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高橋 RE:RE:感想など(長文) 2000年04月10日(月)10時05分38秒
ワーカー Re: 感想など (長文) 2000年04月10日(月)07時12分05秒
高橋さん、コメントありがとうございます。ワーカーです。
At 05:53 +0900 2000.04.09, In Article "Re: 文献資料につい
て ", I wrote:
: 分かりにくい書き方をして、すみません。 Colin Wilson は論外
: としても、過去記事にあげられている、 J. G. Bennett, Louis
: Pauwels, James Webb, Idries Shah, Rafael Lefort (pseud.),
: Boris Mouravieff, そしてこの掲示板では取り上げられていませ
: んでしたが、 Pamela Travers など、 Gurdjieff の伝記・逸話
: や「源流捜し」は、出版された当初から、その内容に関して様々
: な批判がなされています。
高橋さん wrote:
: 「源流捜し」に対して「出版された当初から」「様々な批判」を
: しているのはたぶんグルジェフ・ファウンデーションの人々で
: しょうが、具体的にどんなものがあるのか知らないので、過去の
: 書き込みでは触れることができませんでした。
ここで、私が「源流捜し」という言葉が指すものを明示しな
かったために、私の意図とは違う形で、この「源流捜し」という
言葉が解釈されてしまったことが、今回の高橋さんのコメントの
論調に大きく響く結果になってしまったと思います。
私が「源流捜し」という言葉で表していたのは、 Gurdjieff の
思想や System の「源流」を捜すことです。この「源流」を「
Gurdjieff の言動・著作のみに依って構成される思想とその正当
な流れ」というように解釈されたように受け取られるのですが、
いかがでしょうか。
Pauwels や Lefort などの著作は、第三者による検証が不可能な
証拠や、推測でもって書かれている部分が多いという批判は、
Foundation 系の内外に関係なく、出版当初から指摘されていま
した。
Sufi, Gnosis, ギリシア正教、古代ギリシア哲学、チベット密教
などなどの Gurdjieff の思想の「源流捜し」の部分についても
批判があったということを書いたもので、特に Foundation 系の
人々のみが拒否反応を起こすような内容についてではありませ
ん。
I wrote:
: 直接の弟子に関しても、 J. G. Bennett をはじめ、孫弟子に当
: たる Maurice Nicoll, Rodney Collin などには、独自の思想が
: かなり混入しており、そのことを踏まえずにテキストを読むと誤
: 解を生じる部分があります。 William Patrick Patterson
: (Bennett の弟子 ) は、よい本も書いていますが、「源流捜し」
: に関しては、一種独特な持論を展開しています。
高橋さん wrote:
: J. G. Bennett 、Maurice Nicoll、 Rodney Collinに独自の思想
: が混入しているのはその通りですが、彼らを一様に「亜流」とし
: て片付けるわけにはいかないと私は思っています。特にウスペン
: スキー〜モーリス・ニコールの流れには学ぶに値する多くのもの
: が含まれていると思います。William Patrick Pattersonについ
: ては、どんな「独特の持論」を持っているのか知らないので何と
: も言えませんが、“正統派”の目からは“異端”に属する人なの
: でしょうか。
この「亜流」という表現も、私の「源流捜し」という表現の不適
切さから生じた、「源流」の反意語として使っていらっしゃるの
ではないでしょうか。私は前回の文章で、独自の「展開」という
表現を使用しているように、「亜流」などという扱いをしていま
せん。「異端」などの言葉はもちろん使っていませんし、そのよ
うな考えもありません。
Patterson の「源流捜し」に関する「独特の持論」というのは、
上に書いたように Gurdjieff の思想の源流に関してです。その
時期その時期に、源流の推測には流行があって、 Gurdjieff 存
命当時からあったのが、 Shah や Subud 関係に取り上げられる
