2007年2月18日のテーマ

今の官僚たちの最大命題は予算の獲得と天下り先の拡大だといっても言い過ぎではないだろう。
この二つはまさに聖域であって、彼らの行動のすべてはこの二つに反しないということがまず優先される。
彼らはこの二つの聖域を侵そうとするものに対しては、それが何であれ断固反対する。
予算をより多く獲得し、わけのわからぬ団体を作ったり、許認可、取締りの行使、或いは利益誘導などにより半ば民間企業を脅しながら、仲間を天下らせる。
それが上手なものほど役所内での評判がよく、出世するといわれている。
何を証拠にと怒るかもしれないが、身内に官僚のいる筆者にもそう見えるのだから仕方がない。
役人は総じて頭がよいから、利権の欲しい政治家をたらしこむことなどお茶の子さいさいである。
徒然草の昔から良き友の筆頭は、ものくれる友、である。
欲しいものを呉れてやり友達になってしまえば、あとは言いなり。
小泉元首相のように、利権はもとより、羊羹一折でも受け取らぬ覚悟の政治家でなければ、対抗できない。
マスコミも、官僚の不始末を見つけてはけしからんと騒ぎ立てるので一見天敵のようであるが、本質は突いていない。
勉強不足なので、簡単に操られてしまう。
不祥事はともかく、記者クラブなどというものを作って、官僚の垂れ流す情報をろくに検証せぬまま紙面を作るから、いうなれば彼らの思うままなのだ。
こんなことをしているマスコミは、日本と北朝鮮だけだと外国人記者に揶揄される始末なのだ。 官僚たちは誰もが反対できないような大義名分を作るのがうまい。
安全保障のため、安全のため、健康のため、福祉のためとやらなくてもいい仕事を作る理由は、数限りなく出てくる。
ちょっとやそっと減らしても、すぐ新しい仕事や組織ができる。
笑止なのは僻地の可哀想なお年寄りである。
郵政民営化で出てきたが、ガソリン税の一般財源化でまた出てきた。
道路が悪いと、一刻を争う救急車が困るという話だ。
こういうのは枝葉末節、問題の本質を故意に誤らせようとする議論で、年間6兆円のガソリン税とはほとんど関係のない話だ。
ガソリン税抜きでも対策はできる。
お人よしであるかのように見える東国原宮崎県知事などは、高速道路がないと企業誘致ができない、と叫んで同情を買っているが、では高速道路ができたら本当に企業が来るのか、と問いたい。
高速道路もあり、宮崎よりもっと便利だが、工場団地は作ってみたものの、ぺんぺん草の生えているところが全国で山ほどあるのだ。
車はほとんど通行せず、地元の土建業者と土地買収を待っている地主を喜ばすだけのこと目に見えているではないか。
この人は存外したたかな、計算のできる知事(役人)なのだろう。
昔の官僚たちはもっと志が高かったような気がする。
かの有名な経済白書の「もはや戦後ではない」の文言には、日本をここまで復興させたのは俺たちだという気概にあふれていたような気がする。
しかし考えてみればこれから半世紀が経過し、今の官僚たちにその面影はない。
今日本は危機である。
ジャパン アズ ナンバーワンといわれ、事実国民一人当たりの生産額が世界一であった国がいまや19位、発展途上国並にまで下がってしまった。
巷では国家の威信とか品格とかが議論され、武士道が持てはやされているが、まさか「武士は食わねば高楊枝」の昔に帰りたいのではなかろう。
こういう議論をする人たちは、世のエスタブリッシュメント、恵まれた階層に多い。
だが今の日本に必要なのは、何よりも経済の発展である。
日本に資源はない。
だから経済を発展させるためには生産(農業を含む)以外に生きてゆく道はないのだ。
その為には、守旧派の官僚や政治家を排除し、規制を撤廃し、外資を積極的に導入できる政策をどんどん打ち出してゆかねばならない。
それなのに、今の政府は官僚の言いなりで、手をこまねいているどころか、反対の方向に走っている。
今の内閣で改革推進派は渡辺、大田、岸田の三大臣だけだ。
そしてこの人たちの発言は官房長官から叱られるという。
こんなことで、日本の経済は発展するだろうか。
小泉内閣なら叱られるのは、官房長官だろう。
小泉改革で漸く活性化してきた日本経済は、安倍首相の下で停滞し、福田首相で下降している。 選挙で負ければしたいこともできないという意見がある。
だが、参院選で負けたのは小泉改革の影の部分で負けたのではないとする、詳細な分析もある。
自民党は小泉改革を嫌う官僚や抵抗勢力を排除し、数は少ないかもしれないが民主党の改革派と手を組んで、この日本を救う新党を立ち上げて欲しい。(いわゆる大連立ではない)
さすれば選挙で勝てること必至である。
「高楊枝」はあっという間に「米寄越せデモ」になる可能性を秘めているのだ。
悠長なことは言っていられない。
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なお、2月18日付日本経済新聞のコラム、「市場に背を向ける政治、小泉以前に戻すのか」は必見。
このパスカルの論評でも一部引用した。   

以   上

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