『ターシャム・オルガヌム 第三の思考規範 世界の謎への鍵』

(高橋弘泰訳、小森健太朗解説・コスモスライブラリー)(2000)

 

ロシアの知の魔術。アリストテレス、ベーコンを凌駕する驚異の知の体系。20世紀神秘哲学最高の古典の完訳。

グルジェフをして、「君がこの本に書いてあることを理解していたら、私は君におじぎをして教えを乞うだろう」と言わしめた本書は、カント哲学のまったく新しい解釈を含み、神秘主義と哲学の融合を図った、ウスペンスキーの代表作である。世界の神秘を解き明かす鍵がここにある。

第三ミレニアム必携の書。(帯より)

目 次

ウスペンスキーの「ターシャム・オルガヌム」の神秘とロマンス (クロード・ブラグドン)

英語版への序文 (クロード・ブラグドン)

著者による第二版への序文

第1章 我々は何を知っているのか

我々は何を知り、何を知らないのか:既知のデータと未知のデータ:未知の特質を既知の特質とみなす:物質と運動:実証主義哲学が到達したものは何か:未知の特質の同一性:x=y、y=x:我々は実際に何を知っているのか:我々の内部の意識の存在と我々の外部の世界の存在:二元論か一元論か:主観的認識と客観的認識:感覚の諸原因はどこに存するのか:カントの体系:時間と空間:マッハの観察:実証主義者が実際に扱っているもの

第2章 空間感覚の進化と四次元

カントの問題に関する新たな見解:ヒントンの著書:「空間感覚」とその進化:多色立方体を使う訓練による四次元感覚発達のシステム:空間の幾何学的概念:三つの垂線:なぜ垂線は三本なのか:物理的、超物理的事実:存在の徴:観念の実在性:物質と運動の存在の不完全な証拠:物質と運動は善悪の観念と同じく論理的概念である

第3章 三次元と四次元のアナロジー

三次元空間内の幾何学的関係を研究することで四次元の何を知ることができるのか:三次元体と四次元体の関係とは何か:三次元体の、その中に含まれない方向への運動の跡としての四次元体:無限数の三次元体から構成される四次元体:四次元体の断面としての三次元体:三次元と四次元の部分体と全体:四次元体は三次元体では測定できない:四次元直線の断面としての物質原子

第4章 時間とは何か、運動とは何か

四次元はどの方向にあるのか:運動とは何か:二つの種類の運動―空間における運動と時間における運動:時間とは何か:現在、過去、未来:感覚認識に関するヴントの見解:人生を手探りで進む:我々はなぜ過去と未来を見ないのか:空間の新しい広がりとその空間における運動:時間の概念に含まれる二つの観念:空間の第四次元としての時間:運動の観念抜きに四次元の観念を理解するのは不可能である:運動の観念と「時間感覚」:空間感覚の限界(表面)としての「時間感覚」:時間の四次元空間への翻訳というリーマンの考え方:表面張力の法則に関するヒントンの見解:表面としての「エーテル」

第5章 時間体としての四次元体

四次元空間:「時間体」―リンガ・サリラ:誕生から死までの人体の形:三次元体と四次元体の測定不能性:ニュートンの流体:世界における一定不変の量の非現実性:三次元空間と四次元空間の右手と左手:三次元空間と四次元空間の違い:二つの異なる空間ではなく、同一の世界の異なる二つの知覚様式

第6章 二次元世界

高次元世界を調べる方法:架空の多次元世界間のアナロジー:線上の一次元世界:一次元世界の「空間」と「時間」:面上の二次元世界:二次元存在の「空間」「時間」「エーテル」、「物質」と「運動」:面上の実在と錯覚:「角度」を見ることができない:運動としての「角度」:二次元存在が三次元世界の物体の機能を理解することはできない:二次元世界の現象と本質:いかに平面存在は三次元を理解するか

第7章 次元の問題と数学

次元の数学的定義の不可能性:なぜ数学は次元を感じないのか:累乗による次元の定義はまったく慣習的なものである:すべての累乗を直線上に表現することは可能である:カントとロバチェフスキー:非ユークリッド幾何学と超幾何学の違い:カントの考えが正しいとすれば、世界の三次元性の根拠をどこに求めればいいのか:世界の三次元的条件は我々の知覚器官、我々の心にあるのではないか

