バレエ雑記帳


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2002年年5月20日

映画『エトワール』を観た。

去年の秋に公開予定を知り、前売りも早々と買ってからずっと楽しみにしていたのだが、しかしまたなんで、ここまで一般受けしているのかがいまひとつ謎である。こんなにバレエファンって多かったんだろうか。いやいや、バレエというより、パリ、オペラ座、初、という言葉がオシャレっぽく響くんだろうか。じつは、1回観にいったら激混みで諦め、今回はリベンジなのだった。さすがに、公開から2ヶ月近くたっていたので、余裕だった。が、それでも平日とは思えない混雑ぶり。

で、内容は、お気に入りのダンサー、実際に公演を観たことがあるダンサーがたくさん出ているので、バレエファンの私にはおもしろかった。でも、バレエをふだん観ない人には、はたして本当におもしろいのか、というような単調なドキュメンタリー。(私自身は、『テルミン』がつまらなくて寝てしまったクチなのである。)カメラワークもあまりうまくなくて、特に最初に楽屋口へ入っていく様子は、気持ち悪くなるくらいぐわんぐわん揺れていた。

プラテルのさよなら公演、ルテステュの白鳥、せっかくだから、コールドばかりじゃなくて、主役も見せてよーー!と思うことしばしば。映画の趣旨には反しているのだろうが、音楽を聴いただけでオデットが今どういう踊りをしているかわかるだけに、ムラムラしてしまうのだ。マルティネスがじつは心臓疾患を抱えているのにはびっくり。ああ、どうか体に気をつけてできるだけ長く踊っていただきたい。

2001年4月12日

映画『センターステージ』の試写会に行った。

『リトル・ダンサー』といい、ここのところ、バレエもの続きである。『リトル・ダンサー』は、親子愛とか、伝統的な役割の打破とか、ダンスにからめた物語の部分がよかったけれど、「ダンス」として見ると、これぞバレエ!!という満足感は今ひとつだった。バレエというより、タップダンスがメインだったし、バレエ学校での部分は割愛されていた。

この『センターステージ』は、『リトル・ダンサー』には無かった部分、名門バレエ学校に入り、卒業するまでの苦労や葛藤、そして、プロとして旅立つまでが描かれている。選ばれた人たちが、さらにせめぎ合い、数少ないパイ<上のバレエ団への入団許可>を競って日夜しごかれ、汗と涙を流す。でも、いわゆる日本のスポ根成功物語と違うのは、きっちり「若者」として青春を謳歌する姿も平行してあることだ。悲壮感をけっして漂わせず、自分で選んだ夢に明るくまっしぐらなアメリカ人のパワーって、やはりすごいと思う。

「ダンス映画」として、見応え十分なのも、とても嬉しい。イーサン・スティーフィルもジュリー・ケント(ともに、アメリカン・バレエ・シアターのプリンシパル)も、生で観たことなかったのだが、ふたりともすごく華やかで美しいダンサー。特に、主役のスティーフィルの超絶技巧は見事。この人、どんな役柄にも合いそう。

ヒロインのアマンダ・シュルは、典型的なアメリカの女の子だった。はつらつとした陽性な踊りは観ていて気持ちよかった。いまは、サンフランシスコ・バレエでコールドをおどっているんだそうだが、どこまで伸びるのか、楽しみである。

2001年2月5日

映画『リトル・ダンサー』を観た。詳細はこちら

2000.1.29

神保町バレエフォーラムにいった。ゲストは田中ルリさん、聞き手は桜井多佳子さん

まるで、バレエマンガのヒロインのような人である。ふだんは、はにかみやで人見知りするというのに、ひとたび踊り出すと別人格がとびだす。どんなに袖で緊張していても、一歩舞台に足を踏み出したら、一気にはじけてしまう。とにかくバレエが大好きで、大怪我をしたときも(ひざのおさらが、ぺこんととれてしまって、大手術をうけた)、バレエができなくなるなんてことは、一瞬たりとも考えなかった。落ち込むヒマなど一切もたず、柔軟、(故障していない足で)バーレッスンなど、その時できることをただひたすらやる。そして、お医者さんも恐れおののく勢いでリハビリして、退院したのだそうだ。

このバレエが好きゆえの、前向きなパワーがすごい。去年の「眠り」で、リラの精を踊ったときのこと。もともと人見知りするルリさんが熊川哲也さんに初めて会ったとき、緊張しまくってやっとこ挨拶をしたら「普段は人見知りでもいいけど、舞台でリラがそんなんじゃ話にならないから、やめてくれよ」とキッパリ言われた。それで、萎縮してしまったかといういえば、正反対である。俄然闘志をもやしてリハーサルにいどみ、結果的に熊川さんにとても気に入られて色々アドバイスをもらったという。

世界バレエ&モダンダンスコンクール他、貴重なビデオをたっぷり見せていただいた。海賊、エスメラルダ、オーロラ、グラン・パ・クラシックなど、もうどれも迫力と華がある。リラの精は去年からよく踊っているが、じつは、オーロラが大好きでいつかやりたいそうである。「この時、すごく楽しくて、気持ちよく踊れたんです」「ここのあたりが一番好きなんです」など、ほんとうに嬉し楽しそうに解説をする姿がとても印象的だった。コンクールの時のモダン作品も2点観た。さすがはハンブルグに留学していただけあって、コンテンポラリーも大好きといことだ。

素顔のルリさんは、すごくお茶目で素直でかわいらしい女性だった。人見知りというわりには、とても気さくで、さりげなく気配りができる人である。優雅で暖かさにあふれたリラの精は、そんな彼女の人柄から生まれたのだと納得した。

余談であるが、ルリさん、大柄なのかと思っていたら、なんと身長163センチということである。手脚が長くて、踊りもスケールが大きいから、なおさら実際より大きく見えるのだろう。

  

写真は、田中ルリさんご本人の了解を得て掲載しています。

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2001年1月16日

神保町に、北沢書店という洋書屋があって、そこで「神保町バレエフォーラム」というイベントがちょくちょく開催されている。評論家、振付家、ダンサーなどの講演会なのだが、初めて参加することにした。ゲストは田中ルリさん。いま私が一押しのダンサーである。

彼女の2月の「白鳥の湖」と3月の「眠れる森の美女」(リラの精)がなにより楽しみである。なんせ、「眠り」は、主役じゃなくて、田中さんで観る日を決めたくらいですから。