今日(4月5日)の日本経済新聞に証券会社各社の業績の好調とそれに伴って大幅に増配するという記事が載った。
それにつけても思い出されるのは、倒産した山一證券、新日本証券等の証券会社である。
かつてオイルショック後の不況で証券会社が軒並み不況のあらしに見舞われたとき、時の大蔵大臣田中角栄は山一證券の救済に動き、日銀特融と大手銀行の協力によって、倒産を回避した。この時田中角栄は、日本人なら日本のことを考えろ、銀行のことばかり考えるな、と当時の銀行協会会長田実渉を怒鳴りつけたそうである。
田中角栄にも政治家として、また大臣としてそれなりの行動ができたのである。
彼はよい面も悪い面も併せ持った人間であったが、現在の政治家を見ると、悪い面ばかりが目立ち、ただただ世論の動向ばかりを気にして本当に日本のためになる行動力はないようだ。
思いだしてみてほしい。あの住専問題における六千九百億円の国庫からの支出に対してマスコミ、世論が大反対し、国を挙げての大騒ぎになったではないか。
このため山一や、北海道拓殖銀行への救済ができず、それが今日までの日本の不況が長引いた原因であるといっても過言ではない。
対策が後手後手に回ったため、土地や株の価格は暴落し、これが結果として銀行借り入れに対する担保不足を招き、不良債権が膨大なものとなり、この救済のために数十兆円の国家からの支出を余儀なくされているではないか。しかもこの支出に対してマスコミも世論も大騒ぎしないのはなぜだろうか。多少ブツブツ言う一方、もっと支出しろという声さえある。
六千九百億円を出し渋ったためにこのありさまだ。
筆者などは、あの時六千九百億円をあっさり出し、消費税を3%から5%にあげたりしなければ、日本の景気回復は3年から5年早まっていたはずだ、と信ずるものだ。
政治家が世論を気にするのは当然であるが、ここぞというときの決断ができなければ意味がないではないか。
先日NHKのテレビ番組で新宿のホームレスになっている元大手証券会社役員のことを報道していたが、現在の証券会社の好況と増配の記事を彼はどんな思いで読んでいるだろうか。
以上
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