『七夜の願い星〜ジラーチ〜』

これまでは、バトルとかアクション重視のポケモン映画だったが、今作は、ロードムービーというか、静的な部分がかなりクローズアップされていたのが印象的。友情は、そういった日常の積み重ねで育てていくのだというのがよく伝わってきた。

ハルカ、マサトの加入は、結果的にポケモンアニメをひろげたのではないだろうか。カスミの場合、どうしても「脇役」「お姉さん役」になってしまって、今さら彼女をメインに持ってくるのが難しかったけれど、ハルカは、最初からサトシと同格に近い扱いでスタートしたから、ある意味動かしやすい。年下のマサトも、サトシではカバーできない部分を、しっかりとすくいあげてくれる。今回のジラーチにしても、サトシをメインにしたら、もっとアクションがないと持たなかったかもしれない。

さすが、ポケモン、小道具がうまい。ハルカのウィッシュメーカー、あれはデザイン的にも可愛いし、ほしくなるだろう。ただ、市販のレプリカは、織り込めないのが残念。アニメで、最後のひとつだけ残すのは、正解。

ジラーチ、個人的にはややネガティブな印象をもった。ルックスが好みでないのはさておき、セリフがキモい。無理してブリブリしているみたいで。とくに、最初のほうは鳥肌がたった。ことばを話さないで、ただマサトとわいわい遊んでいるところはまだマシだったが。セレビィも、映画を観るまではあまりかわいいと思わなかったから、印象が変わればいいなと思っていたけれど、残念。

子守歌(=エンディング)は、どうも節がとりづらいみたいで、ちょっと子守歌としては×かも。じつは、あれがエンディングだと気づいたのは、3回目に観た後だった。劇場内の子どもたち(とくに男の子)は、なぜか、子守歌になるとゲラゲラ笑うし(3回観たうち、2回は笑っていた)、やっぱり変だったのだと思う。もうすこし、子守歌らしくアレンジしてもよかったのではないか。

しかし、いつもエコロジーや自然破壊がテーマなのは、いかがなものか。セレビィや宮崎某作品と、かぶっているし。たしかに、ポケモン=自然という要素があるから、仕方ないのかもしれないけれど。

今年はGBAの『ルビサファ』効果か(ジラーチプレゼントもあったし)、公開最終週になっても、けっこうな入りでびっくりした。せっかくだから、もっと長くやればよいのに。グラードンは、あれだけで「映画出演」は気の毒だから、もう一度、きちんと出てほしい。

『おどるポケモンひみつ基地』

とにかくドタバタおどりまくるって発想が大好き!危機的状況にもかかわらず、のーてんきにおどらさるをえない、両極端なアブナさが楽しすぎる。いつものように、みんなでなかよく、力を合わせて! もかわいいけれど、こういうのも絶対あり! 吉本とのコラボレーションは、かなりプラスになっているのでは。

ピカチュウの形態模写が、かなりグレードアップしていた。耳までふくらませられるのだから、おそるべきコントロール力。それも、あのかわいいピカチュウがやるからいいのだ。個人的には、ソーナンスとサボネアのものまねが好き。

新キャラでは、キモリがなにげにいい味をだしていた。クールにかまえているつもりでも、よく見るとワンテンポずれて妙におかしいし、それになんといっても、必死に音楽に抵抗している姿がおかしい。やはりひとりくらい、こういうキャラがいないと(フシギダネもけっこうクールだが、こういう時は、みんなとノリノリになりそうなのが、ちょっと違うかも)。ミズゴロウは、ほんにんはいたってふつーのいい子ちゃんっぽいが、ハスボーのおもりをしたり、キモリにふりまわされてくらくらダンスを踊ったり、なかなかいい味をだしていた。ハスボーは、ボケキャラとしてがんばっていたが、コダックとの差別化ができていないのが残念。

このわけのわからないノリノリダンスアニメで、いちばんキミョーキテレツでよかったのは、ルンパッパだろう。まず、どこから出てきたのかわからない。ドゴームの意外なはりきりっぷりもよかったが(間合いもうまいし)、ただひたすら陽気におどりまくるだけで、ストーリー的にまったく意味ナシのルンパッパがやはり最強。

全体としてはとても楽しくてよかったが、ただひとつ難をあげるとしたら、キャラの顔ぶれ。ピカチュウとニャース以外は、全部ルビサファの新キャラなのが気に入らない。ポケモンアニメ陣は、あまりにも新しモノ好きすぎる。商売なのはわかるが、ここに旧キャラを入れたって、なんの障害もないだろうに。

さいごに、『おどるポケモンひみつ基地 ノリノリ♪おあそびブック』(小学館、800円)は超オススメ。ピカチュウの形態模写あり、ふくやまけいこのオリジナルマンガありと、盛りだくさんで、一粒で何度も楽しめてお得な一冊。

*ちなみに、いっしょに観た小さなお友だち(小学校一年生、幼稚園の年中さんの女の子)は、『七夜の願い星』のほうがよかったらしい。『おどる〜』は、どたばたうるさいだけで、ストーリーがよくわからなかったとか。