自民党が前回の衆議院選挙で300議席獲得という圧勝をしたのは「郵政民営化是か非か」がテーマだったからであることは誰もが知っている。
なぜ国民は郵政民営化に賛成したのか。
郵貯や簡保で集めた膨大な資金が、利権に群がる政治家や官僚に無駄使いされていることを国民が知っていて、その根を断ち切る選択をしたのだ。
小泉自民党にみな投票したのだ。
そのおかげで当選したのに、何しろ途方も無く大きな利権の源泉だから、自民党の中でも「隠れ郵政民営化反対者」がたくさん居る。
その連中がだんだん正体を表してきて、郵政民営化の足を引っ張っている。
今簡保の宿一括払い下げ問題が話題になっているのがその象徴である。
鳩山総務大臣は、購入先オリックスの宮内会長は公的な立場で郵政民営化に関与していたから、「売却すべきではない」などと言っている。
ところが宮内会長は公的な立場で関与していないのだ。
宮内氏は規制改革会議の議長であったから、郵政民営化を推進した経済財政諮問会議と多少の関連はあったであろうが直接政策の立案に関与したわけではない。
勿論郵政民営化の賛成論者だったであろうが、それなら筆者だってそうだ。
政府関連の仕事をしたら政府関係の仕事が一切出来ないのなら、政府は民間の智恵を借りることなど一切できなくなるではないか。
また百歩譲って、仮に関与していたとしても、競争入札に参加できないという理屈はどこからも出ないはずだ。
こんな大臣の暴論がまかり通るなら、これは北朝鮮の世界である。
また2400億かけた施設を競争入札(20社くらい参加したと聞く)の最高値であるとしても、109億(雇用を守るという条件付)では安すぎるなどといっている。
競争入札の最高値なのだから、結局売却しない、ということになるではないか。
民主党やマスコミもこれに同調しているようだがこれもおかしい。
かつて雇用保険や年金がこれと同じようなことをして、多額の費用をかけたホテルや宿泊施設が百分の一、千分の一で売却されたとき、民主党やマスコミはそのような安値で売却せざるを得なくなった役所の無駄ずかいを非難したが、安すぎるからやめろとは主張しなかったではないか。
かんぽの宿は毎年40億円から50億円の赤字だという。
これは利権の温床だからだと推定できる。
およそ赤字は人件費(生産性)、仕入れ価格および維持経費と売価との差額で発生する。
親方日の丸のもとでは天下りや特定業者とのつながりを断ち切れない。
おそらく建設費も割高だったろう。
このような不良債権の売却は国民の負担を減らす意味で必須のことなのだ。
だから売却を推進すべき立場の大臣が反対するのは国民に対する背信行為である。
郵政は株式会社化されたとはいえ、まだ政府が100%株を持っている。
既得権益を守りたい政治家や役人が民営化を何とか阻もうとしている動きの一環として捕らえると判りやすい。
経営努力をしろといっているが、それが出来るとでも思っているのだろうか。
組織の温存は結局利権の温存である。
なぜ鳩山大臣はこんな暴論を振りかざしても反対するのだろうか。
裏に盟友麻生首相の影がちらつくという人も居る。
なるほど改革反対、逆コースまっしぐらのこの内閣のことを考えると、さもありなんとも思う。
今日本は正念場を迎えている
これは金融不安のことではない。
日本の産業のことである。
資源に乏しい日本は製造業のみならず農業、商業を含めた産業立国で無ければならないのだ。
そのためには規制の緩和、既得権の排除、公正な自由競争、は必須の条件である。
そのために多少のひずみは出る。
そのひずみを最小限にしながらも、それを乗り越え、世界との競争に勝たねば日本の未来は無いのだ。
世界に遅れをとれば(もう遅れている)日本の国内の問題を解決できないことを悟るべきだ。
幸い日本は戦争をしない国だ。
いわゆる正義のための戦争は多くの若者の死を招く。
産業立国によって生じる問題は、いってみれば誰かが多少損をするかしないかというこれと比べると矮小なものだ。
生死の問題とほとんど係わらない。
トータルでは日本全体に大きな利益をもたらす。
だが失敗すれば窮乏化して、それこそ生死に係わってくる。
日本全体が豊かにならないで、乏しい資産(資金)の奪い合いばかりしていれば、その末路は悲惨である。
それにしても、今の日本の現状をみると、溜め息が出るばかりだ。
・ ・・・・・・・・・・・・・
この現状を打破するためには、小泉元首相のような人が必要だ。
それが見当たらないとすれば、ご本人の復帰を願うばかりだ。
総理大臣になることだけが人生の目的のように見える小沢党首の次期民主党政権には何の期待も寄せられない。
以 上
|
|
|
|