第8章 感覚、表象、概念

我々の知覚器官:感覚、表象、概念:未来の言語としての芸術:世界の三次元性はどの程度まで我々の知覚器官の特性に依存しているのか:何がこの依存性を証明するのか:この依存性の真の確証をどこに見出せるか:動物の心理学:動物は人間とどう違うか:反射:細胞の刺激感受性:本能:快―不快:感情的思考:概念の欠如:動物の言語:動物の論理:動物の中の異なった知性のレベル:ガチョウ、猫、犬、猿

第9章 動物の心理学

動物と人間による世界の知覚:動物の錯覚と知覚の支配力の欠如:動く面の世界:運動としての角度と曲線:運動としての三次元:動物にとっての三次元世界の二次元的現れ:実在する二次元存在としての動物:一次元存在としての下等動物:カタツムリの時間と空間:未発達な空間感覚としての時間感覚:犬の時間と空間:精神構造の変化と共に起こる世界の変化:カントの問題の証明:錯覚による表象としての三次元世界

第10章 時間の空間化

時間の空間的理解:我々の生活における四次元の角度と曲線:本当に運動は存在するのか、しないのか:機械的運動と「生命」:高次の空間で進行する運動の表現としての生物的現象:空間感覚の進化:空間感覚の成長と時間感覚の消滅:時間感覚の空間感覚への翻訳:我々の概念と言語が提示する障害:時間概念を空間的に表現する方法を見つける必要がある:四次元についての科学の見解:四次元体:四次元の領域

第11章 科学と四次元問題

科学と四次元の問題:1911年メンデレーフ会議でのN.Aウーモフ教授の論文「現代自然科学思想の特徴と課題」:新しい物理学:電磁理論:相対性原理:アインシュタインとミンコフスキーの仕事:過去と未来の同時的存在:永遠の今:ヴァン・マーネンのオカルト体験についての本:四次元物体の図

第12章 現象と本質

現象の分析:現象の異なった秩序を決定するものは何か:ある現象から別の現象に移行する方法と様式:運動現象:生命現象:意識現象:我々の世界知覚の中心的問題「他の現象を生み出す最初の現象はどちらか」:運動はすべての始まりとなりうるか:エネルギー変容の法則:潜在的エネルギーの単純な変容と解放:さまざまな現象の異なった解放力:機械的エネルギーの力、生きた細胞の力、観念の力:三次元世界の現象と本質

第13章 実証主義の限界

生命の明らかな側面と隠れた側面:生命の現象側面の研究としての実証主義:実証主義哲学の「二次元性」を構成するものは何か:すべてを一つの面、一つの物理的連続として思い描く:地下を流れる水流:現象としての生命の研究が与えるものは何か:科学が自分のために築いた人工的世界:完結し孤立した現象は実際には存在しない:新しい世界観

第14章 石の声 

石の声:教会の壁と刑務所の壁:船のマストと絞首台:死刑執行人の影と聖者の影:死刑執行人の魂と聖者の魂:我々に知られている現象の高次空間における組み合わせ:分離して見える現象の関連性と同じに見える現象の違い:本質世界にいかにアプローチすべきか:時間と空間のカテゴリーの外部にある事物の理解:非常に多くの「話す形」の現実性:エネルギーの秘教的理解:ヒンズー秘教徒の手紙:本質世界の認識としての芸術:我々が見るものと見ないもの:洞窟についてのプラトンの対話

第15章 愛と死

秘教と愛:愛と死:死の問題と愛の問題に対する異なった態度:我々の愛の理解には何が欠けているのか:日常の心理学的現象としての愛:愛の宗教的理解の可能性:愛の創造的力:愛の否定:愛からの逃避:愛と神秘主義:愛の「奇跡」:エドワード・カーペンターとニーチェの愛についての見解

第16章 霊と物質

人間の現象的側面と本質的側面:「自分自身の中の人間」:人間の内的側面をどうやって知るか:我々と違う空間条件における意識の存在を知ることができるか:頭脳と意識:世界の統一性:霊と物質が同時に存在することは論理的に不可能である:すべてが霊かすべてが物質かのどちらかである:自然と人間生命における合理的活動と非合理的活動:非合理的活動と合理的活動は共に存在できるか:偶然生まれた機械的玩具としての世界:機械的宇宙に意識は存在し得ない:機械的システムに介入する人間意識の事実:世界の他の断面の意識:それについてどうやって知ることができるか:「霊」についてのカントの見解:不可視の世界の認識についてのスピノザの見解:本質世界では何が可能で何が不可能かを知的に定義する必要がある

