんのちょっとずつなのがもったいない。ニーナは疲れているはずなのに、ドンキでも、おなじみの32回転を決めていて、底知らずのパワーにびっくり。
しかし、ダンサーの性格と、踊り手としての優劣は必ずしもイコールではないのだろうけれど、ニーナとかを観ていると、ほんとうに暖かくて、すてきな人柄が、舞台を通してつたわってくる。例の体重オーバーでクビになった元ボリショイのプリマは、男性ダンサーにそっぽを向かれたというのも大きな原因だというけれど、ニーナの場合は、どの男性ダンサーも、彼女と踊ることが誇りみたいな感じである。
ニーナ・アナニアシヴィリの「白鳥の湖」ハイライト@東京文化会館
霊感がおりたようなニーナ、鳥肌がたちっぱなしだった。ひとつひとつの動きが正確でお手本のようだけれど、彼女にしかないオデット/オディール。「グリーン」の長いコスチュームもいいけれど、ニーナほどクラシック・チュチュが似合う人っていない。いつも通り、回転系の軸の強さが超越していた。
ウヴァーロフ、江戸川はもちろん、東京文化会館でも狭そう。しかし、彼くらい無条件で白タイツが似合うのは、バレエダンサーのなかでもそういない。どのラインも美しくてうっとり。しかも、むきむき筋肉がぜんぜんないのは、ナニ?
2004年2月19日
江國香織がゲスト出演する『トップランナー』を観た。
擬音語をうまく取り入れる江國さんだが、実際のリアリティと、文字のリアリティの違いについての話がおもしろかった。たとえば、虫の鳴き声が、実際は「リンリン」でも、文字で表現すると「るりり、るりり」とか。
ニーナ・アナニアシヴィリの「白鳥の湖」ハイライト@江戸川区総合文化センター
地元に光臨したニーナ。オケなしの2列目だったので、呼吸まで聞こえてくるほどの大迫力。それにしても、ニーナの動きは、ひとつひとつが美しい。継ぎ目のないなめらかなステップに、メリハリのきいたあでやかなポーズ。白鳥と黒鳥の演じ分けも、くっきりと、でも、どちらもニーナらしく自然で説得力がある。カーテンコールをふくめるレヴェランスに、彼女のあたたかい人柄がよく出ていて、いっそうファンになってしまった。もうすぐ40に到達するニーナだけど、彼女の踊りをあと何回観られるのかと考えると、とても切なくなる。
ニーナ以外では、とにかく、フィーリン。ととのった身体に、軽やかで力強い踊りに、目が釘づけ。ウヴァーロフの長身をいかした踊りももちろんよかったけれど、まあ、これは好みということで。
しかし、ちゃんとコールドをつれてきたのにはビックリした。王妃役の若いダンサーさん、照れていないで、ちゃんと演技するよーに。お妃候補も、態度がでかいでかい。そういうお国柄なのだろうか?
