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株価が下げ止まらない。
アメリカの景気不安、それに伴う株安、イラク攻撃に対する不安、などが大きく影響して日本の株価も安値を更新し続けている。
ついこの間までは、日経平均が一万五千円を割れば破綻する大手銀行が出るだろう、一万二千円なら金融パニックと騒いでいたが、ついにTOPIXは千円、日経平均は一万円を下回り容易ならざる事態となった。(もっとも今はペイオフの是非を議論しているだけだ)
果たして今後株価はどうなるのだろうか。
このパスカルの論評では、今年の株価は前半に高い局面はあるものの後半に安くなるという例年通りのパターンになるだろうと予想したが、その通りとなりつつある。
日本の景気については、長期では絶望的だが目先は回復する、それも円安による輸出の増大が大きな原因となると予測した。
その兆候は見えかけたが、どうも雲行きが怪しい。
だから株価に良い材料はないといえる。
円安が進行し、輸出産業が活気ずく、輸入品高により物価は上昇しデフレスパイラルから抜け出せるというのが読みであったが、円安どころか円高に戻ってきている。
もはやアメリカではイラク攻撃は今年中に始まるということが常識化しているようだが、これには世界中が反対している。
アメリカの言うことなら何でも聞く日本ですら、この点についた腰が引けているようだ。
このような状況で戦争を仕掛ければ、長期化は避けられず、ドルの垂れ流しによりドル安は一気にに進行するだろう。
簡単に終わったと思えるアフガニスタンでさえも、戦後の処理には手間取っているし、いまだに内戦の状態だという。
ビンラデインもオマルもいまだに捕らえられていないし、死んだかどうかも不明なようではいつまた復活するかわからない。
イラクのフセインを失脚させるのはそう簡単ではないだろうし、仮に成功したとしてもアメリカに都合のよい安定政権など出来ると思えない。
戦争が長期化すれば世界の経済は混乱するはずである。
これでは日本の景気もよくならないし、株にも良い影響を与えない。
昔は戦争は買いの材料だったが、今では売りの材料である。
だがしかし、このようにどこを向いてもお先真っ暗という時こそ、株は買いなのである。
バブルの時代を思いだしてほしい。
土地も株も現在の3倍ぐらいの価格をしていたのだが、ほとんどの人がそれを疑わず、もっと値上がりすると思っていた。
ところがバブルがはじけてしまうと、価格が高すぎたという理由が山ほど出てきた。
例えば土地の価格は収益性を考えなければいけないのであって、その土地を利用することによって、例えばビルやマンションを建てて賃貸に回してもペイするものでなければいけないのだから、土地の価格が高すぎることは常識として分からなければいけないのだ、といった調子だった。
だが当時は、収益性はそっちのけで将来の値上がりだけを考えていたのだ。
そこで言いたい。
今土地や株の値段は収益性の面からみてどうだろうか。
土地の価格は、駐車場にするだけで10年物国債よりか利回りがよいところが都内にごろごろしている。
株も無配の会社は別として配当の利回りだけで銀行預金よりも良い所がほとんどである。
何も将来の成長など考慮する必要はない。
ゴルフの会員権でも、三百万も出せば一流のコースのメンバーになれる。
ステイタスもさることながら、今でもメンバーと一般会員との料金の差は最低でも五千円はあるから、月に1度コースに出たら六万円の節約になる。利回りにして2%年会費を考慮に入れても銀行預金よりもはるかに得である。
ではなぜ誰もが土地や株やゴルフの会員権を買おうとしないのだろうか。
それは値下がりが怖いのだ。
ちょうどバブルのころ、収益性は無視して値上がりだけを考えていたのと同じように、今は収益性ではなく値下がりだけを心配しているのだ。
バブルのころ価格が高すぎて異常だったように、今は安すぎて異常だと言って差し支えない。
だからこのような状態がそんなに長く続くはずはない。
イラクで戦争が始まろうが、アメリカの景気が悪くなろうが、日本の国債の発行状況を考えればこれ以上円高が進行するとも思えないし、収益の高い輸出産業で利回りのよいものがあったら、株を買ってもよいのではないだろうか。
それにつけてもアメリカのブッシュ大統領はパレスチナ問題に手を焼いて、ここから目をそらすためにイラクと戦争を始めるようだが、アメリカや世界にとって、もちろん日本にとって良いことはひとつもないと予告しておく。
世の中は失うものがない状態が最も強いのであって、戦争に勝っても、テロリストは増える一方、大儀のために命を投げ出すことなど平気な者はいくらでもいる。
戦争中に育った筆者にはこの心理状態がよくわかるが、損得主義拝金主義しか知らない近ごろのアメリカや日本の連中では理解できないだろう。
以 上
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