第17章 生命としての宇宙

生きた知的な宇宙:知性の異なった形態と系統:生気ある自然:石の魂と木々の魂:森の魂:集合的知性としての人間の「私」:複合的な存在としての人間:実体としての「人類」:世界の魂:「マハデーヴァ」の顔:生気ある世界についてのジェームズ教授の見解:フェヒナーの考え方:「ゼンダヴェスタ」:生きている地球

第18章 生命と知識

知性と生命:生命と知識:知性と感情:知識を得るための道具としての感情:知識の観点からの感情の進化:純粋な感情と不純な感情:個人的感情と超個人的感情:真の知識に近づく方法としての自己中心的要素の除去:「幼子のようであれ…」「心貧しき者は幸いなり」:知識の観点からの道徳の価値:知性主義の欠陥:知的文化の頂点としての「ドレッドノート」:道徳主義の危険性:道徳的美学:感情的知識の組織化された形態としての宗教と芸術:神の知識と美の知識

第19章 海を飲み込む水滴

知的手法:客観的知識:客観的知識の限界:心理学的手法の適用による知識拡大の可能性:新しい知識の形態:プロティヌスの考え:意識の異なった形態:眠り(意識の潜在的状態):夢(自分自身の中に閉じこもった意識、自分自身の反映):目覚めた意識(世界の二元的感覚):恍惚(「自分自身の外に出る」):「トゥリヤ」(すべてを自分自身と感じる絶対意識):「海を飲み込む水滴」:「ニルヴァーナ」

第20章 無限

無限の感覚:初心者の最初の試練:耐え難い悲しみ:現実的なすべてのものの喪失:動物が人間になるときに何を経験するか:新しい論理学への移行:現象世界の観察に基づいた我々の論理学:本質世界を研究するのにその論理学は使えない:新しい論理学の必要性:論理学と数学における類似した公理:二つの数学:真の数量(無限で可変的)を扱う数学と架空の数量(有限で一定不変)を扱う数学:超無限数――無限を超えたところにある数字:異なった無限の可能性

第21章 ターシャム・オルガヌム:第三の思考規範

本質へのアプローチのために現象の論理を捨てる必要がある:我々は詩や神秘主義を通してのみ原因の世界に近づくということを科学は認めなければならない:無限の恐怖を克服するためには信仰と愛による準備が必要である:「心貧しき」の真の意味:アリストテレスの「オルガノン」、ベーコンの「ノヴム・オルガヌム」、そして、しばしば忘れられるが、他の論理よりも先に存在し、生命の隠れた側面への鍵である「ターシャム・オルガヌム」:二次元の「イドラ」を捨て、原因の世界の特性を列挙する試みの必要性

第22章 神秘主義

マックス・ミュラーの「神智学」:古代インド:ヴェーダンタ哲学:タット・ヴァン・アシ:現実としての拡大された意識による知覚:さまざまな時代や民族の神秘主義:体験の同質性:神秘主義への鍵としての「ターシャム・オルガヌム」:本質世界の徴:理解されざる高次の論理体系としてのプロティヌスの論文「英知的な美について」:ヤコブ・ベーメの啓明体験:「それぞれの弦が別個の楽器でありながら、全体として一つである、多くの弦を持つハープ」:フィロカリアの神秘主義、聖アヴァ・ドロテウス他:アレクサンドリアのクレメント:老子と荘子:「道の光」と「沈黙の声」:イスラム神秘主義:スーフィの詩:麻酔剤の影響による神秘状態:「麻酔的啓示」:ジェームズ教授の実験:「時間」に関するドストエフスキーの見解(「白痴」):自然が人間の魂に及ぼす影響

第23章 宇宙意識と新しい人種

バック博士の「宇宙意識」:バック博士の言う意識の三つの状態:単純意識、動物の意識:自己意識、人間の意識:宇宙意識:それは何の中に現れるのか:感覚、表象、概念、高次の道徳概念−創造的理解:宇宙意識を持つ人:アダムの堕落:善悪の知識:キリストと人間の救済:バック博士の本に関するコメント:新しい人類の誕生:二つの人種:超人:意識表現の四つの形態についての表

結び   

訳者あとがき

解説 (小森健太朗)

 

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