Sufi 源流説、それから「 Gurjieff = ドルジェフ」説にあるよ
うにチベットの「秘密僧院」源流説でした。
Shah, Bennett, Subud の絡みでは、それぞれ Sufi に関連づけ
ることで、利害関係が発生するので、その主張は今ではほとんど
聞かれません。 Bennett が Shah に「騙され」て、土地建物や
自分のグループを失ったこと、 Bennett が Subud に弟子入りし
たことなどで、その関心は一気に冷めてしまいました。
「 Gurdjieff = ドルジェフ」説に関しては、 James Webb の
"The Harmonious Circle" で、年代が合わないことが指摘されて
います。それでも、 Gurdjieff がロシアの諜報活動員としてチ
ベットに潜入していたという可能性は依然指摘されていますが、
思想の「源流」としての根拠としては扱われなくなってきまし
た。
その後、 "Mouravieff Phenomenon" とも Patterson に酷評され
ている "Eastan Orthodoxy" 源流説が急浮上してきて、前田樹子
さんもこの説に同調した本を書いていますが、これも、この説を
唱えることで Mouravieff に利害関係があったことと、 Eastan
Orthodoxy と Gurdjieff を結びつけるには、根拠に欠けること
などによって、確かにこれは Foundation 系の論者に見られる傾
向ですが、現在はあまり取り上げられていません。
そして、私もよく分からないのですが、現在注目されているの
が、なぜか Patterson によって主張されているエジプト源流説
です。単行本としてはまだ出ていませんが、その説を主張してい
る幾つかの文章と彼のナレーションが入ったヴィデオテープがあ
ります。しかし、どれも核心部分は暈していて、他の諸説と同じ
く決定的な根拠に欠けています。
それから、 Patterson は、決して「異端」とは見なされていま
せん。彼は、 Bennett - A. G. E. Blake ("Beelzebub" や
"Fragments" の "Guide and Index" を作成・編集したことでも
有名 ) の流れに属する人で、 Gurdjieff Foundation の創始者
である故John Pentland 卿とも繋がりのあった人です。
確かに Patterson のエジプト源流説はかなり疑問視されていま
すが、それまでの "Eating the 'I'", "Ladies of the Rope",
"Struggle of the Magicians", "Taking with the Left Hand"
などの著作は、割と高い評価を受けています。
余談になりますが、私の先程の Enneagram についての投稿に関
連することですが、この Bennett, A. G. E. Blake とも、
Enneagram に関する本を書いています。過去記事の参考文献には
あがっていなったので、追加しておきます ([1][2][3]) 。
I wrote:
: これはご存じだと思いますが、 Ouspensky の "System" の解説
: にしても、 Gurdjieff と決別してから独自の「展開」が見ら
: れ、 Gurdjieff の思想を純粋に調べたいならば、 Ouspensky の
: 著作は "Fragments" しか参照しなくてもよいという意見さえあ
: るぐらいです。
高橋さん wrote:
: その観点からすると、「グルジェフ・ウスペンスキーのシステ
: ム」という言い方は間違いということになるのでしょう。ワー
: カーさんご自身はそれについてどうお考えなのか興味あるところ
: です。
もはや繰り返す必要はないかと思いますが、この文脈は「源流」
云々の話とは、もはや関係がありません。 Gurdjieff の弟子達
のその後の思想的「展開」も亜流や異端とは見なしていないとい
うことも、もう一度断っておきます。
私自身の見解としては、 "Fragments" 以外の Ouspensky の
The Fourth Way 関係の著作は、 "Gurdjieff - Ouspensky
System" と誰もが呼べると思っています。まさに Ousepnsky の
「展開」が不可分に含まれているからです。 "Fragments" に関
しては、 Gurdjieff の言行録と Ouspensky 自身の思索とを