ローカルな会場のせいか、あまりバレエを観たことのない人も多かったようで、とんでもないところで拍手していたりというところもあっておもしろかった。(王妃が登場したときに、主役と勘違いして拍手とか)
2004年2月12日
金原ひとみ「アッシュベイビー」(『すばる』2004年3月号)を読んだ。
『蛇にピアス』と同じように、こちらでも、複雑怪奇な設定・状況のなかにあっても、主人公アヤの純粋な気持ちは伝わってくるのだが、なんとなく、設定に負けてしまっている。とくに、アヤとルームシェアをしているホクトの性癖は、ひきまくってしまった。あそこまでいってしまうと、生理的嫌悪感がわいてしまうというか。インタビューで、金原さん自身も「自分には理解できない……心の有り様を、少しでも解きほぐしてみたい、と書き始めた」と述べていたし、既成概念や一般常識なんかにとらわれない想像力はさすがだけれど。
村野さんに対して、アヤが好き好き光線だしまくりなところは、前作にはないユーモアだった。会話のとちゅうに、脈絡もなく「好きです」をくり返しつづけるのが、おもしろかわいい。だけど、アヤの「純愛」と「性癖」は、ちぐはぐすぎて、ついていくのが困難。今どきは、これくらい解放されているのがふつうなのだろうか。
今後どういう方向に進んでいくのかはわからないけれど、仕掛けと核の、絶妙な綱渡りが、超人的なバランスをつくってくれたらいいなとは思う。(逆に、キワモノばっかりだと、飽きてしまいそう。)
「ディズニー・オン・クラシック」@大宮ソニックホール
演奏そのものはよかったが、構成にはかなり問題あり。
音合わせもショーに取り込んでいるしゃれた導入部分から、第一曲目の「エレクトリカル・パレード」までは、とてもよかった。
けれど、その後に、ナビゲーターなる女性が出てきて、ふくんだような、もったいぶったような話し方で、だらだらと無駄話をしているのにはウンザリ。おまけに、指揮者は、オリジナルグッズの、ペンライトを買え買えと、何度もジェスチャーしているし。こんなところで、商魂魂をもやされると、せっかくの夢の世界から、現実にひきもどされてしまう。
それでも、演奏の、「アラジン」「ライオンキング」の組曲はよかった。
第二部は、メインの「美女と野獣」で、映画でベル役の声優と、ブロードウェイ・ミュージカル版の野獣役の歌手がゲスト出演した。が、ふたを開ければ「美女と野獣」のダイジェスト版で、演技までつけて歌ってくれるのはいいけれど、ミュージカルにもなっていなくて、冗漫なだけだった。しかも、ベル役のペイジ・オハラさん、たいこっぱらなので、なんだかなあという感じ。ガストン(悪役)と野獣が、ひとり二役ってのも、ちょっと受け入れがたい。また、肝心のテーマソングは、デュエットではなく、オハラさんひとりで歌っていたのも寂しい。これなら、組曲+メインの歌2曲くらいのほうがずっとよかったと思う。というか、せっかくの「クラシック・コンサート」なのだから、クラシックの醍醐味をもっともっと味わいたかった。カーテンコールの、「星に願いを」の場内全員合唱もかなりひいた(入場時に、歌詞が配られていたのである。)ちなみに、「美女と野獣」の歌&セリフは全部英語だったので、会場にたくさんいた子どもたちは、さぞかし退屈したのではないだろうか。
というように、芸術としても、エンターテインメントとしても、ずいぶん中途半端だなあと思っていたのだが(断っておくが、わたしは生粋のディズニーファンである)、カーテンコールでは、場内総立ちの拍手喝采。??? これでスタンディング・オベーションなんて、ふだんから、よほどつまんないものばかり観ているのだろうか。一般的な日本人の感動レベルの低さには、ただただ、びっくりした(だから、『世界の中心で〜』なんかに泣けるのだろうか)。それとも、ディズニーファンとして、ディズニーのコンサートに来たら、なんでもありがたいのだろうか?
2004年2月8日
昨日は、フェロー通信講座での直接講議。大学やカルチャースクールとちがって、プロを目指す方たちばかりが相手なので、数日前から、ひさびさにキンチョー状態だった(で、下の逃避ゲームモード)。おそらく受講者はそんなこと、みじんも感じなかっただろうけど。というのは、開始15分で、喝! をいれてしまったのだ。(さぞかしコワかったのではないかと思う。)だって、大物作家の名をずらずら挙げても、さっぱり知らないんだもん。でも、子どもの本をやりたい人が、(海外だけでなく、日本人作家もふくめて)子どもの本を読んでいなくて、どうするのか。
