01年12月3日のテーマ 孤軍奮闘小泉首相頑張れ

日本の構造改革は、すべての人や組織が総論賛成各論反対であるという。
つまり、改革はしなければならないが、自分の利害に反することは絶対反対というわけである。
いいかげんにしろと言いたい。

戦争中は、国のためなら自分が死んでも構わない、と皆思っていたではないか。
その考えが良いか悪いかは別として、50年もたつとこうも人間の考えは変わってしまうものなのだろうか。
小泉首相は世論(つまり総論)を背景に懸命に頑張っている。
なにしろ改革をしようとするところは、その関係者つまり役人どもが案を取りまとめ、族議員があれこれと審議するのだから、当事者たちにできるだけ不利にならないような案が出てくるのは当たり前であり、当然族議員も自分たちやその後援者の権益が損なわれることには反対する。
道路公団などは、この欄でも再三批判してきたが、かつての行政改革の旗振り橋本龍太郎や野中、古賀といったボスたちが懸命に改革に抵抗している。
黒字なのだから改革する必要はない、道路は計画通り作るべきだというわけである。
黒字といったって毎年莫大な国費を投入し、それを利子も配当もいらない資本勘定にしているのだから当然である。
世界一高い料金を取り、それで高速道路の維持費や借金の利息が払えないようなら、そんな道路は不必要なのだ。
それにもかかわらず本州四国連絡橋や東京湾横断道路は大赤字だという。こういう橋はこれにつながる陸路の利用も増えるから必ずしも単体では評価すべきでないないかもしれないが、そもそも当初からの交通量の見通しが甘かったのだ。
北海道や沖縄そして北陸や東北地方の高速道路の交通量は驚くほど少ない。そもそも一般国道だってそんなに混んでいないのに、高速道路を作れば地域振興となり経済が活性化するなどという理論は成り立たない。
比較的交通量の多い関越方面にしても、関越トンネルを通らずに真っ黒な排ガスを吐き散らしながら三国峠を超える大型長距離トラックの列を見れば、いかに道路行政が間違っているかが分かる。
住宅金融公庫にしても、国から莫大な援助を受けて長期低利の融資をしているが、抵当権は1番なのだから楽なものである。
それでも不良債権がたくさんあるというのはどういうわけだ。
医療費の3割負担に医師会が懸命に反対している。日本の医療は崩壊するなどと言っている。
何も患者の負担に同情してのことではない。
医療の中身に患者が厳しくなったり,病院に来る患者の数が減ることを恐れているだけのことである。
現場の医者たちは病院に来る必要のない、家庭で十分に手当てのできる程度の患者が多すぎるといっているのにである。
それは患者にしても高い健康保険料を払ってなおかつ負担が増えるのは困る。
しかし健康保険が破綻すれば結局その負担は自分たちがしなければならないのだ。
同じことなのであり、受益者の負担が増えるのは結局合理的といえる。
低所得者にはそれなりに配慮もされるのだから、社会正義上もそれほど不公平ではないと思う。
このほかにも言いたいことは山ほどあるが、これら抵抗勢力の反対を指導力をもって押し切るのは、担当の大臣でなければならない。
その大臣たちがまことに情けない。

石原行革担当はひとつの案件に10以上のの改革案を小泉首相に示し、この中から選んでほしいと言ったという。君は大臣なのだから自分でもう少し案を絞って僕のところにもってこいと首相に言われたそうだ。
お笑い草もいいところで、民間企業ならそんなみっともないことをする者はいないはずである。
扇国土相も何回もこんな案じゃダメだと首相から付き返され、坂口厚生大臣のあの情けない顔を見ているとこれで改革ができるのかとこちらの方が情けなくなる。
そもそも、改革をしようとするならば、担当大臣は総理大臣よりも先鋭的でなければならない。
首相からそこまでやらなくてもよいではないかといわれるようでなくてはならない。
配下の役人や族議員たちに抵抗され、彼らと首相の間を行ったり来たりするようでは何のための大臣か、と言われても仕方がないだろう。
こんなことでは、首相一人に重圧がかかりすぎてしまう。
抵抗勢力に抵抗するのが首相一人では限界がある。
この大臣たちを任命したのは小泉首相なのだから、責任は彼にあるといえばその通りだが、考えようによっては、おろおろする大臣たちの方が、抵抗勢力と一緒になって反対する大臣よりはマシかもしれないし、今の政治家たちにこれはと思う人材が見当たらないのだから、自民党で変人と言われた小泉首相の孤軍奮闘に期待するほかないのかもしれない。
彼の支持基盤は世論だから、大いに後押しをしてぜひとも構造改革を成功させようではないか。

ただ、ひとつだけ苦言を呈すれば、彼は金融関係に少し甘いのではないかという気がする。
今日最も急を要する金融機関不良債権の処理に関し、彼の声があまり聞こえてこないと思うのは筆者だけだろうか。

以   上

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