はっきりと分離して書いてありますので、そういう意味では、逆
に Gurdjieff と Ousepnsky の System に関する見方の相違点な
ども先鋭化してきて、興味深いところです。
"Fragments" を "Gurdjieff - Ouspensky System" と見なすかど
うかは、次の点をどう見るかといういうことにも関わっていると
思います。すなわち、 Gurdjieff がロシアに現れた時点で彼の
思想や System が完成していたかどうかです。
確かに The Work の形態やそれぞれの次期における各 The Work
の比重は、その時期に依って随分と違います。それを、彼の「完
成された」教えを西欧文明の元に生まれた人々にどう適応するか
に変遷があったと見るのか、彼の思想 System 自体も「発展・実
験段階」であったと見るのかという問題に関わってきます。
現在の様々な人名辞典やオカルト史研究書では、ほとんど全てが
後者の意見になっており、それに加えて Gurdjieff は、「後継
者の養成に失敗した」ということになっています。そのような観
点からすると、 Gurdjieff の System は未完であったというこ
とになり、その思想の発展段階にとても大きく関わったというこ
とで、 "Gurdjieff - Ouspensky System" というように全く同格
に扱っても構わないと思います。
Ouspensky 自身、 Gurdjieff から教わったことは、 Guejidff
自身が知っている中のほんの僅かなことであるし、当
Gurdjieff も、もはや Esoteric な繋がりを失ってしまったとこ
ぼしていたという逸話もあり、そのような意味でも、 Gudjieff
すら断片的にしか持っていなかったかもしれない秘教的な思想を
西洋人に分かりやすい形に体系化した内容を "Gurdjieff -
Ouspensky System" と呼んでもいいし、呼ぶべきだとも思ってい
ます。
ただ、それ以降の各弟子の思想的「展開」は、 Gurdjiff の預か
り知るところではないので、 "-" で示される内容は、「共作」
という意味ではなく、「展開」、「流れ」という意味で使用する
方がよいと思っています。
I wrote:
: 以上のように、それぞれの著作を後代の研究者たちがどのように
: 評価し、扱っているのか、それぞれの著者がどのような人物で、
: どのような意図を持って、どのような読者を対象に書かれたの
: か、その著作にどれぐらい著者の思想の「展開」が反映されてい
: るのか、などを知っておく方が ( 知っていれば併記した方が )
: 誤解が少なくなるかと思います。
高橋さん wrote:
: 少し疑問に感じたのですが、「後代の研究者たち」というのはそ
: れぞれの個人の思想に対して本当に客観的な判断を下しているの
: でしょうか。文献を引用する際にいちいちそういう評価を併記す
: るのは、かえって読者にいらぬ先入観を持たせることになるので
: はないかという気もします。
個人の思想に対して「客観的」であるというのは、研究者の大半
が主体的に The Fourth Way に関わっている性質がある以上、学
問としての哲学や思想の研究以上に、成立し得ない部分があると
思います。
この引用されている私の文章も大変分かりにくくなっており、こ
ちらの意図に反するように解釈されてしまった恐れがあります。
「それぞれの著作を」というのは、前に書いている Pawuels や
Lefort などのことです。「それぞれの著者が〜」も同じくそう
です。
ですから、後代の研究者達が「それぞれの著作」をどのように
扱っているのかということを知っておくということは、分かり
やすく言うと、現在の研究者達は「一般的に」そのような著作
をどのように評価し、扱っているのかという、広い意味での研
究者達のほぼ一致する「総意」なり「常識」なりを抑えておい
た方がいい、ということを言いたかったのです。
もちろん文献資料としての扱い方に関しても、「後代の研究者た
ち」にもいろいろな立場があるので、主観が入ることは否めませ
んが、近年の論文形式にされているものに関しては、文献学的、
史学的な考証が加えられている場合が多いので、初期の著作ほど
曖昧な論拠や推測に基づく結論は少なくなっていると思っていま
す。
私としては、「後代の研究者たち」にしても、その人がアカデミ
ズムに身を置く人なのか、それとも The Fourth Way 関係のいず
