02年9月11日のテーマ 土地や株で金儲けできるか

土地も株も安いときに買って高いときに売れば儲かる。
当たり前のことである。
だが儲かるといっても1度限りのことで、継続的に商売、職業として行うことはまず不可能である。 特に土地の場合出来ない。
検証してみよう。
嘗て土地は、上昇率はその時時で異なるものの、一貫して上がり続け、バブル崩壊後は下がり続けている。その性格からして短期的に上下するものではない。
土地の先物取引などないから、土地で儲けるためには上昇相場でなければならない。
そこで次のような計算式が成り立つ。
坪百万円の土地を百坪、一億円で購入したとしよう。
売買手数料、不動産取得税、登記料、その他諸経費で10%ぐらいかかるから、コストは一億一千万円である。
この土地が、五割値上がりして一億五千万円で売れたとしよう。
利益は四千万円、これに26%の所得税地方税(これは長期保有の場合で短期であれば税率はもっと高い)がかかるから手元には約一億三千万円残る。
この限りにおいては、三千万円儲かったことになる。
だがこの行為を繰り返すことができるだろうか。
この一億三千万円で、売買のための土地を買うとすれば、土地の単価は百五十万円に値上がりしているから、86坪ぐらいしか買えない。 この時点で、金額はともかく、土地の絶対数量は目減りしているわけである。
この土地が坪二百万円に値上がりして売ったとすれば、上記のようにコストや税金を差し引いて計算すれば、ニ千万円ほど増え、手持ちの資金は一億五千万円となって当初の一億円からすれば5千万円の利益である。
価格が2倍になっているのに手取りは五割増に過ぎない。
だからこの金額では、75坪の土地しか手に入らない。
途中で1度売買しないで、100坪の土地をそのまま持ち続けていれば、売値は二億円となり、同様の計算で、約一億七千万円の手取りとなるはずである。
つまり、売買をするという行為が、実際の儲けを少なくしているのである。
だから商売として継続的に売買するということは意味がないということになる。
バブル崩壊後のように、値下がりすれば目も当てられないことになる。
これが日常の消費財であれば、物価が安定して値上がりしなくても、1個100円で仕入れたものを150円で売るという行為を、繰り返しすることができるから、商売になる。
その時々で値上がり値下がりが有れば影響は受けるが、一時的なものにすぎない。
これとは異なり土地は、資産の形成という点では意味があるが、商売としての売買の対象とはなりえないのである。
売買さえしなければ、手数料や税金をとられないから、買った100坪の土地はそのまま残る。
値上がりしようが値下がりしようが実物100坪の土地,消えてなくならない。
では株の場合はどうだろうか。
これも消費材ではないから、基本的には土地と同じような構造となる。
ただ土地と違って、値上がり値下がりの変動が激しいから、しかも景気と連動するから安いときに買って高いときに売り、それが値下がりしたときにまた買う、ということができる。
しかしこれとても至難の業である。
1株100円の株を150円で売ったとしても、通常の商売のようにすぐさま同じ株を100円で仕入れることはできない。
それどころか円150で売った株が200円300円になるかもしれない。
1回限りの売買ならともかく、本当に儲かったということは、しばらく待ってもしその株が100円になったときに買い戻せれば、初めてその差額の50円がもうかったということになる。
だが仮にそれができたとしても、その株が50円に値下がりしてしまえば、150円で売った儲けは飛んでしまったことになる。
だから本当に安心して儲かったといえるのは、100円で買った株を150円で売り、その株が100円に下がったところで買い戻し、また150円に上がったところで売り、またまた100円に下がったところで買う、ぐらいの芸当ができた場合である。
手数料や税金の壁は土地ほどではないにしてやはりあるから、冒頭で述べたように基本的に1回限りの売買が1番もうかるということになる。
素人の投資家が、値下がりした株を売ることができずにいつまでも持っていることを、塩漬けと称して馬鹿にするが、株価は日々動くし、株を1番安いところで買い、1番高いところで売ることなど絶対にできないのだから、この塩漬けと言う長期保有が存外リーズナブルなのである。
売買を頻繁に繰り返せば、結局土地の場合と同じようなメカニズムが働いて、損をしてしまう。(儲け損なう)
このように、土地にしても株にしても、器用に売買して儲けることはおよそ困難だから、余裕のある資金で、資産形成のための長期保有が1番妥当な方法である。
ただ今日、土地も株も、これだけ下がると投資(資産形成)のチャンス到来と考えざるを得ない。
特に株の場合は、配当の利回りだけでも買えるようになったのだから、政府が盛んに個人向けに国債を売りつけようとしているのには目もくれず、株を買って長期保有すべきと思う。
そもそも政府は、NTTの株を放出し、これを買った国民のほとんどに大損させて平然としているのだから、このことから想定しても政府の勧める国際的に格付けの低い国債など買えば、痛い目にあうことは目に見えている。
3年5年たてば結果ははっきり出るだろう。

以   上

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