文芸翻訳は、与えられた本を訳していればいいって仕事ではないのです。どこの業界でも、その分野の知識・情報って大切でしょう? だから、がんばって、子どもの本業界に精通してください。それで、やっとスタートラインって感じです。(このHPをごらんになっている方もけっこういらっしゃるようなので、あえてもう一度苦言。)
2004年2月7日
仕事からの逃避で、『金色のガッシュベル!! うなれ友情の電撃(ザケル)』のストーリーモードをクリア。じつは、ほんの2日前に、こりゃ無理だ! とさじを投げたのだけれど(で、くださったMさんに詫びの電話までいれた←モニターというか、気分的にはリーディングを引き受けた感覚だったので、途中でギブアップする自分が情けなかったのよ)、逃避モードに入るとついゲームに手を伸ばしたくなるわたしは、こりずに再チャレンジ。悪知恵をはたらかせ、こそくな手段を使って、なんとか、最後のティオをたおす。(たんに、攻撃エネルギーがたまるまで逃げまくって、ちょっと離れたところから攻撃しつづけるというだけ。)
ロップスやティオは、強かった。というか、接近戦になったら、ぜんぜんかなわない。ティオなんて、たいした技ないくせに(原作ではショボい攻撃技ひとつと、ほかには防御技ばかり)、肉弾戦で、清麿の本をおとして、ぜんぜん攻撃させてくれないのだから。
しかし、このゲーム、原作に忠実にしようとしているとはいえ、ちょっと世界観を狂わせていないか。最強キャラのはずのブラゴが二番手で登場して、めちゃくちゃ弱い。はっきりいって、ブラゴに負けたことはほとんどない。で、コルルあたりから強くなって、キャンチョメも強いし(あの変身技でどうやってダメージ与えているのか、わけがわからないが)、もともと強いロップスは、まともに戦ったら全然歯が立たないし(←わたしのへたくそレベルでは)、ティオにいたっては、別人のように強い。キャンチョメもティオも、ろくな攻撃技がないのに、なぜ?
それに、トリで登場するティオは、原作ではガッシュと戦ったことがないから、おのずとオリジナルストーリーを設定しなければならない。ティオでオリジナルストーリーを設定するなら、ブラゴだって、ちょっとアレンジしてもよかったのではないだろうか。ブラゴとティオを入れ替えるのが、順番としては妥当だと思うけれど。(ブラゴは隠しキャラにしてもいいくらいだ。)
ストーリーには文句つけたけれど、グラフィックはとてもきれい。とくに、キャンチョメ&フォルゴレの、グニャグニャおどりとか、吹き矢とか、細かいところまですごくていねいでユーモラス。ティオも、 キレまくりの戦いっぷりがおもしろい(というか、コワイよ)。やっと悪夢のストーリーをクリアしたから、あとは、まったりと遊べる。ウマゴンは出現条件が厳しすぎて無理そうなのがすこしさびしい。ミニゲームで出してくれればよかったのにー。
『ポケモン リーフグリーン』
ちっとも時間がとれないので、もーあきらめて、今回はちまちまとすすめることにした。ポケモンは、急いでクリアしたければそれもオッケー、道草をしたければそれも一興というふところのふかさがうれしい。そういえば、赤緑では、ダグトリオとフーディンはスタメンだった。そういうことを思い出して再ゲットするのも、またたのしい。ポケモンだいすきクラブで見たパウワウがかわいかったので、早く会いたい。ラプラスも、ゲットしたいなあ。
2004年1月31日
GBAソフト『金色のガッシュベル!! うなれ友情の電撃(ザケル)』をいただいてしまった。たいしたことしていないので恐縮だけれど、うれしい〜〜。Mさん、ありがとうございます!
が、これはアクション・ゲームなので、わたしはもともと苦手なのだ。でも、めちゃくちゃにプレイしていたら、一番手のレイコムはともかく、二番手に出てきたブラゴ(原作のなかで、最強キャラのひとり)をあっさり倒してしまった。え? こんなんでいいの? と思っていたら、次のコルル(本来あまり強くない)に惨敗。やっぱりへたくそだーーーっ!!
