ポケモン考七 「ここがすごい、ポケモン金銀」 (2000年1月)
昨年11月21日、待ちに待ったゲームボーイソフト『ポケットモンスター金(銀)』が発売された。幾度もの延期に加えて、台湾の震災の影響で生産が間に合わなくなり、初回販売数が予定を大幅に下回ったことなどにより、最後の最後まで、「本当に手に入るんだろうか?」という不安がぬぐえなかった。しかし、とにかく、無事に出たことだけでも、この上ない喜びである。
ちなみに、金と銀は、前作同様、ゲームのストーリーは一緒で、ポケモンの出現率が違うだけである。
この金銀は、前作よりもはるかに楽しめるゲームとなっているところを、まず強調したい。前作も、ポケモンの収集や育成といった、RPGという基本の枠を大きく超えたゲームであったが、金銀ではそれがさらにパワーアップされているのだ。ストーリーは、順調にいけば一週間程度あれば十分クリアできるだろう。しかし、このゲームの柱の一つであるポケモンの「収集」や「育成」を楽しむのには、一週間どころか、一ヶ月でも全然足りないくらいである。
まず、今回から曜日と時間が設定された。決まった曜日に行われるイベントがあったり、決まった時間帯にしか登場しないポケモンがいる。また、伝説のポケモンは、特定の場所にじっとしているのではなく、遭遇した直後からマップ上を常に移動していて、はち合わせするためには、運と努力のどちらもを要する。ポケモン収集の条件が、前作より一段と複雑になっているのだ。また、前作にしか登場しないポケモンもいるので、ずかんの完成には、前作がどうしても必要になる。
次に、今回は、そだてやにポケモンのオス、メス2匹をあずけると、タマゴが生まれることがある。このことによって、本来なら一匹しかゲットできないポケモン(最初に選ぶ三匹とか)を増やすこともできるようになった。(サンダ−、スイクンといった伝説のポケモン、ミュウツー、ルギアなどの幻のポケモンの繁殖は無理らしい、残念。)たとえば、イーブイは、金銀から五通りの進化が可能になった。しかし、本来ならもらえるのは一匹だけ。でも、へんしんわざを使うメタモンと一緒にあずけると、なんと、イーブイが生まれるのである。ストーリー中一匹しかもらえないポケモンを進化させてしまっても、これまたメタモンとあずけると、タマゴからは進化前の状態で生まれてくる。
そして、今回は「色違い」のポケモンもいる。ストーリーでは、赤いギャラドス(通常は青)が登場するが、どの野生のポケモンにも「色違い」が存在するらしい。「色違い」ポケモンの出現率は、とんでもなく低い(おそらく1%以下)。しかも、野生のポケモンの中には、すぐに逃げるのものがいる(実際、私は色違いコイルに逃げられた。)相手を眠らせたり、逃げられなくするわざを覚えているポケモンを先頭においておいたりして、いざという時に備えて準備は必須である。
また、今回からはポケモンがどうぐを持てることになった。「どうぐ」といっても、かなり種類が多くて、たとえば、「きのみ」を持たせれば、バトル時に体力が削られてもポケモンが自分で回復する。前作から移植したポケモンが思わぬ珍しいどうぐを持っていたりもする。
このどうぐに対応して、金銀では「どろぼう」というわざが加わった。ようは、「どろぼう」というわざをつかうと、ダメージを与えつつ、ポケモンがどうぐを持っている場合はそれを奪えるということなのだが、これがかなりハマってしまう。例えば、コイルが持っている「メタルコート」は、特定のポケモンを進化させるのに必要なのだが、ストーリー上ではひとつしかもらえない。だから、ずかん完成のために、二個目のメタルコートを求めて、コイルを追いかける。ついには、どうぐという目的よりも、どろぼうという行為そのものが楽しくなり、色々なポケモンで試したりする。どうぐのコレクションということで、ポケモンの世界における「収集」という要素にぴったり当てはまる。どのような楽しみ方も、ポケモンの基本コンセプトにつながるというところが、さすが!である。