れかのグループに身を置く人なのか、などの情報は併記しても、
読者に「いらぬ」先入観を与えることにはならないと考えていま
す。
あくまで私の個人的なコメントですので、このことを特に主張し
たいわけではないですし、このことについて深く議論するつもり
はありませんでしたので、参考程度にとどめていただければ幸い
です。もちろん、更なるコメントは歓迎します。
I wrote:
: ただ、これらのことは、出版されている文献を集めても見えてこ
: ない部分もありますので、やむを得ないこともあると思います。
: そういう部分で補えることがあれば、私が知っていることなどほ
: んの僅かですが、今後もコメントさせていただくことがあるかも
: しれません。
高橋さん wrote:
: コメントの際には、どんな資料のどの箇所を根拠にしているかを
: 明示していただければありがたいです。
私の文章を引用していただいた部分を再読していただければ、理
解していただけると思いますが、私は、「ただ、これらのこと
は、出版されている文献を集めても見えてこない部分もあります
ので、やむを得ないこともあると思います。そういう部分で補え
ることがあれば、〜今後もコメントさせていただくことがあるか
もしれません。」と書いています。
ですから、そういう面でのコメントに関しては、文献には載って
いない以上、参照資料や参照箇所を示せないのは、明らかです。
勿論、何かを断言して主張するときには、第三者が参照可能な参
照元を示して述べるつもりです。
少し話が脱線するようですが、私は海外での Gurdjieff
Foundation 系の人々と、それ以外のグループに属する人々、ま
たそれらの伝統に属さないグループに属する人々などの不毛な議
論を長年見てきました。
その中で目立つのはやはり、 Foudation 系の人々の正統派意識
の高さやその硬直した態度と、それ以外の人たちの Foudation
系の人々が見せるそのような態度への批判という構図でした。或
いは、「伝統の上に胡座をかいているが何の成果もあげていな
い」 Foundation 系の人々に対して、自分たちの方がより柔軟
な "Method" を持っていると主張するグループと、あくまでそれ
を「正統派」の論理で矯正しようとする Foundation 系の人々の
熱の入った使命感、という対立の構図もありました。
そのような構図をここに持ち込みたくはないし、私はどちらの立
場にも理解を示す形で、ここでは発言させていただきたいと
思っています。そういう意味では、私の発言は、全ての人が参照
可能な資料だけに基づいたことしか書かない方がよいのかなとも
思いました。
私は、伝統の流れに属する人や一般の研究者やその他の方々から
様々な私的な資料や遺物を見せてもらったり、話を聞いたりはし
ていますが、そういうことを話すのを Foudation 系の人々の鼻
持ちならない態度と重なって、「鼻につく」のであれば、私はそ
のように見られて有益なやりとりが阻害されるのは本意ではない
し、そうなるなら、控えようと思います。
以上、長文になりましたが、私のここでの基本的な態度と、前回
のこちらの書き方の不備から生じた「源流捜し」等の言葉の取り
方の相違に関連する私の推測と説明は、だいたい理解していただ
けたかと思います。
それでは、高橋さんをはじめ、皆様のさらなるコメントをお待ち
しています。
[1] J. G. Bennett, Enneagram Studies, Samuel Weiser,
1983, 133p., ISBN 0-87728-544-6
[2] J. G. Bennett, The Planetary Enneagram, Santa Fe:
Bennet Books, 1990, ISBN 0-9621901-3-6
[3] A. G. E. Blake, The Intelligent Enneagram, Boston:
Shambhala, 1996, 391p., ISBN 1-57062-213-2ワーカー Re: 文献資料とエニアグラム 2000年04月10日(月)07時06分50秒
小森さん、お返事ありがとうございます。ワーカーです。
小森さん wrote:
: この、エニアグラムに関する話も、おうかがいしたいです。
: エニアグラム関連の本は、日本でもちょっとしたブームで、
: 鈴木秀子さんらの「九つの性格」などベストセラーになっていま
: す。グルジェフが源流のはずなのに、全然オリジナルにふれてい