グラフィックがきれいだし、キャンチョメ&フォルゴレや、できればウマゴンを見たいから、ぼちぼちやっていくつもり。けれど、そこまで行けるのか、自信はぜんぜんない。
ゲームの構成についてとか、いいたいことはアレコレあるけれど、もうちょっとプレイしてから。
2004年1月30日 レニングラード国立バレエ団「ジゼル」@東京文化会館
ジゼル:スヴェトラーナ・ザハロワ、アルブレヒト:ファルフ・ルジマトフ、ミルタ:オリガ・ステパノワ、ペザント・パ・ド・ドゥ:オクサーナ・シェスタコワ、アンドレイ・マスロボエフ
去年ザハロワがこられなくなったジゼルが、ようやく見られた。でも、いきなり、ボリショイの赤×黄色の衣装はショック! もうボリショイの人なんだからいいけれど、やっぱり、ジゼルは、白×水色がいい。
第一幕のジゼル@生前は、あまりに美しすぎて、ちょっと村娘とはちがったかも。でも、とにかく、ザハロワは、そういううんぬんよりも、完璧すぎるプロポーション&技術を見られるだけで幸せになってしまう。あまりにも別格なのである。
第二幕の白バレエのほうが、ザハロワの彼岸性とマッチしていた。なにしようとも、軸がびくともしないのは、すごすぎる。ゆったりした流れがきれいなのはもちろん、速いテンポでも、ひとつひとつのステップがていねいで正確。とにかく、ザハロワは、ザハロワとして君臨しているだけで、ただひたすらありがたい。6月の眠り@新国もぜったいに来てね。ザハロワのローズアダージオ、きっとこれまたすばらしいのだろう。
ルジマトフも、ていねいでなめらかな踊りがよかった。いつどこで写真をとられてもオッケーみたいな、すきのまったくない美しさ。マラーホフと同じように、ジゼルを本気で愛していて、婚約者(バチルド姫)に発覚したときに、手にくちづけするまでのためらいの間がうまい。あとは、ペザントのシェスタコワ、やっぱりかわいい。こういう、繊細で愛らしい純クラシックダンサーは大好き。
カーテンコールで、ザハロワが、花束のなかから、薄紫色のバラを一本とって、ルジマトフにあげていたのが印象的だった。ルジマトフ、すごーーくうれしそうだったし、バラが似合っていた。さすが、こういうところまで、きっちり魅せられるから、スーパースターなのだろう。
2004年1月29日
GBAソフト『ポケットモンスター ファイアレッド』『同 リーフグリーン』発売。
今回はおとなしく、朝9持に宅急便がくるまで待った(たんに、フライングゲットしても、やる時間がないから)。でも、届いたら、やはり我慢できず、さっそくプレイしはじめてしまった(ああ、なんて根性が弱いんだろう)。
その昔、わたしが最初にプレイしたのは緑だったから、今回も、リーフからはじめる。緑のときは、ゼニガメをパートナーにえらんだが、今回はフシギダネ。とりあえず、ピカチュウをゲットするまですすめた。
やっぱり、おもしろい。ドラクエのGBリメイクは、昔をなつかしみながら一気にクリアして終わりという感じだったけれど、ポケモンは今に合せてしっかりとバージョンアップしているのがすごい。基本的なしくみはちっとも古くなっていないし、今の機能も無理なくついていて、よりいっそう便利におもしろくなったように思える。
ついでに、はじめてポケモンをプレイしたときを思い出して、みょうに感動してしまった。金銀もルビサファもいいけれど、やはり、わたしのポケモン原点はここにある。ポッポやキャタピーが進化したり、ピカチュウをゲットしただけで、なんだか、とってもわくわくどきどきなのである。忙しくてあまり時間がとれないこともあるけれど、せっかくなので、このわくわくを、ゆっくりじっくりと味わっていこう。
2004年1月28日 レニングラード国立バレエ団「バヤデルカ」@東京文化会館
ニキヤ:スヴェトラーナ・ザハロワ、ソロル:ファルフ・ルジマトフ、ガムザッティ:オクサーナ・シェスタコワ
ザハロワのニキヤはニ度目。あいかわらず人間とは思えないバレリーナ体型に、どこまでもしなやかでやわらかいけれど芯はしっかりとおっている踊り。ひとりだけ女神がまざっているのでは? と思ってしまうくらい、けたはずれの美しさだった。
