メリーさんの初心者
バードウオッチング

キジバトの巣造り

キジバトの巣造りはこっけいなものがある。庭をヨチヨチヨチと歩く。体をゆすって歩くその姿はまるでペンギンのようだ。そして小枝をくわえたらバタバタと巣に飛び立つ。又ヨチヨチ歩いて、枝を見つけては巣にまっしぐら。このことを知らなかったメリーさん、キジバトにバカにされたのかと思った。何回も何回も窓の右から左へ、ヨチヨチヨチヨチ歩く姿ばかり見せられた。「何羽いるの? これってクイズ? 目の錯覚?」メリーさんは目をこすって何度の見入った。そしてようやくそのことを理解した。

キジバトはツガイで交代しながら仲良く卵を温める。交代の時は互いに鳴き合う。何を話しているのかメリーさんはわからない。卵の様子を報告しているのか、はたまた餌がどこにあるかを教えあっているのか、今度の交代はいつにするか等を話しているのだろうか。

キジバトは必ず2個の卵を生む。最初は白いが、そのうち褐色の斑点が現れ、全体も褐色になる。約半月で雛に孵る。最初はグレー色だが、だんだんと乳白色の産毛で覆われる。この頃になると親鳥は雛の餌探しに大忙し。成長に伴って巣を空ける時間も長くなる。そして親鳥は窮屈になった巣に入る時、何度となく座り直す。メリーさんは目を細めて眺めている。

ある時メリーさんはいたずらを思いたった。雛に手を近づけるとどうなるか・・と。すると雛たちはピーピーと大きな口をあけ、親と間違えて餌をねだる。かわいそうに思ったメリーさん、それ以後やめたようだ。

それにしてもキジバトの巣は他の鳥の巣と違って実にお粗末だ。小枝を皿状に荒く敷いただけだ。強風に耐えられず卵を落とすことも多い。もみじの木に作った時は雛が烏に狙われ食べられてしまった。それに懲りて今度は正木(木の種類)に巣を造った。葉が年中よく茂り見つけにくい。しかし今度は蛇に食べられた。朝ガサガサと物音がして外に出てみると、親鳩が声も出さず必死に抵抗している。見ると巣の中から首を大きく膨らました蛇がこちらを見ている。メリーさんは慌ててモーさん(メリーさんの相棒)に大声で叫ぶ。「ギャァ〜、ヘビ〜!」と。体調1m20cmほどの細い蛇だ。自分の顔の3倍ほどある卵を食べるなんて許せない。モーさんにお灸を据えてもらった。それ以後親鳥はもう1個の卵を残したまま戻ってこなかった。そこでメリーさんはホカロンで暖めたが雛は孵らなかった。それにしても自然界には外敵が多い。メリーさんはちゃんと庭に埋葬してあげた。

この恐い思い出のためキジバトは寄り付かないと思ったが、時折様子を見に来て、数ヵ月後に又卵を温めだした。鳩はよく卵を産むというがまさに一年中繁殖期だ。何の修復もないまま同じ巣を使う。そして結局巣の間から卵を落としてしまった。鳩は学習をしないのだろうか・・・。今度は頑丈な巣を作ろうと。見かねたメリーさんはキジバトの巣をフカフカにしてあげた。キジバトが好みそうな小枝を選んで、しかも周りは他から見えないように枯葉で覆った。そしてちゃんと軍手をして匂いがつかないようにしたのにキジバトは気に入ってくれない。ちょっと座ってみても長居はしない。きっと出来栄えが違うのだろう。

それにしてもメリーさんはキジバトが大好きだ。何故ならば家に来てくれるから、なじみに思っているのだろう。そしてメリーさんはキジバトが街のドバトと違って品位があると自慢する。しかも遠くにいてもキジバトの鳴き声を聞き取り、心の中でつぶやいている。「メリーさんの巣に戻ってきて!」と。

大河ドラマ等で音響にキジバトの鳴き声が入っているだけで嬉しくなるメリーさん。そんなメリーさん、いろいろな鳥たちと話をしたくて、鳥の鳴き声を真似してみる。だが鳥たちは一向にかまってくれず、いつもガッカリする。でもメリーさんは信じている。いつかきっと沢山の鳥たちが巣を造って雛をかえし、巣立たせ、又その鳥たちが戻ってきて卵を温めることを。そして鳥たちと話ができることを。

今日もフムフムと空を眺めご機嫌なメリーさんなのだ。