: ないエニアグラム書の流行に疑問を感じているところでもありま
: すし。
まず、 Ichazo の "Enneagon" と Gurdjieff の Enneagram の関
係について、最新の資料である、
* William Patrick Patterson, Taking with the Left Hand:
Origin of Enneagram, Fellowship of Friends, & Esoteric
Christianity, Telos, 1995, 176p., ISBN 1-879514-10-9
を御一読下さい。ここでは、 Ichazo の "Enneagon" は、
Gurdjieff からの「盗用」であるとし、 Ichazo と The Fourth
Way group との関わり、 Ichazo が 1950 年には "Fragments",
"Tertium Organum" のコピーを譲り受けていたことなどが記され
ています。
この本には書かれていなかったと思いますが、この時期に既に
Ouspensky と決別した Rodney Collin が南米に来ています。そ
して、 Rodney Collin の著作の中には人間の「タイプ」を
Enneagram を当てはめたものが既に存在しているようなのです
( 未確認 ) 。
Collin がこの時期に南米に来ていたことが、即 Ichazo と接触
したという推測には繋がりませんが、この Collin の類型論と
Ichazo - Naranjo の流れにおける "Enneagon" の性格類型論の
整備史の資料が手に入れば、その内容を比較することに
よって、 Collin -> Ichazo への影響が窺えるかもしれません。
これ以上のことは、まだ発表・刊行されていませんし、滅多なこ
とは言えないのですが、次の私の高橋さんへの返答とも関わるの
ですが、まだ共通して参照できる文献なり資料が用意されていな
い以上、私はこういうことについての発言をしない方がいいのか
もしれません。
ところで、話が連想で飛びますが、この頃、ブラジルに現れた、
明らかに The Frouth Way の影響を受けた教えを説き始めた人物
に、 Samael Aun Weor という人がいます。 Gnosis Center の主
催者で、日本にも「ノーシス」という団体名で支部が入ってきて
います。
Weor の "Gnostic Psychology( 邦訳『ノ−シス心理革命』ミチ
コ・ネリ訳 新泉社 (1983) 189p., ISBN:4787798022)" などを
読むと、 "Fragments" の影響が非常に強く現れています。今、
手元にこの本がないのですが、確か原書の初版が 1950 年ぐらい
でした。
この本によると、 Weor は、 1949 年に日本で言う薬事法違反の
ような罪で、服役しています。この間かその後にブラジルで
"Fragments" の本かコピーを入手していたと思われます。
このような例もある中で、 Ichazo の "Ennagon" の出所も当然
推測されるわけですが、どのような訴状による裁判でどのような
判決が出たのかは知りませんが、 Ichazo からの Enneagram が
Gurdjieff のそれとは分けて扱われている以上、その共通のルー
ツとして Sufi 等の、それこそ根拠薄弱な推測で、そのルーツが
語られているのを甘んじて享受するしかないのだろうか、とも
思っています。
私個人としては、 The Fourth Way group と Ichazo の接触以外
に、上に書いた Collin の類型論との関係を調査してみたいと
思っています。高橋 感想など 2000年04月09日(日)22時35分03秒
小森 文献資料とエニアグラム 2000年04月09日(日)13時53分19秒
ワーカー Re: 文献資料について 2000年04月09日(日)05時53分52秒
小森さん、お返事ありがとうございます。ワーカーです。
小森さん wrote:
: さきほど”BRIDGE12"とかいう、ウスペンスキーが作者名の謎の
: 文献を、古書オークションで発見したので注文したのですが、ウ
: スペンスキーに限っても、私家版、関連文献の森は深いのだと痛
: 感しました。
その資料は、
* The Bridge: P. D Ouspensky Commemorative Issue, London:
The Study Society, 1997, 257p.