ルジマトフも、しなやかでかろやかで、ひとつひとつのポーズが、まるで絵画を切り取ったように芸術的。この人にメロメロな観客が多いのもなっとくの、フェロモン。とくに、ソロルの衣装は、ものすごくはまっている。
主役ふたりが、芸術を具現化したような存在なので、とにかく、眺めているだけで満足。というか、不覚にも、(寝不足で)半気絶状態もしばしば。でも、なんとなく幻想の世界をただよっているような気分は悪くなかった(せっかくの舞台なのに、もったいないけれど!)。
シェスタコワも、やっぱりかわいい。ザハロワの圧倒的な彼岸カリスマには及ばずとも、しっかりとガムザッティ像をつくりあげて、彼女は彼女で必死に恋をまもろうとする女性だった。
2004年1月11日
雑誌『コミック・ブレイド』で『西の善き魔女』の連載が始まったので、買ってみた。イメージは悪くないけれど、ややギャルゲーのロリキャラ風で、個人的にはイマイチかも。白泉社の綺麗な少女マンガ系のほうがよかったなあと思う。
最近ハマっている『金色のガッシュ!!』(雷句誠、『少年サンデー』にて連載中)だが、今日は年明け一回目のアニメを見逃して泣く。夏には劇場版の第一弾があるとか。もうすでに行く方向に心が傾いている。
急遽? 1月29日に発売が決まったGBAソフト『ポケットモンスター リーフグリーン』『同 ファイアレッド』。10日からポケモンセンターでも予約が始まったのだが、急なためか、予約特典グッズがなくてさびしい(特典は、ポイント2倍だけ)。今日、ヨーカドーへ行ってみても、予約のポスターはでかでかとあったが、やはり特典はないらしい。予想以上に早く出るのはうれしいが、一ヶ月おくれてもいいから、予約特典つけてほしかったとも思ったり……。それよりも、発売されたら、2週間くらいゲーム廃人になりたいのだが、ちょっと無理そう(ううぅ……)。
2004年1月10日 新国立劇場バレエ団「シンデレラ」@オペラ劇場
シンデレラ:さいとう美帆、王子:逸見智彦、仙女:大森結城、義理の姉(大):マッシモ・アクリ、義理の姉(小):奥田慎也、道化:グリゴリー・バリノフ、春の精:真忠久美子、夏の精:寺島ひろみ、秋の精:本島美和、冬の精:厚木三杏
逸見さんのキラキラ王子目当てで、初役のさいとうさんは、「なぜ研修所卒業後いきなりソリストで、しかも主役抜擢?」と思いながら、ぜんぜん期待しないでいった。でも、そのさいとうさんが、めちゃくちゃ可愛かった!
おどりは安定してかろやかだし、アシュトンの細かいステップを丁寧にこなしているし、しかも、シンデレラになりきって堂々と演じている(つまり、「一生懸命オーラ」が出ていない。これはかなりポイント高し)。
第一幕では、それでもまだ緊張していたようで、踊りは見事だったけれど、演技のほうがカタイ感じがした。けれど、それも比較の問題で、初主役としては大成功といえる。でも、もっとすばらしかったのは、第二幕の舞踏会のシーン。登場したときに、にっこりと口をあけながらも目は夢み心地。 → やっと、われにかえって、自分の居場所&王子に気づくと、はずかしそうにためらう。 → それから、魔法のような時間を、素直に心から楽しむ。という一連の演技が、すごく自然で、しかも愛らしくて、純真なシンデレラそのものだった。登場シーンは、たいていは、口を(ほぼ)閉じて、威厳たかく出てくると思うのだが(これまで観た人では)、さいとうさんのぽーっとなっている表情は、いきなり別世界にはいったシンデレラとうまくシンクロしている。
もちろん、踊りも文句なく自分のものにしていて、美しさの象徴のシンデレラとして完璧におどりきっていた。ソロで、舞台を何周かするところは、だんだんと速まる音楽に合わせて、最後まで正確かつ繊細だった。なによりも、手先、指先まできれいに神経が行き届いていて、やわらかく、でも、軸はしっかりと踊っていたのが素晴らしい。6月の「眠り」のオーロラも内定しているようだが、これなら、とても期待できる。
