卒業してゆく皆さんへ

 世の中、多くの人間がひしめいている中で、ここにいる皆さんがクラスメートとなり、私の生徒となったのは、思えば不思議なめぐり合わせです。
 中学生の皆さんと過ごしたこの三年間は、満開の桜のように、朗らかで希望に満ちたものでした。受験を言い訳にして、変に尖ったりするようなこともなく、常に和やかな雰囲気が教室に溢れていましたね。過去三年間の授業で、笑い声の上がらない日は、ただの一度もありませんでした。
 いやな試験日でさえ、ギャグの材料にして邁進し、失敗すればすぐ反省し、あとはキレイさっぱりと忘れ去り、その失敗をまたギャグネタに仕立てては、みんなで大口あけて喜んだものでしたね。
 このように、けっして奢らず、あせらず、自分のペースを守って努力してきた勤勉な皆さんを、心から誇りに思います。皆さんの冗談と笑い声は、私のエネルギーの源でした。それは、中学生時代の私が持っていなかったものに対する、憧れだったのかもしれません。
 どうか、このセンセイの悪いところは反面教師として受け取り、わずかでも良いところがあったなら、楽しい思い出として心の奥にしまっておいてください。
 親愛なる皆さん、ご卒業おめでとうございます。皆さんの幸福をお祈りするとともに、マリアナ海溝よりも深い感謝と、グランドキャニオンのごときぶ厚い友情を捧げます。

                     平成**年 三月*日

                 三年栄組 担任  大口 笑子