のことだと思います。これも Ouspensky の没後 50 年を記念し
て出されたものです。多数の論者が Ouspensky に関する文章や
論文を寄せたものです。いろいろ参考になることが多いと思いま
す。
: この掲示板をどこ経由でご発見になりましたか? 検索ページで
: しょうか。グルジェフ関連のページがいくつかありますが、そこ
: からここへリンクはっているところは知らないし──。「日本
: で」というご発言からすると、もしかして海外におられる方で
: しょうか?
年に何度か WWW のサーチエンジンで、 The Fourth Way に関連
する幾つかのキーワードで検索していまして、先日それで引っか
かりました。それから、今は私は日本にいます。
: このご発言の後半は、ちょっとよくわからないところがありま
: した。文献資料を援用していた、過去の私や、高橋さんの発言に
: 関して、こういう内容を添え書きした方がよい、ということで
: しょうか?
: たとえばコリン・ウィルソンは、文献資料的にはいい加減な人だ
: から、その証言はあまり信用がおけない、とかそういうことを添
: えた方がよいということでしょうか。
分かりにくい書き方をして、すみません。 Colin Wilson は論外
としても、過去記事にあげられている、 J. G. Bennett, Louis
Pauwels, James Webb, Idries Shah, Rafael Lefort (pseud.),
Boris Mouravieff, そしてこの掲示板では取り上げられていませ
んでしたが、 Pamela Travers など、 Gurdjieff の伝記・逸話
や「源流捜し」は、出版された当初から、その内容に関して様々
な批判がなされています。
「源流捜し」の件は、書き出すと長くなるので措きますが、伝記
関係の真偽に関しては、最も信頼できるものとして ( 問題がな
いわけではありませんが ) 、
* James Moore, Gurdjieff: The Anatomy of a Myth: A
Biography, Massachusettu: Element Books, 1991, 415p.
を参考にして下さい。 Moore は、 Gurdjieff Foundation のイ
ギリス支部のリーダーの一人で、相当量の資料を駆使して、従来
の想像や虚偽が入り交じって書かれた Gurdjiff の生涯を少しは
見えやすくしてくれています。
また、 Shah, Mouravieff ( 後継者の Robin Amis), Robert
Burton などは、 Gurdjieff とは関係なく、自分自身が「秘教的
なグループ」を持っていた人で、 Gurdjieffian や "The
System" に関心を持つ人たちを自分のグループに惹きつけるため
の内容が多分に含まれており、参考にするに当たっては、その内
容をしっかり吟味する必要があります。
直接の弟子に関しても、 J. G. Bennett をはじめ、孫弟子に当
たる Maurice Nicoll, Rodney Collin などには、独自の思想が
かなり混入しており、そのことを踏まえずにテキストを読むと誤
解を生じる部分があります。 William Patrick Patterson
(Bennett の弟子 ) は、よい本も書いていますが、「源流捜し」
に関しては、一種独特な持論を展開しています。
これはご存じだと思いますが、 Ouspensky の "System" の解説
にしても、 Gurdjieff と決別してから独自の「展開」が見ら
れ、 Gurdjieff の思想を純粋に調べたいならば、 Ouspensky の
著作は "Fragments" しか参照しなくてもよいという意見さえあ
るぐらいです。
以上のように、それぞれの著作を後代の研究者たちがどのように
評価し、扱っているのか、それぞれの著者がどのような人物で、