逸見さんは、前回同様、登場時のキラキラ王子さまビームが強烈だった。踊っていても、ただ立っていても、王子以外のなにものでもないのが、さすがである。シンデレラがあらわれると、目がラブラブで釘付けなのもすてき。ちなみに、シンデレラは、王子さまによりそわれて嬉しそうだが、それ以前に、お城にも王子さまにも「おのぼりさん」状態で、うれしそうにきょろきょろしているのが可愛かった。
アクリ@義理のお姉さんは、さらに怪演にみがきがかかっていて、かなり笑いをとっていた。奥田@お姉さんは、なんとも可愛らしかった。バリノフ@道化は、細かいところまでしっかりと舞台をコントロールして、緩急つけて盛り上げていた。夏の精@寺島さんは、とってもキュートだった。
真忠さんは、人気あるようだが、とくべつ素敵とはあまり思えなかった。きちんと踊っているのだけれど、なんとなく、せわしい感じで。去年観て感心しなかった本島さんは、残念ながらよくなっていない。まだ振りをこなすのに精一杯モード全開。しかも、またカーテンコールで、主役より前に出ている。踊りがイマイチなのに、こういうときでしゃばる神経は信じられん。(踊りが最高でも、分をわきまえないのは論外だと思うが。)
2004年1月9日 新国立劇場バレエ団「シンデレラ」@オペラ劇場
シンデレラ:酒井はな、王子:山本隆之、仙女:湯川麻美子、義理の姉(大):ゲンナーディ・イリイン、義理の姉(小):堀登、道化:吉本泰久、春の精:西山裕子、夏の精:寺島ひろみ、秋の精:遠藤睦子、冬の精:前田新奈
酒井さんは、舞踏会に登場したあとに、ためらっている演技が、かわいらしくてよかった。
ところで、王子の踊るシーンがことごとくカットされ、振付もかなり換わっていたが、どうもケガらしい。
踊る部分がないのは残念だが、それよりも、三幕冒頭で、靴を持って追いかけるシーン(カーテンが開く前の舞台を、小走りで横断するだけ)までも削除なのはひどい。あれがあるかないかでは、物語の深さが、まったく違ってくるといっても過言ではないのに(と、個人的には思う)。
踊るわけではないのだし、その程度の出番も無理なら、なぜそもそもそ出演するのだろうか? 急なアクシデントで、代役が対応できなかったのか? でも、新国はこれまでを考えても、代役起用が下手なので、あまり信用できない。だいたい、いつも危機管理が悪すぎ。生身のダンサーなのだから、いつなんどき、アクシデントが起きてもいいように準備だけはおこたらないでほしいものである。それで、欠陥舞台(あえてこう呼んでやるー)を同じ料金で見せられては、客としてはたまったものではない。
というわけで、見ているときにたまった??? が、今さらながら不満となってわきあがってきている。
どうも、自分(鑑賞者)とダンサーとの縁もあるようで、わたしは、酒井はなさんとは、あまり相性がよくない。彼女の絶賛された舞台はことごとく外しているし、わたしが見にいくときは、コケたり、不安定だったりして、どうにも印象が悪いのである。まあ、それだけ波のあること自体、問題なのかもしれないが。(今回は、彼女のせいではないけれど、相性の悪さをしみじみ実感。)
イリイン@義理のお姉さんは、まだまだはじけていないというか、こぶりであまりおもしろくなかった。
2004年1月8日 レニングラード国立バレエ団「白鳥の湖」@オーチャードホール
オデット/オディール:オクサーナ・シェスタコワ、ジークフリート王子:ドミトリー・シャドルーヒン
シェスタコワ目当て。透明感があって、繊細でたおやかなオデットだった。ルテステュ(透明感)とレドフスカヤ(たおやかさ)をうまい具合に足して2でわって、コホウトコヴァの繊細さをふりかけたような感じ。いや、でも、個性がないというのではなくて、正統なクラシックを継承する、とても優れたダンサーだということ。
容姿的に、白鳥ははまると思っていたが、予想以上に黒鳥もよかった。白鳥の繊細さを失わずに、そのままクールでキビシくなり、これならだまされるかも? と思わせるような、微妙なギャップが、自然だった。(あまりにも別人っぽいと、どうして気づかないのか、バカ王子! と思ってしまうので。)
さすがに、群舞は美しかった。みなさん、ラインは綺麗だし、踊りは音楽とシンクロして揃っているので、フォーメーションがとにかく映える。最強の「白鳥の湖」といって過言ではないかも。