情報公開プロジェクト(ディスクロージャー・プロジェクト)に関する私見(1)
高橋 弘泰
今年の5月9日、米国ワシントン・プレス・クラブで歴史的な記者会見が開かれた。米国の医師スティーブ・グレア氏を中心とする「ディスクロージャー・プロジェクト(情報公開運動)」というグループが主催したもので、米国政府に対してUFO・ETに関する情報公開を求める運動の一環として行われたものである。そこでは20人を超える元政府・軍・情報機関関係者がUFO・ETの機密に関する彼ら自身の知識と体験を語った。彼らの主張およびその背景については
このサイトを参照してほしい。
私の考えでは、この運動は歴史的必然であり、短期的(1,2年以内)な効果は期待できなくとも、中長期的(今から5,6年かそれ以上)には米国およびその他の政府は高まりゆく世論の圧力によって何らかの対応を強いられることになるだろう。
スティーブ・グレア氏はUFO・ET問題の核心を掴んでいるように思われる。彼の強みは、政府高官や軍関係者への確実なパイプを持っていることであり、UFO・ET問題を実際にコントロールしている隠れたグループの一部とも接触があるということである。彼および周囲の人間が決定的な身の危険を感じることなく(多かれ少なかれ危険はあるのだろうが)この活動を続けて行くことが出来るのは、一つにはグレア氏が「隠れたグループ」の内部にある意見の対立のバランスの上に立って行動しているからだろう。
実際、UFO・ETに関する秘密を保持しているグループ内部においても、これ以上情報を隠し続けるべきではないという意見を持つ者たちもいると言われる。グレア氏はそうした人々の背後からの支援を受けながら活動しているものと思われる。
さらに、これは私の個人的推測だが、グレア氏は、ET自身とある程度の接触を持ち、彼らの意向に沿って活動を進めているのではないか。
ET側から見れば、ディスクロージャー・プロジェクトの活動は地球人類との関係構築に向けてのアプローチの第三段階にあたる。
第一段階は、1930年代後半から1940年代後半に向けて行われた、各国政府への直接的アプローチである。ロズウェル事件に代表されるような、彼らの存在を政府機関に公に認めさせるための行動がET側によって大々的に取られた。(ちなみに、ロズウェル事件は米軍の撃墜の結果だったとグレア氏は主張しているが、私はあれをET側による一種の自己犠牲的行為であったと考えている。)
しかしこのアプローチが不発に終わったため(つまり政府がETの存在を公に認めるのを拒んだため)、第二段階として、世界各地で一般市民への直接的なアプローチが行われた。その中には、アダムスキーに代表されるような「コンタクティー」の役割を担った人々がおり、彼らを通してETに関する真実の啓発とその大衆的な普及が意図された。
第二段階のアプローチの結果として、今度は地球人類の側から(主に大衆レベルで)ETへの働きかけがさまざまな形で行われるようになった。ETはそれに応える形で、可能な場合にはアプローチを図り、人類からの呼びかけをさらに鼓舞しようとした。
第三段階は、人類の意識を鼓舞することによって、大衆に彼ら自身の政府に対してETに関する情報公開を要求させることである。ディスクロージャー・プロジェクトは現時点でこのアプローチの焦点となっている。グレア氏は彼の役割を明確に認識しており、彼のグループの活動が最も効果を上げるようなやり方でこの運動を進める意図を持っている。
この運動が成功するか否かは、それがUFO・ET情報の公開に向けてどれだけの世論を喚起できるか、言いかえれば、われわれ一般市民がどれほどこの活動に関心を持つかにかかっている。今回の記者会見とそれに引き続く全米各地でのシンポジウムその他のイベントに一般市民としてのわれわれがどれだけ反応するかを、ET達は非常に注意深く見守っているに違いない。
グレア氏が二つの論文(
「UFO情報公開:環境、世界平和、世界の貧困と人間の未来にとっての意味」と「UFO・ET問題についての秘密主義を理解する」)の中で繰り返し主張しているとおり、この問題は単なる哲学的思弁や世界情勢における枝葉の問題ではなく、非常に切迫した社会問題と密接に結びついている。つまり、世界のエネルギー問題、環境問題、南北問題、経済危機、人口問題などの根本的解決につながるラディカルな問題提起を含んでいるのである。また逆にいえば、だからこそこの問題は真実を知る人々によって徹底的に忌避されてきたとも言える。
現代文明はどん詰まりの状態にある。このことは少しでも物を考えることのできる人々にとっては明らかな事実である。このままいけば人類は21世紀を乗り越えることはできないだろう。現代文明のテクノロジーが生み出した危機は新たなテクノロジーによって解決しうると楽観的に考える人々もいる。しかし、現在の化石燃料(石油、ガス、石炭)に代わる新たなエネルギー代替案はまだ開発されていない。残余の燃料資源が枯渇するまでにそれが実用化されないならば、近い将来、世界にはまさに地獄絵図が展開することになろう。
しかしグレア氏は、そうしたテクノロジーはすでに存在する、と主張する。問題は、世界がそれを公に認め、これまでの世界の政治的、経済的、社会的激変に乗り出す勇気があるかどうかである、と。
最初に述べたとおり、情報公開運動は歴史的必然の中で生じたものであり、この勢いを止めることは誰にも出来ない。いったん動き出した歴史の歯車を逆に戻すことはできないのである。
ただし、その勢いとスピードはわれわれ自身の手にかかっている。
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