どのような意図を持って、どのような読者を対象に書かれたの
か、その著作にどれぐらい著者の思想の「展開」が反映されてい
るのか、などを知っておく方が ( 知っていれば併記した方が )
誤解が少なくなるかと思います。
これは、 Gurdjieff や Ouspensky の思想や伝記関係以外にも、
近代オカルト史における神智学や Guejieff の流れの位置づけや
関係についての議論についても言えます。
ただ、これらのことは、出版されている文献を集めても見えてこ
ない部分もありますので、やむを得ないこともあると思います。
そういう部分で補えることがあれば、私が知っていることなどほ
んの僅かですが、今後もコメントさせていただくことがあるかも
しれません。
長くなりそうなので、やや抽象的な書き方をさせていただきまし
たが、私がコメントしたかったことが少しでも明瞭になっていれ
ば幸いです。小森 POEMS OF SACRIFICE 2000年04月09日(日)03時02分06秒
高橋 ターシャム・オルガヌム(42) 2000年04月08日(土)22時24分00秒
小森 ハーモニアス・サークル(7)外と内の革命 2000年04月08日(土)19時01分28秒
小森 RE:文献資料について (was Re: はじめまして) 2000年04月08日(土)03時27分27秒
ワーカー Re: 初めまして 2000年04月08日(土)02時39分45秒
高橋さん、お返事ありがとうございます。ワーカーです。 At 23:50 2000.04.07, 高橋さん wrote: : もしよろしかったら私のHPへの感想や意見などもお聞かせ下さい。 どの項目に関しても、興味を持ちました。残念ながら全て dead link になっているようですので、見られるようになり次第、読 ませていただきます。
ワーカー 文献資料について (was Re: はじめまして) 2000年04月08日(土)02時30分24秒
小森さん、お返事ありがとうございます。ワーカーです。著作リ
ストの件、お急ぎのようですので、簡潔に書いておきます。
At 13:55 2000.04.07, 小森さん wrote:
: 刊行予定の『ターシャム』の巻末に私は著作リストを付したので
: すが、そこにあげられてない本がいくつかあります。他の本に吸
: 収合併されているものは取り上げなくてもよいという観点でリス
: トアップしたのですが──
: さっそく。聞きたいことが山積していますが、まず。
: "Notes on the Gospel of Saint John",
: ↑この本は目録では見たことがありましたが、入手できなかった
: 本です。『新しい宇宙像』のなかの「キリスト教と福音書」の章
: に重なるのでは? と推測していたのですが、現物を見てないの
: で、わからなかった本です。
: "New Horizons: Explorations in Science",
: "Poems of Sacrifice"
: ↑上の二冊も目録では見たことがあるのですが、本が手に入らな
: いので、わからなかったものです。前者は編集著作かとも思って
: 省きましたが、後者はウェブの伝記に言及があり「こんな本刊行
: されたの? 」と疑問に思っていた本です。
: よかったら上の本の初刊時の刊行年と出版社をご教示ください。
: リストに加えたいと思います。
結論から言いますと、上記の 3 点の資料に関しては、巻末リス
トに載せる必要はないと思います。私が把握している各文献の情
報を書いた上で、その理由を説明します ( 題名、発行年は初版
のもの ) 。
[1] Notes on St. John's Gospel, Mexico City: Ediciones
Sol, 1949, 27p.
[2] New Horizons: Explorations in Science, Globe Press,
1990, 220p.
