『ミュウツーの逆襲』
 テーマは、「私はだれ?」というアイデンティティの探究。子どもの本には、普遍的なテーマであります。自分が何者かわからない悲しみ、自分が望まれて生まれてきたのではないと感じる憤り、命とはなにかを真正面から問うているいる作品です。
 かなりシリアスなので、『夏休み』で大声あげて笑っていた小さいお子さまには???だったかも。でも、石と化したサトシのもとに走りよって、涙ながらに電撃を繰り返すピカチュウの姿に、心を打たれ、命とはなにかというメッセージが少しでも伝わったことを祈りたい。
 映画第一弾だったもので、どう結果が出るかわからなかったせいか、製作側は、自分たちが作りたいものを思いっきりつくった!という感じがしますね(逆に、『ルギア』は一般的な観客受けを狙いすぎたような....)。だからこそ、骨太なストーリーになったのだと思います。これって、なんとなくアニメ初期のピカチュウと似ているかも。昔はけっこう我が強くて、おちゃめもいたずらもしていたのに、最近はいい子ちゃんすぎ。スーパーアイドルは辛いね、ピカチュウ。

『ピカチュウのなつやすみ』
 とにかく、最初にピカチュウのドアップがスクリーンいっぱいに出てきた時点で、私は悩殺されました。オープニング曲が流れるなかで、サトシ、カスミ、タケシのポケモンたちが楽しそうに行進する姿は、何回見てもわくわくしてしまいます。ピカチュウが顔べろべろーーっと百面相するところも良かったし、フシギダネの子守歌も可愛かった。
 ストーリーは単純明快で、笑いがたくさんあって、とにかく楽しかったです。ポケモンたちだけで、わきわき可愛く騒いでいること自体が珍しいから、とても新鮮でした。
 しかし、あの時全然印象に残らなかったマリルが、その後あんなに売り出されるとは夢にも思いませんでした(しかも、売り手の試みは必ずしも成功していないと思いますが....)。

『ルギア爆誕』
 『ミュウツー』より、ストーリーは分かりやすかったです。が、作品としては、落ちますね。
 テレビCMで流れていたシーンがことごとく削除されているのは何故?あれ、見逃したかなあ?と思って、後で他の人と確認しあったら、やっぱりなかったよねえ、ということになりました。ルギアは「命をかけてかかってこい」なんて言わなかったし、ピカチュウが吹っ飛ばされてサトシが叫ぶシーンもなかった....あそこまでCMと違うと、かなり違和感があります。ロッテリアのおまけシールにだってあったのに!
 あと、けっこう矛盾だらけ。最後の石を取りに行くとき、最初はリザードン、フシギダネ、ゼニガメがソリひっぱっていって、途中でロケット団が助っ人をするのですが、帰りはルギアの背中に乗せてもらっている。だったら、最初からルギアが運べばいいのでは?と思ってしまう(あるいは、リザードンに乗っていくとか)。おそらく、製作側は、サトシのポケモンやロケット団の活躍するシーンを入れようとしたんでしょうけれど(個人的には、彼らの活躍は嬉しかったです)。それに、ピカチュウはソリをひかずに、サトシと一緒に乗っている。これって、ひいき?ルギアに関しては、最強のポケモンといわれながら、2回もやられている。本当に強いの?ミュウツーは、みんな(ミュウ以外)触れることすらできずに破れたっていうのに、大違いだ。
 という訳で、たくさんの矛盾を抱えながら観たわけですが、個人的には楽しみましたよ。エンターテイメントという点では、ピカチュウが頑張って、たくさんポケモン活躍して、みんなで力を合わせて地球を守り、最後は大団円!だったので、充分満足。でも、私がポケモンファンだから良かったのであって、ただの作品としては、並でしょう。
 しかし、安室奈美恵のエンディングは失敗じゃないでしょうか。なんかあのラップがイメージ合わない上に、アムロの復帰にかねての話題づくりだったのでは?とつい懐疑してしまう。だいたい、小室哲哉が記者会見だかで、「新しいなみえちゃんを見てもらいたい」みたいな勘違い発言をしていたから、たまげてしまった。あのぉ、映画を見にくる人は、アムロじゃなくて、ポケモンが目当てなんですけど....新しいポケモンに期待をかけても、アムロの新しさなんて求めていませんって(しかも、曲自体もアムロにしては、たいして売れなかったようだ)。『ミュウツー』の時の、小林幸子は素直に泣けたのに。

『ピカチュウたんけんたい』
 前年の夏休みより、もうちょっとストーリー性がありましたね。でも、ポケモンたちがたくさんいて賑やかで、みんなで力を合わせて問題を解決する、という点は一緒です。
 トゲピーを探している途中で、ピカチュウとエレキッドが木登り競争らしいことを始めるのですが、そういうストーリー上は無駄な部分が楽しいですね。キレイハナが踊った後、みんな拍手をしたのですが、他の子たちがもう別のことに注意をひかれているのに、コダックだけはまだ拍手しているのもグ−。今回は、おいしいところは全部コダックが持っていきました。
 けれど、あえて言うなら、「新しいポケモンの紹介」という意味合いが強くて、たくさん紹介しようと思ってつめこみすぎたって印象がぬぐえませんでした。まだゲームも出る前だったから、観る側も、「新しいポケモン」っていうことにまず気を取られて、注意散漫になってしまったかも。そんなに急いで売り出さなくてもいいだろうに。


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