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01年04月24日のテーマ 世界一強欲なばくちの胴元日本政府

 筆者は勝負ごとが好きである。囲碁将棋マージャンは言うに及ばず、競馬も趣味としている。酒もたばこもたしなまないから、日ごろのストレスの解消に大いに役立っているし、娯楽としても面白い。
世の中には、勝負ごとを、特にギャンブルを毛嫌いする人は多い。もっともなことではあると思う。親の死に目に会えないとか、特にギャンブルは、身を持ち崩して全財産をを失ったあげく、犯罪に手を出したりする諸悪の根源だという意見も根強い。
確かにそういうこともあるかもしれない。しかしそれはごくごく1部の人に限られている。アメリカのラスベガスには世界中から、多くは家族連れで、年間三千万人の訪問者があるというが、そのうちの何人が身を持ち崩してしまうというのであろうか。
人生にはさまざまな罠が仕掛けられている。ギャンブルで破滅するような人は、もしギャンブルがないとしても、人生のゲームにおいて破滅する可能性の高い人であると思う。
ギャンブルを非合法化しても、アメリカの禁酒法の時代のように、裏社会の人間を喜ばせるだけなのではないだろうか。
勝負ごとでも、囲碁将棋はともかく、マージャンなどはかけなければ面白くないのである。そして多くの人がこれを行い、自分のお楽しみとして、あるいは社交の1部として大きな効用をもたらしている。
日本でも政府公認の合法的なギャンブルはある。そしてそのすべては、官営のギャンブルである。
唯一例外は日本船舶振興協会の行うモーターボートレースであり、これ以外は競輪、地方競馬は地方自治体、中央競馬、宝くじ、サッカーくじは直接ではないにしても、その主体は日本政府そのものである。
これらは官営の外郭団体が、例えば中央競馬はJRA日本中央競馬会が主催し、莫大な収益を上げている。
農林省の役人の夢は中央競馬会に天下ることだといわれるほど、いずれも役人がうまい汁を吸えるありがたい団体なのである。
今官営事業の民営化が盛んに叫ばれているが、これらのギャンブル事業を民営化すべきだという声はあまり聞かれない。おそらくギャンブルのようなものは、政府や地方自治体に任せておいた方が安心だという考え方から来ているのであろうが、それは大きな錯覚である。
彼らはあまりにも大きな金額をギャンブル好きの一般大衆から巻き上げ、それを必要経費の名目で湯水のように使っているのである。特に中央競馬会にその弊害が著しい。
年間40日しかレースに使用しないスタンド(観客席)を大々的にしばしば改築する。勝ち馬投票システムや馬券発売機も頻繁に変更して、莫大な設備投資を行っている。
スタンドから馬場を眺めれば、1日に4,5、レースしかない芝生の馬場を、1レースごとに馬がひづめで荒らしたところをポカポカたたいて修復する作業に200人からの人間を動員している。ちなみに競馬の本場フランスのロンシャン競馬場ですらそのような作業するものは10人にみたない。芝生の性質が違うから荒れ具合いに差があると言いたいのかもしれないが、それだったら芝生を変えればいいだけの話である。
場内を見渡しても制服の係員だらけである。優勝した馬主や騎手の表彰式でも10人以上の制服のガードマンがものものしく警備している。G1レースならともかく、そんなの誰も見たいわけではないのだから、内輪でやればいいのである。
高速道路の休憩所と同じく食堂が日本一まずいのは、民間から多額の賃借料を取っているくせに値段を抑えているからに違いない。
このほか言いたいことは山ほどあるが、ここでは省略する。
ここで主張したいのは、このような官営のギャンブルが、あまりにも高すぎる控除率だということである。つまり平たく言えば、テラ銭があまりにも高いということある。
払い戻し率は、
競輪競馬のたぐいで75%
         宝くじ、サッカーくじで47%
という欧米諸国の人たちから見れば信じられない控除率なのである。
ちなみにアメリカのギャンブルの控除率を示しておく。(谷岡一郎著 ツキの法則)
         トトカルチョ      95%
           ルーレット      94.7%
         スロットマシン    95.8%
         ブラックジャック   96%−102%
また競馬のように経費のかかるものでも、欧米では払い戻し率は85%以上であると聞いている。
この日本だけの特殊な構造は、あまりにも一般大衆を馬鹿にした話であるが、こういうことはあまり議論されないのである。
サッカーくじ是か非かという議論は盛んにするが、その中身について議論されることは少ない。しかしこのように高い控除率で宝くじ、サッカーくじを買う人々は圧倒的に低所得層の人が多いという調査もあることだから、これらの控除が1種の税金であるとするならば、その逆進性は消費税どころの話ではないのである。
作家の安部譲二は、いわゆる博徒が素人相手にとばくを開帳した場合、もちろん非合法であるからとばく開帳図利罪に問われる、そしてもし、テラ銭を10%以上とると罪が一段と重くなって、詐欺罪に問われるといっている。つまり、テラ銭10%というのは、誰も儲けることが不可能なほど高いので、それは賭博ではなく詐欺とみなされるというわけである。
今サッカーくじは最高額の一億円が第1回目に出たといとうことで、人気が出ているようだが、この払い戻し率の悪さに目を向ければ、とても馬鹿馬鹿しくて買えるような代物ではないのである。
宝くじだろうと、サッカーくじであろうと、ギャンブルであることには変わりなく、主催が官営であるからといって、このような高額な控除をすることは、その金額がどんな目的で使われるにせよ、許されるべきではないのである。
ましてや、当選はたんなる偶然でしかない宝くじの宣伝で、当たった人の体験談を乗せ、こうしたら当たりましたとか、100枚以上買います、と言わせているのは、あたかもそうすれば当たるかのような錯覚を与えるもので、犯罪的である。
ラスヴェガスのギャンブルはすべて民営である。公営ギャンブルはすべて民営化し、政府や自治体はこの運営に一切口を差しはさまず、役人の天下りもせず、ただ一定の税金、売り上げの5%とか、利益の50%とかにすれば、無駄がなくなり、効率も上がり、面白くもなり、しかも配当も増えるという良いことずくめになると思うのだが、いかがだろうか。
庶民のささやかな楽しみから、途方もない高率な金額を巻き上げないで欲しいものである

以   上

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