[3] Poems of Sacrifice, Oregon House: Always and
Everywhere Publishing, 1997
資料 [1] は、 "A New Model of the Universe" とは別物で
す。 "Mexico" という国名から想像されるかもしれませんが、
Ouspkensky の弟子の Rodney Collin が Ouspensky の死後に出
版したものです。
この時期には、 Collin は既に Ouspensky の妻との諍いも
あって、 Ouspensky とは決別していますので、ひょっとすると
無断で出版したものかもしれません。内容は明らかに
Gurdjieff の息がかかったもので、 "A New Model of the
Universe" のものとは違います。
また機会があれば書くかもしれませんが、恐らくこの Rodney
Collin 経由で、 Oscar Ichazo の Enneagon -> Enneagram の変
形の流れがあったようです。
資料 [2] は、 "A New Model of the Universe" からの抜粋でし
た。
資料 [3] は、恐らく Ouspensky の没後 50 年を記念して出され
たもので、 Yale Univ. の P. D. Ouspensky Memorial
Collection から発見された、 Ouspensky の初期の未刊行の小
説 "Atis, the Bloodless Sacrifice" の中にあった三つの詩を
抜き出した小冊子です。
関係者向きに 250 部限定で、手作りで製本されたものですの
で、一般の販路には流れていないかもしれません。
以上、一般に出回っておらず、発行部数も少なく、抜粋されたも
のであることから、巻末リストに入れる必要はないと思いま
す。 Ouspensky 関係はこのようなものが多く、他にも数十点ほ
どありますが、それが後に単行本に纏められているものもありま
す。
: コメントしたいところがいろいろあったとのことですが、時間の
: かなりたった旧発言に関しても、間違ったことや、私らの知らな
: いことの指摘などあったら、簡単でも教えていただけると幸いで
: す。
やはり、コメントしたいことがあまりにも多いのと、コメント内
容が掲示板で公にすることではないことも少なくないため、コメ
ントはこれからのものに限らせていただきたいと思います。
コメントしたかったことの内容で、共通する要素を纏めると数種
類に絞られるのですが、その中でも最も多いのは、文献資料の扱
いについてです。その資料の著者の経歴、後代の一般的な評価な
どを添えた形で、参照、紹介、コメント、比較したほうがよいと
思います。
しかし、これらの事情は刊行物から明らかにならないことも多い
ので、無理のないことだと思います。それらのことに関しても、
触れられる部分に関しては、今後コメントしていきたいと思いま
す。
以上、簡単な内容でしたが、参考にしていただければ、幸いで
す。高橋 RE:はじめまして 2000年04月07日(金)23時50分46秒
小森 2000年04月07日(金)13時55分53秒
ワーカー 初めまして 2000年04月07日(金)06時43分34秒
小森 RE: “Teachers of Gurdjieff”について 2000年04月06日(木)22時17分15秒
高橋 “Teachers of Gurdjieff”について 2000年04月06日(木)21時57分32秒
高橋 RES 2000年04月05日(水)23時50分17秒
小森 ハーモニアス・サークル(6)奇蹟の探索 2000年04月05日(水)20時43分06秒
小森 コリン・ウィルソンの立場 2000年04月05日(水)18時41分18秒
小森 グルジェフとウスペンスキーの訣別 2000年04月05日(水)03時06分50秒
小森 祝!「ターシャム」刊行決定! 2000年04月05日(水)02時58分14秒
高橋 お知らせ 2000年04月04日(火)19時15分05秒
高橋 BLAVATKY NET 2000年04月02日(日)21時24分38秒
小森 試しに一節 2000年04月02日(日)14時30分09秒
小森 なんとブラバツキー全集が 2000年04月02日(日)14時12分17秒
DMT ブラバツキーの全著作が 2000年04月02日(日)12時17分26秒
小森 変更 2000年04月01日(土)23時57分22秒
小森 修正 2000年04月01日(土)22時18分08秒
DMT RE:面白いサイト 2000年04月01日(土)21時53分51秒
小森 ニードルマンというと 2000年04月01日(土)21時15分43秒
高橋 書店 2000年04月01日(土)20時30分26秒
小森 プラサード書店 2000年04月01日(土)20時22分53秒
高橋 “The Teachers of Gurdjieff”と“Ladies of the Rope” 2000年04月01日(土)17時14分47秒
高橋 RE:表紙画像 2000年03月31日(金)23時48分43秒
小森 表紙画像 2000年03月31日(金)19時42分22秒
小森 ベネットの遍歴 2000年03月30日(木)20時30分27秒
高橋 J.G.ベネット 2000年03月30日(木)19時12分32秒
小森 ベネットの訳書 2000年03月29日(水)23時44分55秒
高橋 ターシャム・オルガヌム(41) 四次元の性質 2000年03月29日(水)23時07分45秒
高橋 ターシャム・オルガヌム(40) 四次元のシンメトリー 2000年03月26日(日)22時11分10秒